「第3回サルシカ黒豆収穫祭」第163回サルシカ隊がいく

投稿日: 2012年11月12日(月)08:39

文・写真/服部奈々

〈前書きとして〉

サルシカ隊長の奥田である。
今回は、新隊員の服部さん(女性!)にレポートをお願いした。
ワレワレのイベントに初めて参加した人に、サルシカ隊はどのように見えたのか。
うら若き(?)女性に果たしてワタクシなんぞはどう映っていたのか。
はなはだ楽しみなのである。


サルシカで「第3回目 黒豆収穫祭 開催!」の文字を見た私。
収穫祭!
なんと楽しそうな響き!!

ええと、内容は・・・?
「採っても採っても採り切れないほどの黒豆が実っていて、収穫にはそりゃーもう、人手がわんさか必要!」
「採った黒豆は持って帰ってOK!」
「参加費無料!!」
なんと!こりゃ参加せねば!!

ということで、参加してきました、黒豆収穫祭!
今年で3回目となる収穫祭ですが、初参加者にとっては、未知の世界。
まずは10月21日、朝9:30、三重県津市久居のインターそばにて待ち合わせ。
とある駐車場の一角だったのですが、私がいくと、もうそこにはすごい数の人が!

私、たいへんビビっておりました。
誰も知らないところにひとり。
いきなり大勢のサルシカ隊・・・。

しかも!
サルシカの隊長は・・見た目がこわい。
でかくて坊主。
濃い顔立ち。
声もデカイ。
なのに、丸顔。
このアンバランス加減でこわさ倍増。
ですから、大変キンチョーしておりました。

しかし!「近づいても大丈夫なもの」ということ、知ってはいるのです。
なんというか、「まわりにあるものがやさしい感じ」だと、大丈夫に見えるというか。
ディズニーの美女と野獣にあった、小鳥に囲まれる野獣には近寄ってみようと思える、という、あれです。
サルシカにはやさしそうな隊員がたくさんいるわけですから、隊長に近づいても大丈夫なわけです。
さて、隊長の周りにいるやさしいもの達よ、サルシカって、そして、黒豆収穫祭って、どんなかんじなのかね。

ということで、隊長の「挨拶と自己紹介は、むこうについてから!緑の車について行ってください!」
の号令で出発!

ご覧ください!
このズラリと並んだ車の列を!
遥か彼方までみえる車すべてがサルシカ隊の隊員のもの!
これは、毎年恒例の行列で、『サルシカ黒豆コンボイ』と呼ばれているとか。
途中ではぐれたら最後。
しかも後ろのみなさんも巻き添えです(笑)。

どかーん。
久居の待ち合わせ場所から車で15分ほど。
目的地の黒豆畑にやってきました。

広大です!
なんとこちらの畑の全長は200メートル!
そのうち3本の畝が、今回提供していただけるそうです。

畑を覗きこむと、丸々とした黒豆のさやが!!
たくさん!!
今年は実りがとてもいいそうで、味も最高とか!!!
これ本当にタダでもらっていいんですか!?

でも、
よーくよーく見ると、カメムシとバッタがいっぱい。
うへー。自然って素晴らしい。

それでは、集まれ集まれ!!みなさん、自己紹介です。

おぉ、いろんな方がいらっしゃる。
こんなに異業種、多国籍の方たちが集まるとは。
しかも黒豆収穫に(笑)。
サルシカ新参物の私、驚きがとまりません。
人種は・・・南アフリカ人、アメリカ人。
職業は・・・銀行員、アーティスト、住職・・・。
住職!?
うはー、初めて袈裟を着ていない住職さんにお会いしました!!

今回の参加者は、子どもも入れると40名ちょっと。
年々参加者が増えているようです。

ところで、なぜ人は頭に手ぬぐいを巻くのでしょうか。そんなに汗はかきまんよ?

さ、自己紹介が終わったら、豆を、採って採って採りまくります!
最初は黒豆の木というか幹ごと引っこ抜く!!
それを1ヶ所に集めます!

すべての黒豆の木を引っこ抜いたら、今度はみんなで房をひとつづつ枝からはずします。
地道な作業。
が、たくさんいるのでどんどん進みます。
あとに残された枝には実ひとつ残っておりません。
まるでイナゴの大軍状態(笑)。

みんながもくもくと収穫を続ける姿を見た、参加者で同僚の黒石は、
「僕にはみんなの頭の中が手に取るように見える!
畑でしっかり汗を流す→スーパーに行きビールをケースで買う→シャワーを浴び、汗を流す→ビールとジョッキを冷蔵庫でしっかり冷やす→黒豆を塩茹でする→テレビの前で食べる、しか考えてない!そして僕もそれしか考えてません!」
と申しておりました。
黒石よ、それには私も賛成だ。
私もそれしか考えてませんでした!

そんな中、隊長から「おもしろい記事にはおもしろい人が不可欠だ!」というアドバイスが。
そうですか、そうなんですか。(そうでした、私、収穫祭の取材中でした。)
それを鵜呑みにして、サルシカと黒豆収穫祭について、みんなからお話をきいてみることにしたのです。

まずは・・、おお、味のありそうな、チェックのシャツ(隊長注:石黒さんです)からだ!

どうも!
・・・サルシカに入られてどのくらいなのですか?

「美里に移り住んでからなので、1年くらい。」

・・・ほほう。津市の美里は隊長や多くのサルシカ隊が暮らすところですよね。
数年前までは「村」だったところですが?

「美里は津の他の地域とは違いますね。家を探しているときから感じてたけど・・・やはり村なんです(笑)」

道を歩いていると、何をしているのだと声をかけられ、親身に相談に乗ってくれ、しかも野菜を持たせてくれることがあったりしたそうな。
ほほう。同じ津なのに。何がそうさせるんでしょうね、美里よ。

おっと、こちらは、
「海」と「アートを受け入れてくれる土地」、をキーワードに津市白山に移住されてきたご家族。
ん?
白山に海はなかったような。
ま、いいか。

写真はパーカションニストのエロンさんとお子さん。
奥さん曰く、「三重県 移住」で検索すると、サルシカが出てきたそう。
「移住はできても定住は一苦労」だそうな。

あ、こちらに優しそうなお母さんが。
この方、薪ストーブを検索したところ、サルシカのサイトにつきあたったそうで!
おうおう、これまたおもしろそうなワードが出てきたじゃないか。
ま・き・ス・ト・ー・ブ、とな?
「薪ストーブは一台で家中あたたかくて、煙突から煙が出るんですよ。」
ほほぅ・・・、いいじゃないか、薪ストーブ。
夢がある、希望がある、そして何より未来がありますな、マキストーブ!
「結構使っている家ありますよ。」
そうなんですか!三重にそんなステキハウスがあるなんて。
・・・一体どこのおうちにお邪魔しよう。
一回は見ておかねば。体験しておかねば、薪ストーブ。
どなたか、薪ストーブのあるご自宅に招いていただける方、連絡待ってます。

あ!隊長!
と思ったら違いました、津では有名な住職でした(笑)。

住職が隊員になったきっかけは、サルシカの取材を受けたことと、薪ストーブ、だそうな。
またか、薪ストーブ。
住職、サルシカって、なんか繋がっててすごいですね。
「自然が『好き』をキーワードに共鳴していくかんじですかねー。」
さすが住職。
言葉で決めますね。
すてきですね。
合掌。

あ!
黒豆畑を提供してくださった割烹やまきのやまきさん!

実はこちらの畑の黒豆は、このやまきさんが農家の方にお願いしてつくってもらっているもの。
おいしいものを地元でという考えからはじめたことらしいけれど、いつのまにかお客さんにサービスで提供するようになって、それがいつの間にか仲良しの隊長といっしょにサルシカのイベントとして提供するようになったんだとか。

そしてこんなお話も。
「この辺りは豆腐がおいしくて有名。それは豆がおいしいから。」
あ、確かにこの近くに有名なお豆腐屋さんがありますね。

今日はすいません、ありがとうございます。
今度ボーナスが出たら飲みにいきます(笑)。

と、そうこうしているうちに、みんなで収穫し終えました!黒豆!
「隊長、横にならんでみて!」の声で、隊長、黒豆の横に寝転ぶ。
黒豆も多いし、隊長もデカイ。ということを伝えたい。

「袋にいっぱいつめて持って帰ってください!」の号令で、各自、黒豆を袋詰め!
1家族に1袋、ぎゅうぎゅうに黒豆をつめこんで帰りました。

参加者で同僚の片山は「この日、何よりも印象に残っているのは、収穫できた黒豆をみんなで山分けしていた時のみんなのあのニヤけよう!!
まあ、こんなに元気に育った大きな粒ぞろいの黒豆を分けていただいたんですものね。そりゃあ笑いもこぼれますわな。」
と言っていた。

片山は他にもいいことを言っていたので、載せておこう。
片山曰く、「自分の家の周りに畑はあるし、おばちゃんも本業の傍ら農業をやっている。
農作物が実っているのは、普通に見かける光景ながら、だからといって知識があるかと問われれば全くもってノンノンノン。

だからこそ、今回こうやって実際に畑に入って農作物の収穫をさせてもらえるなんて、なんてありがたいことなのだろうか。ちっちゃい頃って農業体験などなど、何かを体験する機会がたくさん用意されているけど、中学、高校と上がっていくにつれて、そういったことからどんどん遠ざかっていってしまう。

でも今回黒豆収穫祭に参加してみて、大人だからこそ、本や知識に頼るだけではなく、実際に身体を動かして、例えば農作業をしてみることが大事なんでないの?とか思ったりして。

大人になる過程で失った何かがそこには隠れているような気がしたのでした。」
だそうな。
片山よ、しっかりとしめてくれてありがとう。

でも最後にひとつ言っておきたいことがある。
私にはひそかに楽しみにしていたことがあった。
それは「黒豆をたくさん食べた後は、オナラが香ばしくなる現象」が起こることだ!
以前大量の黒豆を摂取した私のオナラはすごく香ばしくなった。それはもう、どう?かいでみて!とふれまわったくらいだ。
でも、今回は残念ながら香ばしくはならなかった。
実はちょっと遠慮して(あんまり収穫作業してなかったので)、持ち帰った黒豆が少なめだったせいだと思う。
だから、来年こそは、誰よりもたくさん働いて、堂々と大量の黒豆を持ちかえり、今度こそ香ばしいオナラを漂わせたい。

ありがとうございました、黒豆収穫祭!