「秘密基地3-1~これが秘密基地建造ワークショップだ!」第182回サルシカ隊がいく

投稿日: 2013年01月14日(月)10:39

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写真/フォトグラファー加納(加納準) 文/サルシカ隊長(奥田裕久)

まずはこのトップの写真についてから申し述べよう。
改めてしっかりと見てみると、なんともまあ、むさ苦しいオッサンばかりなのである。
みんなに協力してもらっておいてこんなことを言うのは非常に申し訳ないのだが、こんなオッサンたちがこんな格好で町中をウロウロしていたら、間違いなく警察に通報され、有無をいわさずブタ箱に放り込まれるに違いないのだ(笑)。

さて。
サルシカ秘密基地である。
ついに年をまたいで2013年になってしまった。

何度も書いているが、サルシカが秘密基地を計画したのが、今から5年前の2008年。
2011年の7月にトレーラーハウスをもらうことが決定し、いよいよ本格的に計画は稼働。
ついに2012年4月にトレーラーハウス大移動作戦が実行された。
そして電気工事などがじわじわと行われ、10月に全国から60名の勇士たちが集まって秘密基地建造プロジェクトが行われた。
最初は1回のイベントで完成の予定で「秘密基地建造ファイナル」と名付けたが、終了せず、2回目を経たが、それでも終わらず年を超えてしまったのだ・・・・。

残すは、サルシカの司令塔となるサルシカ事務所(外壁のみ完成!)、秘密基地のランドマーク的存在となる予定のツリーハウス(当初は鬼太郎ハウスという名前であったが、現在はワンピースハウス)。
そしてイベント時に活躍するであろう石焼窯の3つであった。

次回、たくさんの人を集めてプロジェクトをやるときは、ツリーハウスと石焼窯に集中したい。
そのためにもサルシカ事務所は、こつこつと数人のメンバーで仕上げたい。
そう思っていた。

で、2013年の1月4日。
正月早々に、大工のT橋に来てもらって、内装工事のノウハウを教えてもらい、あとは自分たちで作業するぜ、というつもりで、この日を迎えたのだ。

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が、この日・・・。
三重県津市美里町のサルシカ秘密基地周辺は、モーレツな雪であった。

最近、この秘密基地イベントや薪集めイベントで雨が続き、
「ひょっとしたら隊長が雨男じゃないの?」
なんていう噂がまことしやかにつぶやかれていて、三重の海・山・川で遊びまくるサルシカ隊の隊長としては非常に焦っていたのだ。

数日前に確認した週間予報でこの日は雨。

「うおおおおおおおおおおお!
何がなんでも雨を降らしてなるものかあ!」

と、空をにらみ、脅迫してきたのであるが、まさか雪とは。
しかも横殴りの(笑)。

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今回のスタートは午前9時。
8時すぎには、本日の参加者である、割烹やまきの大将やまちゃん、薪ストーブ班のなおやん、新隊員のみつやさん、愛知県から中谷のおとうちゃん、隊長代行のキヨちゃん、そして大工のT橋が集まってきていた。

「あー寒い寒い!」
「なんでこんな雪の中でやらなあかんねん」
「酒のも、酒! 熱燗やで」

雪の中でそそくさと焚き火を起こし、その前から誰も動かない。
雪はどんどん降り積もっていく。
すばらしいサルシカ秘密基地2013年の幕開けである(笑)。

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今日は作業メインではなく、内装工事を学ぶワークショップである。
まずは大工のT橋から、内装工事について、そして外装工事の仕上げについて説明を聞く。

「あーサブ。ま、仕方ないんで、ちょっとやりますか」

あの寡黙で1本筋が通った男であった大工のT橋は、年をまたいでますますテキトーかつケーハクな人間になりつつあった。

壁や天井はベニア板を張り付ければ、あっという間に作業が終わる。
が、ワレワレは天然木にこだわった。

いやウソついた。
正直にいおう。
もうお金がまったくないので、美杉の三浦林商さんからいただいた杉板をなるべくフル活用する方向で話を進めた。
あとは大工のT橋がもっていた野地板の在庫を使わせてもらうことにした。
ま、つまりお金がかけられないから手間をかける、っていうことである(笑)。

が、大工のT橋は説明をしているうちに、

「あのぉ・・・きょう参加してくれてる人って、基本的に秘密基地建造計画にずっと参加してくれてる人じゃないですか。しかもどちらかというと大工仕事が得意な人ばかりじゃないですか。これ、ボクが教える必要あるんですか」

一同、顔を見合わせた。

「じゃ、いつもどおり作業をするってことで」
「あいよ」

話はあっという間についた。
こうして秘密基地ワークショップはわずか5分で終わったのである。

このあとは、秘密基地建造ファイナルである。
パート3である!(笑)

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まずはみんなで外壁の仕上げをすることに。
壁は板を重ねて貼ったが、角がそのままで風がスースー入ってくる。
そこに縦に板をはり、しっかりとフタをすることに。
見栄えも断然良くなるはずである。

写真左上/愛知県から駆けつけてくれた中谷のおとうちゃん、いつもありがとう!
写真左下/割烹やまきの大将やまちゃん、前回は体調不良で不参加で今回はリベンジ!
写真右/薪ストーブ班のなおやん、秘密基地には初参加!

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みんなでトンカン、トンカン。
もうこの秘密基地を作り続けて、のべ何日目であろうか。
それにしても、みんなで何かをつくるっていうのは本当に楽しい。
しかも秘密基地である。
大人が本気でつくる秘密基地である。
楽しくて楽しくてたまらん。
体は疲れるし、翌日は筋肉痛になるけど、こんなに楽しいことはない。

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11時を回った頃。
トレーラーハウスのキッチンからジュワ~という音と共にすさまじくいい香りが!!!

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中谷のおとうちゃんが、この日ばかりは、中谷のおかあちゃんになって、お昼ごはんの支度!!
年末の鼻笛第九の際に、「今度の秘密基地のときはオレが昼めしをつくるから! まかせておいて!」と言ってくれていたのだ。

そして前日からいろいろなモノを仕込み、またスキレットや鍋や調味料を持ち込んで、その場でいろいろ作ってくれたのだ。

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季節の野菜もどんどんスキレットで炒めて。
仕込んできた煮玉子も切って並べて。
なんだ、なんだ、いったいなにが出てくるんだ~!!

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この日のメニューはトッピング盛りだくさんカレー!!
福神漬のかわりにキャベツと白菜の浅漬も!!
なんともまあ魅力的ではないの!!!

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「みんな~、お昼ごはんよ~」

オタマを持った中谷のおかあちゃんがトレーラーハウスから呼びかけると、雪の中で作業をしていた隊員たちがぞくぞくと駆け込んでくる。

「おおお~、なんじゃあ、このええ匂いは~!!」
「温かい~温かい~、幸せ~」
「ああああああああ、おがあちゃ~ん!」

中には感動のあまり泣きじゃくり、中谷のおかちゃんの胸に飛び込むヤツも(笑)。

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隊長代行のキヨちゃんがみんなのごはんをよそい、中谷のおとうちゃんが一晩煮込んだ特製ルーをかける。

「ごはんもうちょっと? ルーは? トッピングは自分でやって!」

こういう時のサルシカ隊の指示命令系統は、トヨタの工場にも負けないほどである(笑)。
みんなテキパキ動く。
誰かに言われる前から動く。

そして食べる。
無言でひたすら食べる。
しかもすごい量を食べる(笑)。

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「おかあちゃん、うまいよう! 幸せだよう!」の図。
チラリと映っているが、なんの作業も手伝っていないワタクシの妻のM子と娘のm子も、いつのまにかしっかりとごご相伴に授かっている(笑)。

それにしても、みんなで秘密基地をつくり、みんなでこうしてメシを食う。
何度もいうが、楽しくて楽しくてたまらん。
なんだか秘密基地を完成させるのが目的ではなくて、こうしてつくっているのが目的のような気がしてくる。

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「ま、正月ですし・・・ま、ワークショップなんで・・・・」

ワケのわからん理由を述べつつ、ほとんどの隊員が昼ビールを飲んだ。
中谷さんの手作りカレーを頬張り、ビールをのみ、バカ話で盛り上がる。

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食後はご覧のとおりのまったりムード(笑)。
果たして午後の作業はスタートできるのか。
それともこのまま正月宴会突入なのか。

そんなこんなで次回につづく、のである!