「秘密基地建造ファイナル・パート2の②」第177回サルシカ隊がいく

投稿日: 2012年12月27日(木)10:19

001

写真/フォトグラファー加納(加納準) 文/サルシカ隊長(奥田裕久)

サルシカ秘密基地建造ファイナル・パート2がはじまった。
12月15日(土)と16日(日)の2日間、またもやトンカチとノコギリの戦いがはじまるのだ。

午前8時すぎ・・・。
秘密基地にいたのは、隊長(写真左)、大工のT橋(真ん中)、山形のでこさん(右)、
そして写真を撮影しているフォトグラファー加納の4名であった。

開始時間は午前10時からであるが、前回はもう8時にはかなりの人数の人が集まり、トンカンはじまっていたものである。
それが今回はなんとものんびりしたムードなのだ。

でこさんは届いた薪割り機のパーツを引き取りにいき、キコキコと取り付けていた。
その間に隊員たちがゆるやかに集まりつつあった。

002

この日は朝から雨の予報だった。
1週間ほどまえからずっと晴れが続いていて、この日以降もずっと晴れなのに、なぜか秘密基地建造ファイナルパート2のはじまるこの日だけを狙って雨の予報であった。

実は、前回建造ファイナルで大雨に襲われ、しかもその後の薪集めイベントでも大雨になったことから、
「隊長が雨男に違いない、きっとそうだ!」
という噂が、チラリホラリどころか、本人の目の前でも聞かれるようになっていた。

三重の海、山、川で遊びつくすサルシカ隊のリーダーが雨男だったら・・・。
これほど活動に支障をきたす障害はない。
もはや隊長辞任しかないのだ。

だから意地でも雨は降らせない。
気合で雨雲を押しのけてみせると、ワタクシは心に誓っていたのだ。

そのワタクシの頑なな思いを神は受け入れてくれたのだ。
いまにも泣きそうな雲天ではあったものの、雨粒はひとつたりとも落ちてこなかったのだ。
わはははははははは。
雨男はワタクシではない!!
違うのだ~~!!

003

この日の作業はサルシカ事務所の建造であった。
前回の反省から、あまり無理なスケジュールを組まないようにした。
今回は事務所さえ完成すればよい。
ツリーハウスの鬼太郎ハウスはまた今度なのだ、ワハハハ、ということになっていた。

005

このそびえ立つ柱にツリーハウスができるのはいつの日か。

「早くつくらないと柱が腐っちゃうよ~、タラリララ~ン」

二日酔い気味でやけくそ気味のワタクシは唄う(笑)。

004

「じゃあ、みんな集まってください」

大工のT橋がまじめな顔をしてみんなを招集する。

「いいですか、きょうつくるのはサルシカの事務所です。
 居住空間ともいえる部分をつくるので、隙間や強度に注意を払って・・・」

話はまじめだが、木っ端に書かれた彼の図面は、これまたなんとも珍妙で小学生の落書きみたいなのだ。
みんな吹き出しそうになりつつも、神妙な顔を装って「うん、うん」と頷く(笑)。

006

この日、集まったのは写真右から、

・サルシカ薪ストーブ班の新人、横山の金さん
・結局作業しちゃってる山形のでこさん
・サルシカ薪ストーブ班の中堅、おくりんさん。
・大工のT橋
・もやし石黒
・神奈川出身の新人大工、小川くん
・海の植林活動を続ける「海っ子の森」の山下さん
・そしてサルシカ隊長

午後から前回も参加の大山さんも合流し、計9人の戦いである。

007

海っ子の森の山下さんと隊長のワタクシは取材で知り合い、意気投合。
で、今回のイベントにも参加していただいた。

事務所づくり班と離れてふたりが作業していたのは、トレーラーハウスの排水工事。
排水といってもコップを洗う程度(洗剤禁止!)なので自然浸透式で枡を埋めることに。
深い穴を掘り、中に砂利を敷き詰め、その上に枡を入れる。
雨水が流れ込まないように、頭を若干地面から出す。

008

みんなの顔を見て、ちょっとだけ手伝うと言って、しっかり帰るタイミングを失ったでこさん。
がしがしと働き続ける。
頼もしいのだ。

009

隊長は排水パイプを切り、つなぎ、
そして排水枡のコンクリのフタをグラインダで切断する。

この排水パイプの断面のアップは、つまり、フォトグラファー加納が「この下手くそな切り方! みんな見てみろよ!」と言いたいのであろう。
いいのだいいのだ、ボンドでくっつければ見えないのだ。
ちゃんと水は流れるのだ(笑)。

010

事務所チームは、ウッドデッキのステージからあがる階段をつくりあげていた。
その階段をあがると、また小さなウッドデッキがある。
そこも小さなステージになるのだ。

そしてそのステージの奥が、サルシカ事務所。
サルシカの司令塔となるのだ。

011

ここまでつくったところでお昼になった。
今回はお昼をつくってくれる移動販売も来ていないし、差し入れをどかーんと運んできてくれる飲食店スポンサーもいない。
フォトグラファー加納さんにお弁当を買ってきてもらったものをみんなで食べる。

まさかパート2、3と続くと思っていなかったので、1で予算を使い果たしてしまったのだ。
もはやこれからの秘密基地づくりは貧困との戦いなのだ。

お昼ごはんを食べたところで、山形のでこさんがさすがに離脱。
山形へ向かって帰っていった。
ついで海っ子の森の山下さんも仕事のため離脱。
代わって、前回も参加の大山さんが加わり、午後の作業がはじまった。

012

大工のT橋は建具を組み込んだ壁の作業に入り、残りの隊員は床の作業。
床に入れる断熱材を買うお金がなかったので、古畳をカットして断熱材の代わりにする。
今の畳は全部がイグサではなく、なかに発泡ウレタンが入っている。
これがまさに断熱材になるのだ。

タダで手には入るが、手間がかかる。
畳をカットするだけでも大変。
思っていた以上の時間を費やしてしまった。

013

床に断熱材を敷き詰め、その上から合板を貼ったところで午後4時半をまわり、タイムオーバー。
この時期、4時をまわったらもう薄暗いのだ。

無理をせず楽しく。
今回は焦らずのんびりやろうがテーマだったので、ここで仕事終了!!

014

みんなは片付けや照明のセット、そして焚き火の用意と慌ただしく動く。
ワタクシはおでんの準備。
隊長のワタクシは、昨日から煮ているおでんがたっぷりと入った超巨大鍋を運び、その他のおつまみを準備。
お酒は前回の差し入れのビール、焼酎、日本酒、ワインがたっぷりとある!!

015

「そりゃ!乾杯!!!」

なんだか最近、作業のために飲んでいるのか、飲むために作業しているのか、よくわからぬようになってきた(笑)。
ま、いいのだ。
これがサルシカの原動力になっていることは確かである。

016

みんなでつくること。
仲間を増やしていくことが、秘密基地完成よりも大事なのだ。

神奈川から移住してきた小川くんと大山さんが仲良く地ビールを飲む(笑)。
2日分と思っていたおでんはどんどん消えていき、ついには空になった。
恐ろしい食欲である。
ウッディ山本と彼女のたにやんが陣中見舞いにやってきた。

そういや、世の中には女性という生き物も存在したのだと一同気づく。
きょうの秘密基地は男ばかりだったのだ。

さあ。
サルシカ秘密基地建造ファイナル・パート2の1日目が終わった。
明日、サルシカ事務所は完成するのか!?