写真/フォトグラファー加納(加納準) 文/サルシカ隊長(奥田裕久)
猪汁と卵かけごはんで腹は満ちた!
青空が広がり、暖かな日差しが落ちてきた!
鳥はチュンチュン歌い、なぜか鼻笛もどこからか聞こえた。
秘密基地建造ファイナルのファイナル。
八百万の神さまたちがワレワレを応援してくれているようだ。
よーし、やるぞお!
午後は、土をネリネリ、窯づくりだあ!!
午後1時。
大工のT橋の工房から土が運ばれてきた。
昔の家づくりには欠かせなかった荒壁土である。
粘土と藁をまぜてじっくりと寝かせてあったもの。
もう藁はすっかり土と同化してしまって最高の状態になっているという。
この土からどうやって立体物をつくっていくのであろうか。
石焼窯のリーダーである左官屋こやまさんの頭の中にはイメージが出来上がっているらしいが、ガハハハハハハハと笑ってばかりで全然説明してくれないので誰にもわからない(笑)。
そんな左官屋こやまさんが、完成した土台の上にチョークで円を描きはじめた。
「窯口はここになります。そして奥に行けば行くほど広くなる。
ちょうど女性の子宮のような形ですね。
子宮の形がいいんです。
最高なんです、ガハハハハハハハハハハ!」
取り巻いていたみんなが笑うタイミングを逸して呆然としていると、これまた左官屋こやまさんはガハハハハハハハハハと笑って、
「じゃ、いよいよ土をこねますよ!!! 手の空いている人はみんな手伝ってください!!」
左官屋こやまさんは、荒壁土をこねはじめる。
全身の体重をかけてゴシゴシと。
かなりの運動だ。
そしてどこからか木枠を取り出してきてその中に土を詰め、レンガ状のものをつくっていく。
「この粘土ブロックをたくさんつくってください! これで窯をつくっていきます!」
おおおおおお、ようやく工程が見えてきたぞ!
ツリーハウスの作業を続ける大工のT橋、横山のキンさん、原田さん、みつやのお父ちゃん以外の隊員は、みなこの粘土ブロックづくりに入る。
作業自体は簡単なのだが、土が固くてもダメ、やわらかくてもダメなので、水分を含んだ土と乾いた土を上手に練り込んでブロックにしていく必要がある。
フウフウ、ハアハア。
地味に見えるが、みんなの額には汗が浮かび、上着を脱ぎはじめるものが多かった。
そして土台のうえに粘土ブロックを並べていく。
隙間を粘土で埋める。
ブロックを縦に並べていくので、なんと厚さ30センチの壁ができるわけである。
それにしても。
土を触っていると、おじさんも童心にかえる。
なにやらニマニマと楽しい。
今回はラストということもあってか、いろんな人が参加してくれた。
松永さん。
関の蔵の中でバーをやってきたこのひとも、愛知県から参加。
隊長レポートを探してください(笑)。
気づいてみれば、いつのまにかどんどん参加者は増えて、40人近い人数になっている。
ツリーハウスも着々と進んでいた。
イカダ部分の固定に入っていた。
固定はボルトで。
ドリルで穴を空け、長いボルトを通し、くりくりと(笑)。
午前中は作業にひたすら集中だったが、お昼からはカメラにからむ余裕も(笑)。
「秘密基地で最後の作業中です!
石窯班がんばってるかい~!!」
「おおお~!!」
「ツリーハウス班、がんばってるかい!!」
「おおお~!!」
なんてことをやりました(笑)。
大工のニワ君、前田クンも来てくれたので、未完成だった屋根の一部もやっつける。
粘土ブロックをつくる。
粘土ブロックを並べる。
ツリーハウスをつくる・・・。
みんな目の前の作業に没頭した。
楽しかった。
が、少し離れたところから客観的にみると、やはり難民キャンプ(笑)。
薄汚れた男たちが雨風をしのぐため、泥をこねて家をつくる・・・そんな無残な姿にしか見えなかったのである。
さあ、いよいよ初日の作業が終わる。
が、この日。
実はもうひとつのイベントが隠されていたのであった・・・・!!
(次回へつづく)