「秘密基地建造ファイナル・パート2の①」第176回サルシカ隊がいく

投稿日: 2012年12月26日(水)10:03

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写真/フォトグラファー加納(加納準) 文/サルシカ隊長(奥田裕久)

自分で書いていても恥ずかしいが、サルシカ秘密基地建造ファイナルのパート2のはじまりである(笑)
10月27日と28日、そして29日の残業を含めて3日間かけて秘密基地建造ファイナルのイベントを実行したが、サルシカ事務所(小屋です)と、ツリーハウスの鬼太郎ハウスはほぼ手付かずのまま終わってしまった。
目算が完全に甘かったとしか言うしかない。

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以上は前回の様子。
2日目は土砂降りの中、ドロと汗と涙にまみれての戦いであった。
そこまでがんばったのに完成しなかったのである。

というわけで、ファイナルのパート2だ(きっぱり)。
事前に言っておくが、パート2でも終わらない。
たぶん4か5ぐらいまではいくのではないかと思っている。
どうかそこんところをご了承いただき、お付き合い願いたい。

さて。
今回つくる事務所とツリーハウスであるが、これらは両方とも建造には専門的な知識と技術が必要とされる。
力だけではなんともならない。
人数ばかり集めても、せまい空間での勝負になるので、逆に作業のジャマになるばかりである。
というわけで、今回は少数精鋭の闘いにしようということになった。

それにしても。
1回目の秘密基地建造計画は、時間的にも体力的にも負担が大きかった。
特に建造計画のリーダーである大工のT橋とサルシカ隊長であるワタクシは、時間的にきつかった。
11月は仕事の遅れの取り戻す期間にしたのだが、12月に入ってもドタバタと忙しいままで、パート2の準備に入ったのは実行日の2日前。
材料などの搬入をしたのは、前日という慌ただしさであった。

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早朝、大工のT橋は、サルシカ事務所の建具などを運び込んでいた。
もちろん新品など買う余裕はないので、どこかの解体現場で出てきた「お古」である。
中には、写真師マツバラの自宅であるカフェ・ヒビコレの改修工事で出た建具も含まれていた。

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ワタクシも大工のT橋に頼まれた材料を買いに朝からホームセンターへ。

ピンコロ(基礎の代わりにする四角いコンクリね)を13個、波板3枚、建具用レール3本、それとこれと・・・。
大工のT橋が電話の向こうで思いつくままに話すのをメモし、ホームセンターをひとり走り回って買い集めてきたものだ。
隊長という肩書きはあるが、これでなかなか大変なのである(笑)。

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買い物から戻ってくると、T橋の相棒である大工のM田も古畳や建材を運び込んできた。
撮影の事前打ち合わせにきたフォトグラファー加納は、いきなり荷物の搬入係に。
※一番TOPの写真参照のこと(笑)

「おいおい、オレは仕事の合間に立ち寄っただけやぞ〜」

と文句たらたらだが、人がいないのだから仕方がない。
みんなで汗を流して運びこむ。
毎度思うのだが、こういうイベントのときは当日よりも準備のほうが大変だ。
人がいないのに作業だけは山ほどある。
しかも今回は時間がなかったのでわずか1日で一気に片付けねばならぬのだ。

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そして昼過ぎ、すべての材料が揃った。
これ以外に、津市美杉の三浦林商さんからいただいた杉板が山ほどある。
あとは明日のみんなの昼飯や宴会の準備だけだ。

「よっしゃ、昼めしくって買い出しにいくか~」と出かけようとしたら、見慣れた山形ナンバーの車が秘密基地にいきなりやってきた。
なんと・・・!!
サルシカ隊、山形支部長のでこさんがやってきたのだ。

彼は、3年まえのツリーハウスづくりの際、いきなり山形からやってきて参加したという強者であった。
それから何度も三重に来たし、ワレワレも山形へ足を運び、不思議なつながりができていた。
前回の秘密基地建造ファイナルにも参加し、三重県のサルシカ隊員を盛り上げた。
その彼がまたもや山形から800キロ車を走らせてやってきたのだ。

が、今回はワタクシが個人的に注文した薪割り機の配達のためであった。
運送会社に頼めばいいものを、それ以上の交通費と労力を使って、ただ三重に来たい、遊びたい、あわよくばうまいものを食べたいという一心で800キロを走ってきちゃったのだ。

でこ「でもね、今は仕事が忙しいから明日の朝帰るから」
隊長「は? 明日から秘密基地づくりだぞ」
でこ「参加したいのは山々なんだけど、雪で仕事が遅れてて」
隊長「明日の朝、みんなに挨拶だけしてく?」
でこ「またまたあ、すぐそうやって引っ張りこむぅ。みんなの顔見たら帰れるわけじゃないですか」
隊長「大丈夫だよ、みんなでバイバイするから」
でこ「絶対むり! だって自分がやってきたいんだもん!!」

なんてことになったが、じゃあ何のためにわざわざ薪割り機を運んできたのか。
ヤツはすでに三重で行きつけになっている割烹「やまき」で飲みたかったのだ。

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いくら山形からでこさんがやってきたからとはいえ、いきなり昼からやまきで飲むわけにはいかない。
サルシカ隊薪ストーブ班のまさやんも巻き込んで、

「じゃ、今から買い出しにいく!! 明日の宴会用のおでんのタネを買うのでよろしく!!」

と、むさ苦しい野郎3人でスーパーに突撃!!

でこ「こんにゃくは3つでいいかしら」
隊長「5つ!」
まさ「はんぺんはいるかしら」
隊長「買え!」
でこ「餅入り巾着好きなんだけど」
隊長「明日帰るんだろ!」
でこ「でも3パック、うふ」

などとアホなことをやりつつ、信じられぬほどの量のおでん・・・買い物カゴに3杯を購入。
それを秘密基地の冷蔵庫に放り込み、今度は夕方の繁華街にいざ出撃なのだ。

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前述した割烹やまきである。
山形から三重までやってきて何もごちそうしないわけにはいかぬではないか。
友が来たら仕事を捨てて死ぬまで飲む・・・これがサルシカ隊ではないか。

というわけで、明日、秘密基地建造ファイナル・パート2のイベントだというのに、乾杯!!(笑)
たまたま予約していた、やまぴーや住職もやってきて、しこたま飲んで食べた。

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「は~、うまい!!」
「ぬわ、これ最高!!」

などと食べていたら、でこさんが「ああああ!!」と声をあげる。

でこ「何かが足りない、何かが足りない・・・と、ずっと思ってて、いま気づきました!」
隊長「金か? ここの支払いならまかせとけ」
でこ「薪割り機ですよ!」
隊長「は?」
でこ「運んできた薪割り機には、割ったあとの薪が落ちないようにするガードがついてなかった!!」
隊長「そうだっけ?」

ちょっとすんません、と、でこさんは電話をもって店の外へ出ていった。
ガラス越しの暖簾の向こうから、「オメエ、フザケテンノカ」と東北なまりの声が聞こえたりした。

で、席に戻ってくるなり、
「明日の朝、部品が届きますんで取り付けてから帰ります」
と、でこさんは言った。

その後、また飲んで食べて2軒目へと流れ、でこさんはドライマティーニなんぞを注文した。

パート2の②につづく