「ペルセウス座流星の鑑賞会&撮影会&自由研究なのだ!(前編)」第153回サルシカ隊がいく

投稿日: 2012年08月15日(水)11:32

写真:フォトグラファー加納(加納 準)  文:サルシカ隊長

前日は「天も落ちよ!」と言わんばかりの激しい雷雨であった。
東海地方にはあちこちで落雷があり、電車が止まり、信号が止まり、交通機関は麻痺。
一部で土砂崩れなどの被害もあったのだ。

もうこれはさすがに明日のイベントの開催は無理であろう、と誰もが思っていた。
隊長のワタクシは、Facebookやブログで「この程度の雨に負けてたまるか! サルシカのチカラを見せてやる!」などと虚勢を張っていたものの、実際には準備する姿も弱々しく、出るのはため息ばかりであった。

一応、キャンピングカーのサルシカ号の燃料を入れに稲ちゃんのエネオスに行ったが、そのときも雨がざーざー降っていた。
「残念やけど、さすがに明日は無理やなあ・・・」
と、稲ちゃんの妻みすずに言われて、「うん・・・」とうなずくの精一杯であったのだ(笑)。

当日の朝。
起きるなり、窓を開けた。
どんよりと重い雲が空を覆い、観測をするはずの山々はまったく見えない。

事前の打ち合わせで、きょうの午前10時と、午後3時に「お知らせ」を出すことになっていた。
滋賀県や愛知県からも参加表明の方がいたし、Facebookだけでも20人を越える参加希望者がいた。
なるべく早く、しかも的確に天気を判断し、開催か中止かを決めなくてはならない。

的確な判断と迅速な行動。
これが大切なのだ。

むろんワレワレは、迅速にてるてる坊主をつくり、車の中や軒先など、さまざまなところに吊るしたのであった。
的確で迅速な行動である(笑)。

かくして午前10時まえ。
今回の主要スタッフである、大工のT橋、フォトグラファー加納、やまぴー、エネオス稲ちゃん、そしてサルシカ隊長のワタクシ奥田は、Facebookのメールで、

「どーするど~するど~する!?」
「やるのやるのやるの??」
「やめとくやめとく??」
「でもやりたいやりたい!」
「行くだけ行って呑む??」
「そうしようそうしようそうしよう!」

などと不毛なやりとりを続け、しかしいつまでも悩んでいられないので、

「本日のイベントの開催の可能性は低し、遠方の方は控えたほうがよいかも知れぬ・・・午後3時に最終確定、以上!」

のお知らせを出したのであった。

お昼前から、ワタクシは三重テレビで番組編集の立ち会いの仕事であった。
編集室は窓を塞いだ部屋でやる。
外の様子はまったくわからない。

で、番組の編集が一段落した午後2時。
窓の外を見て、ワタクシは驚いたのである。
どピーカン! 思いきり晴れて青空が広がっているではないか。
それと同時に開け放った窓からすごい熱気が流れこんでくる。

「これはいけるんじゃないのか!!」
「いけるいける!!」
「夕方から雨の天気予報が変わってきたぞ!」
「晴れる晴れる!」
「よーし、酒が飲めるぞぉ!」
「おおおおおおお!」

またしてもFacebookのメールでアホな会話が行き交った(笑)。
そして午後3時を待たず、以下のお知らせを出した。

「本日開催! でも雲で見えないこともあるけど、怒っちゃダメよ!」

というわけで、俄然ワレワレは忙しくなったのだ。
途中から「もう中止に違いない」と思い込んで、準備を放棄してきたからである。

買い出し班はスーパーへと走った。
観察班は、望遠鏡の準備。
自由研究班は子どもたち用のプリントの準備!
撮影班は機材の積み込み!

そんな中、やまきの大将のやまちゃんが、天然鮎を20尾以上釣り上げて、持ってきてくれた。
差し入れである。
おおおおお、と感動しつつも激しく汗をかいて準備を続けるのであった。

午後6時半。
スタッフの集合時間。
が、この時間まで開催場所の青山高原第6駐車場にきたのは、フォトグラファー加納だけであった。
みんな買い出しやら、鮎を焼いたり、と、時間に追われて遅れたのである。

みんなが集まったのは午後7時まえ。
フォトグラファー加納は笑いつつも怒っている。
許せ許せ。

ちなみに今回の開催地である青山高原は、風力発電の風車がまわる三重県津市の名所のひとつとも言える場所である。
風車のまわりのモヤが嫌な感じである。
晴れ間は見えるものの、かなり雲が多い。

今回の企画の主催は、木神楽とサルシカである。
木神楽は木にこだわった建築会社で、その代表は大工のT橋(写真左)である。
そして写真右がサルシカ隊長のワタクシね。

設営。
まずは大きなブルーシートを3枚、駐車場に敷く。
ここにみんなで寝転んで星を見ようという作戦なのだ。

銀座で買ったら軽く数億円を越える敷地をブルーシートで覆って確保する(笑)。

大工のT橋の軽トラ。
中に彼の巨大望遠鏡が見える。

それにしてもこの軽トラの荷台を覆う屋根がいいのだ。
これをフタすれば荷物は濡れないし、ちょっと天井は低いがテントにもなる。
実際、大工のT橋はこの荷台テントで翌朝を迎えたのだ。

午後7時半。
開催まであと30分。
急にあたりが暗くなってきた。
津のまちの明かりが浮かび上がる。
小さな町だと思っていたが、あんなに光があるのだなあ。

大工のT橋が望遠鏡の組み立てに入る。
彼は夜空に思いを馳せる少年のような心を持った大工なのだ。
今回の企画は、彼の発案である。
サルシカはそれに乗っかっただけで、まあ流星を見ながら酒でも呑もうぜ、などというヨコシマな考えがあったことをここで正直に告白しておく(笑)。

この日のために購入した誘導灯(1580円)で遊ぶ、やまぴーと隊長。
当然「ライトセーバーごっこ」である(笑)。
ブオンブオン、プシューなどと効果音を口ずさみながら戦う。

で、挙げ句の果てには、
イベント前の腹ごしらえと称して飲んでしまう(笑)。
鮎も食べてしまう。
その頃、遅れて稲ちゃんも登場!
さあ、そろそろ時間である。

が、空は雲に覆われ、星ひとつ見えない。
こちらに向かってくる車のライトも見えない。

やはりダメか。

それでも、やまぴーと稲ちゃんは誘導灯をもって道へ出る。
車がまったく来ないので、彼らも「ライトセーバーごっこ」をはじめる(笑)。

8時10分前ぐらいになって、いきなり車のライトがぞくぞくとやってくる。
おおおお、未知との遭遇のUFOみたいだ。

やまぴーと稲ちゃんが駐車場に誘導し、M子やワタクシが駐車場内を案内する。
みんな道に迷ったりしているらしく、時間を越えてからもどんどんやってくる。

地元の人、サルシカ隊のメンバー、大工のT橋の友人、そしてサルシカを見てやってきてくれた人・・・・。
ブルーシートはあっという間にいっぱいになった。
が、あたりは真っ暗なので、誰が誰だかわからない。

実際、たくさんの人とあいさつさせてもらったが、声しか認識できていないのだ。

夏休みの宿題用のペーパーを子どもたちに配るM子。
子どもたちはワクワクして盛り上がっている。
が、星はまったく見えていないのだ。

望遠鏡の前で大工のT橋は、漆黒の夜空をただただ見上げ、
手持ち無沙汰のフォトグラファー加納はタバコをふかしていた。

写真で確認してみたところ、
開催直後ですでに40人を越える人たちがいた。
スタッフを入れると、50人を越えている。

そのみんなが夜空を見上げる。
期待がどんどん高まるのがわかる。

ひゃ~、このまま星ひとつ見えなかったらどうしよう~。
ワタクシはうろたえていた。

津の町だけはキレイ。
まずはこの夜景に望遠鏡を向け、子どもたちに覗かせる作戦に出た。
時間稼ぎである(笑)。

果たして雲は切れるのか。
夜空の星をワレワレは見上げることができるのか。

なんとここで前半終了で、後半へと続くのだ!!
後半は明日にも公開の予定です!!!