「秘密基地3-2~秘密基地のバイオリン弾き」第183回サルシカ隊がいく

投稿日: 2013年01月15日(火)16:21

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写真/フォトグラファー加納(加納準) 文/サルシカ隊長(奥田裕久)

まだ正月気分の明けやらぬ1月4日。
ワレワレは秘密基地をつくっていた。
本当は「秘密基地ワークショップ」と名付けて、小屋の内装工事のノウハウを学ぶ場であった。
が、フタを開けてみると、参加者は秘密基地のレギュラーメンバーばかりで、なおかつ大工作業に通じた人ばかり。
これじゃあ何も教えることはないってことで、急きょいつもの秘密基地づくりになったのであった。

午前中は雪の中でひたすら作業。
お昼は、愛知県の中谷さんが用意してくれた「お好きなだけトッピングどうぞ♡うふん♡カレー」を食べ、そのあまりのうまさにビールを我慢できずに飲んでしまった。

もうこうなったら、みんななかなか動かない。
お昼休みの時間を終えても、トレーラーハウスから出て行くものはなかった。

が、2つの奇跡がワレワレを動かしたのである。
その1つの奇跡は、雪がやみ、晴れ間が出てきたことである。
そしてもうひとつは、その雲の隙間から差し込む日差しに照らされ、その光の中を天使に案内されるように、その二人がやってきたからであった。

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その二人とは、鼻笛大工の池山さんと、左官屋のこやまさん。
長い髪にヒゲ。
そして薄汚れた格好。
まさに二人の様体は聖者のようであった(笑)。

が、なんたって大工である。
鼻笛ばかり吹いていて、実際に大工仕事をしているところは見たことはないが、本人が言うのであるからたぶん間違いない。

二人は四日市の現場に行く予定であったが、雪で中止となり、Facebookで秘密基地の様子をしって駆けつけたという。
力強い味方がやってきたのだ!

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これをきっかけにして、ワレワレはモーレツに働きはじめた。
まずはサルシカ事務所の壁に断熱材をはめこむ。
人が滞在する時間がながい場所なので、ここだけはちゃんとつくっておこうという話になったのだ。

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そして事務所の天井づくり。
鼻笛の池山大工が木を切り、左官屋のこやまさんが運び、大工のT橋が打ち付ける。
おおお、なんというプロの流れ作業であるか!
なんとゼータクな人事であろうか!(笑)

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事務所内はプロにまかせ、中谷のおとうちゃんとやまきの大将、そして隊長のワタクシは、事務所へとつながるウッドデッキづくり。
階段もつけて、ちゃくちゃくと形にしていく。

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みつやのおとうちゃんは、屋根のまわりと窓のまわりの仕上げ作業に集中。
むずかしいところは「どれどれ、私にまかせてみなさい!」と、鼻笛大工が登場!!

おおおお、池山大工がのこぎり持ってるの初めて見たあ!(笑)

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で、気づいてみれば、秘密基地にはこんなに車がずらり。
前回の建造プロジェクトより参加者が多いぐらいだ。
いろんな人が何度も何度も協力してくれる。
本当にありがたいことだ。

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秘密基地プロジェクト皆勤賞の石黒隊員、そして今回初登場のなおやん隊員、そして隊長代行のキヨちゃんが、大工のT橋の指導のもと、どんどん天井を打ち付けていく。
上を向いて釘を打つので、すぐに腰が痛くなる。
うううう、とか、あああああ、と言いながらの作業が続く。

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一方、小屋へのアプローチをつくっていた、やまきの大将と中谷のお父ちゃんチームは、そのままトイレへとつながる道も枕木で完成させていた!
これで雨の日もドロドロ道を通らずトイレにいけるのだ。

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見よ、このふたりのオッサンの「どや顔」を!(笑)

二人の活躍に敬意を表して、このトイレへの道を「やまきなかやロード」と名付けた。
略して「やまなか通り」である(笑)。
今後、石灯籠でライトアップする予定であるという。
トイレへいく道をそんなに豪華にしてどうするのであろうか。

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そして隊長のワタクシは、敷き詰められた枕木の一部を外して移動させ、石焼窯のスペースをつくっていた。
すると、枕木の下から、またもや巨大なカブトムシの幼虫が出てくる。
この秘密基地で土をいじると、季節を問わず必ずこいつらが出てくる。
一体どーなっているのであろうか。

そのまま放置すると、お亡くなりになってしまうので、フォトグラファー加納さんが薪置き場の朽ちた木のゾーンにそっと埋めておいてくれた。

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せっかく枕木を動かしたのだから、と、そのまま焚き火台もつくってしまう。
トイレロードを作り終えた、やまきの大将と中谷のお父ちゃんが、腰が痛い痛いと言いながら運んでくれる。

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事務所の壁をつくるもの、天井をつくるもの、窓を仕上げるもの、木を切るもの、運ぶもの、そしてもろもろの仕上げをしていくもの・・・・。
みんな汗を流して働いた。

ワタクシなんぞ、帽子を脱いだら湯気が出て、しっかりフォトグラファーに撮影された(笑)。

それにしても。
みんなええ顔してるなあ。
ええ歳したおっさんばかりだが、ここでは本当に少年のようだ(笑)。

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5時近くになり、陽が落ちはじめた。
中谷のおかあちゃんに代わって、夜の鍋は隊長のワタクシが用意。

大工のT橋は作業が大変な天井だけは終わらせてしまいたいと最後のふんばり。
壁は上部の方が少し貼ったのみだった。

が、窓から中谷のお父ちゃんが覗きこみ、
「さあ鍋が煮えるよ。宴会しようよ、宴会!」
と、悪魔のささやきをする(笑)。

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この日はちゃんこ鍋!!
見切り品で半額になった豚肉と鶏肉、そしておでんなどに入れる練り物などを大量に放り込んだ、名付けて「見切り鍋」!
ダシを巨大なべにたっぷり張り、麸を2袋分放り込んで増量してある(笑)。

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「きょうもお疲れさーん! かんぱーい! あけましておめでとう!!!」

なんだか順番が逆だが、まあいいのだ。
鼻笛大工(池山さんね)と、ハモニカ大工(T橋ね)、そしてギター左官がいるので、この日の夜は当然のごとく音楽が鳴り響いた。

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なんと鼻笛大工はバイオリン弾きでもある。
鍋をしこたま食べ、ビールや日本酒を飲み、そしてみんなで鼻笛を吹いた。
音楽のある宴会はいい。
くだらぬ愚痴も文句も出ない。
ただただ、楽しく夜が更けていくだけだ。

さて。
未完成のサルシカ事務所であるが、当然、翌日残業である。
その様子は次回。
いよいよサルシカ事務所が完成する!!!!