「サルシカ秘密基地ついに出航!!」第199回サルシカ隊がいく

投稿日: 2013年04月30日(火)10:48

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写真/加納準・松原豊・その他のみなさん 文/サルシカ隊長

準備は整った。
秘密基地のウッドデッキには椅子が整然と並び、トレーラーハウスの中は落語用の毛せんや畳、座布団などが用意されていた。

明日、いよいよサルシカ秘密基地のオープニングイベントである。
考えてみれば。
秘密基地の計画を立てたのは今から5年前。
昨年3月にトレーラーハウスを移動するところからはじまり、10月から本格的な建造工事に着手。
そしてそれから半年弱かかって、ようやくサルシカ秘密基地は完成したのである。

前夜。
整然と並んだ椅子はライトに照らされていた。
そしてほのかにFMラジオの音が聞こえた。
そう!
秘密基地はすべての電気工事を終え、あちこちがライトアップするのだ。
しかも!
スピーカ、アンプ、ミキサーまでが設置され、音響もバッチリなのだ。

しかし・・・。
あろうことか雨が降っていた。

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明日のイベントに向けて前乗りしてくれたのは、大山隊員、ボーノー隊員、たなけん隊員。
副隊長のキヨちゃん。
そして遅れて写真師マツバラとケロリンが合流してくれた。

この夜。
いろいろ準備することがあったのだが、雨が降っているのでほとんどの作業ができない。
仕方ないので作業を早々に終え、前夜祭と称して宴会をすることにした。

が、宴はいっこうに盛り上がらない。
トタン屋根を叩く雨の音だけがたんたんと響く。

「やってらんないな」
と、隊長のワタクシ。
「きょうの昼間でずーっと晴れてたのに、なんで今になって雨が降ってくるんだよ。しかも明日だけ雨ってどーいうことだよ。
なんかオレ、悪いことしたか。
ふざけんじゃないよ、まったく・・・もう飲んじゃうからな。
明日のことはもう知らん。オレはふて寝してやるからな、コンチクショウメ」

ワタクシはヤケクソになってグイグイ焼酎を飲んだ。
明日のサルシカ秘密基地のイベントはその大半が屋外で行われるものである。
雨が降ったら、そのほとんどが出来ないのだ。
ここまでがんばってきたのに、あまりにヒドイ仕打ちなのである。

「ああ、チクショウ」
「クソクソ」
「チッ・・・」

ワレワレは完全ヤサグレ親父と化して、雨に濡れる窓をにらみつけながら深夜まで酒を飲み続けたのである。

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翌朝。
かすかな期待もむなしく雨が降っていた。
前乗りチーム、早朝やってきましたチームは、「おはよう」の言葉もなく、どんよりとした表情で準備をはじめる。
一瞬ふと雨が止むことがあるのだが、また今度は強くなって降ってくる。
そんな一喜一憂させる、憎たらしい雨であった。

きのう飲み過ぎて少し二日酔いである。
正直、ふて寝してしまって、きょうは何もなかったのだ、ということにしてしまいたい。
が、準備のためのスタッフが少しずつ集まりはじめていた。
雨でもやらねばならぬのだ。

開場時間は朝9時半。
あと1時間もない。

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が、9時をまわったところで奇跡が起きた。
突然。
スコンと雲が抜けて、太陽が顔をのぞかせたのである。
雨も完全にあがった。

「き、きたよ・・・・!! オレたちサルシカのパワーが天をも動かしたよ~!!!!」

「おおおおおおおおおおおおおおおおおおお~!!」

そこにいたみんなで天に吠えた。
ここで天に感謝せず、おのれらの力のおかげと思うところがワレワレなのである(笑)。

開場時間まで30分。
みんな急にハイテンションになって準備をすすめた。
事務所のまえのデッキに毛せんを張り、落語の高座をつくる。

駐車場の案内板も設置し、駐車スタッフも配備した。

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秘蔵の銭湯ロッカーを自宅から運び込み、「銭湯写真館」ブースをつくる写真師マツバラ。
雨があがったので、大急ぎでセットをつくりこむ。

三重テレビのテレビ取材チームもやってきた。
なんと今回は、「ついーとツイート」という津市の番組と、ワタクシも出演している「とってもワクドキ!」、2チームによる取材なのである。
こんな山奥で行われる、ワケのわからん集団のお祭りなのに、本当ありがたいことである。

お茶席を出してくれる地元のお母さんたちもやってきた。
軽トラから道具を下ろす。

移動販売のジョーダンさんもやってくる。
ジャマイカ風のランチ?
楽しみではないか!!

みんないそいそ、ソワソワと準備をする。

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中谷のお父ちゃんがピザ窯に火を入れる。
煙と共にワレワレの気分もあがる。
モクモク、ワクワクである(笑)。

さあ、ビールも冷やそう。
想像以上に寒けれど、ビールは冷やさないといけない!!

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秘密基地こけら落とし落語をやってくれる林家染弥さんが、やまぴーの運転する車で到着!
焼きそばの屋台とマジックショーをやってくれるパワーズの面々も到着。
すぐさま焼きそばの準備、準備!!

今回カレー汁のふるまいを用意しれくれる、やまきの大将とおかみさんも!!
受付をしてくれる奈緒ちゃんも!!!

みんな、それぞれに準備に動く。

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9時半。
開場の時間と同時に、鼻笛奏者のモスリンさんが到着。
数日前に埼玉を出発し、愛知、菰野町でライブをしつつ、この秘密基地オープニングイベントに駆けつけてくれたのである。

地域の人も、そして津市内、県内、県外の人も、ぞくぞくとやってくる。
受付はもうパニック状態であった。

それにしても風が冷たい。
気温も5度とか6度ぐらいしかなかった。
高齢の方、小さなお子さんがいる方は、この天候のために参加を諦めたようである。
残念であったが、もしこの日、朝から天気がよかったら、完全に受け入れ体制はパンクしていたに違いない。
これはこれでご迷惑をおかけせずによかったのかなあ、とも思う。

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辰水自動車さんの協力、そして運びこみを津市長にも手伝ってもらったジャンボ干支も展示位置に設置され、固定された。
鼻笛大工の池山さんやピアニストの大谷さんもやってきた。
そして写真師マツバラの銭湯写真館も、なんとか時間に間に合って完成した。

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午前10時。
ついにオープニングイベントのスタート!!

ご覧頂きたい、この賑わいを!!

冷たい風が吹きすさぶ中、天候もどうなるかわからないのに、この山奥までみんなやってくてくれたのだ。
そして平木の集落の人、美里町内の人の顔もたくさんあった。

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元サルシカの代表で、いまは市会議員のKちゃんがご挨拶。
そして番組レポーターの多森さんにも、無茶ぶりであいさつしてもらった。

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その頃、落語の出番待ちの染弥さんは、銭湯写真館で撮影中(笑)。
こういう余裕のぶちかまし方がサルシカっぽくていい。

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そして染弥さんによるサルシカ秘密基地こけら落とし落語がはじまった。
実は染弥さんは、この平木と北長野で落語会を2回やっていただいている。
地域の人にとっても馴染みのある人なのである。

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いつも薄ら笑いを浮かべている大工のT橋もこの日ばかりはゲラゲラと笑っていた。
もう寡黙な大工の姿はどこにもないのだ(笑)。

染弥さんがやった演目は『時うどん』。
寒い中、話の中で温まってもらおうという配慮のようだ。

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こうしてサルシカ秘密基地オープニングイベントは、数々の波乱を乗り越え、笑いに包まれてはじまった。
午前11時を前にして、用意していた臨時駐車場がすでに埋まりつつあった。

当サイトを代表する「サルシカ隊がいく」連載200回という記念すべき次回、秘密基地オープニングイベントのクライマックスを迎える!!!