写真/フォトグラファー加納(加納準) 文/サルシカ隊長(奥田裕久)
2日目のお昼すぎとなった。
お昼はみんなでカレー。
コーヒーでひとやすみし、そして作業再開。
石焼窯の作業は順調に続いていた。
コロセアム風に円柱型で作ってきた段階を経て、いよいよ屋根の部分へとシフトしていく。
物理の法則的に考えるとここからがむずかしい。
ここからは石焼窯班リーダーで左官屋のこやまさんがつきっきりで作業。
中谷のお父ちゃん、中村さん、もやし石黒など、関わってきた主要人物はみな石焼窯の作業へと集中する。
こうして粘土レンガを半分に切り、徐々に回りから狭めていく。
理屈としてはわかるのだが、実際にやるとなかなかむずかしい。
人間は自然と安定するようにバランスをとるものらしい。
水平に水平になっていってしまう(笑)。
左官屋こやまさんは窯の中に入って成形していく。
このまま窯をつくりあげていくと、こやまさんがすぽっりと入ったままになる(笑)。
「だいじょうぶ、だいじょうぶ! 焼いたら骨だけになるから、そしたら取り出せますから、ガハハハハハハハハハ!」
などと、全然だいじょうぶじゃないギャグをいって笑う。
左が大工の北山さん。
静岡から伊豆石を運ぶためだけに来てくれたのだ。
その上、作業まで手伝っていってくれる。
ありがたやありがたや。
炉台にする伊豆石をニワ君がグラインダで研磨。
すごい音と石の粉末。
石がつるつるになる頃には、ニワ君真っ白。
その間も粘土レンガ班はどんどんどんどん在庫をつくりつづける。
「さあ、いけ、そら、がんばれ!」
需要と供給のバランスなんぞ関係ないのだ。
ただひたすらイケイケドンドンなのである(笑)。
窯に炉台となる伊豆石を入れる。
形も加工したのでぴったり収まるはず・・・。
おおお、見事にはまったあ!
石の下にも粘土を敷き、周囲も粘土でうめる。
ここでまた一気に荒壁土を消費する。
窯口も伊豆石で美しく囲む。
これで熱にも耐えられる。
ついに角度が垂直に。
あとはレンガを側面に貼り付けて穴をふさぐだけである。
ラストスパート!
が、そうなるとまた荒壁土が足りない!!
ああああ、もう、と言いながら、また別チームが大工のT橋の工房へと軽トラを走らせる。
「早くしろ~、向こうの手がとまるぞ~!!」
一刻もはやく土を運び、粘土レンガをつくり、それを成形チームに渡していかねばならぬ!
この流れ作業を断ち切ってはならぬのだ!!!
「よっしゃ~! あともうちょいとぉ!!!」
いよいよ窯の穴が塞がろうとしていた。
完成まであと少し!!!