写真/フォトグラファー加納(加納準) 文/サルシカ隊長(奥田裕久)
ついに・・・!!
サルシカ秘密基地建造プロジェクトの最終話なのである!!
こんなに長くつづくプロジェクトになると誰が想像したであろうか!?
しかし・・・!!
本当の本当に、これで終わりなのだ!!
完成なのだ!!!
何かと大騒ぎしている石窯班を横目に、ツリーハウス班は静かに作業を進めていた。
イカダ部分の固定が終わり、横の柵もつけ終えて、そして階段も出来上がっていた。
あとは、そびえ立つ電柱のうえに取り付けるものだけである。
それは・・・・ハリツケ!!!
エヴァンゲリオンで見たような風景であるが、これは大工のT橋である。
決して十字架を作っているわけではない。
実はこれはイベント時に垂れ幕を吊るすためのものである。
本当はこの電柱の先に物見台をつけようという話であったが、さすがに危険であると判断し、この垂れ幕棒だけをつけることにした。
実際、この作業をするのもすごい高さである。
高いところはまったく平気といっているT橋も「少しこわい」と言っていた。
そしてついにツリーハウス完成!!!
T橋が上の作業をしているあいだに、みつやのお父ちゃんたちがブランコも設置。
なんとも微笑ましい、子どもたちが遊べるツリーハウスが完成したのだ。
ツリーハウス班はただちに解散され、ただちに後片付け班として組織された。
半年近く続けられてきた秘密基地づくりによってさまざまな道具や材料があちこちに山積みになっている。
それを一気に片付けるのだ。
一方、石窯班にも大きな動きが・・・!
ついに窯の穴がふさがった!!
上からどんどん土をつめていく。
が、どうしても窯の中からも土を押さえる必要がある。
そのためには穴に半身を入れなくてはならない。
「誰がやる・・・?」
みんな左官屋こやまさんを見たが、ちょっと彼は大きすぎる。
続いてみんなが見たのは小柄なニワ君だった。
「どうせ伊豆石を削って真っ白だからいいじゃん!」
と、みんなでニワ君の身体を抱え、ぽっかりと口をあけた窯口へと一気に突っ込む。
もちろん「挿入!」とみんなで叫ぶ。
もはや大人のやることではない。
しかもそれだけで終わらないのがサルシカ隊である。
まだニワ君は窯の天井を押さえつけて成形しているのに、身体をみんなで出し入れ(笑)。
「もっと激しく!」
「ああん、もっともっと!」
と、トンデモナイことになっている(笑)。
そして作業を終えて、ニワ君を取り出そうとすると、
「おおおおおお、出てきたあ、逆子が出てきたあ!!」
と大騒ぎ。
もはやサイテーのたぐいの集団なのである。
感動の完結編なのに、こんな展開で申し訳ない。
サルシカ隊を代表し、心よりお詫び申し上げるのだ(笑)。
ま、しかし。
こうして石焼窯も完成した。
なんと予定の時刻よりも早く、すべての作業が完了したのだ。
これまでのあいだに手の空いた人たちによって秘密基地はあらかたキレイに掃除されていた。
そしてキヨちゃん隊長代行と中谷のお父ちゃんによって夜の宴会の買い出しも終えていた。
完成した今になって、サルシカ隊はひとつにまとまり、完全な流れ作業、連携プレイができるようになった。
が、時すでに遅し。
もうやることはないのである。
あらゆる残り物を使い、低予算鍋をつくる中谷さんが腰が痛そうであったので、即席で作業テーブルをつくる。
これも美杉の三浦林商さんに提供してもらった松の板である。
サルシカ秘密基地は、本当にいろんな人の協力で完成したのである。
心より感謝したい。
中谷のおとうちゃんが、秘密基地につくられた究極のキッチンで鍋をつくる。
最高の眺めの中で料理をつくる。
そしてこの眺めの中で、みんなで宴会するのだ。
日が暮れて。
トレーラーハウスの中でみんなで乾杯した。
大騒ぎの乾杯ではない。
しみじみと、秘密基地の完成を喜ぶ乾杯である。
「おつかれ!」
「ありがと!」
そこにいたみんなの目には、うっすらと涙があった。
カメラも涙にくもった(笑)。
期間5ヶ月。
参加延べ人数およそ100人。
サルシカ秘密基地はついに完成した。
石焼窯が乾燥したのち、火入れ式を行い、4月内にはお披露目イベントを開催予定である。
また、
完成写真もばっちりとフォトグラファー加納さんに撮影してもらい、公開予定である。
サルシカ秘密基地、建造編、ここに完結!
ここからはこの秘密基地を活用した新しい物語がスタートします!!!
お楽しみに!!!
追伸
秘密基地建造にかかわっていただいたみなさんに心より感謝申し上げます。
ことばだけじゃ足りないと思いますが、とにかく「ありがとうございました!!」