写真/フォトグラファー加納(加納準) テキスト/サルシカ隊長(奥田裕久)
サルシカ田植祭の後編である。
今井隊員に引き続き、アナウンサーのナカクキが田植え機に初挑戦!
「ああああああ、まっすぐいかない~!! あああああああ、ダメダメ~!!!」
カメラも回っていないのにやたらうるさいのである。
しかも背後の苗はうにょうにょとヘビが這ったようになっている。
田植えはその人の性格を表すのだ。
男たるもの、まっすぐに生きたいものである。
そんな大騒ぎをしつつも、田植えは順調に進んだ。
なんたって10人ものスタッフがいるのである。
他の田んぼを見てみると、お父さんがひとり、孤立無援の状態でがんばっているのだ。
よくてもお母さんがひとり、もしくは息子がひとり手伝っている程度だ。
「ええのう、ここの田んぼはギョーサン人がおって賑やかでぇ。ひとりかふたり貸してくれぇ」
そんな冗談を何人もの人に言われた。
これが、山里の米作りの現状なのである。
一方、太田さんと大工のT橋チームは、電柵の電源部分の設置に入っていた。
アースを地面に埋め込み、電源ケーブルを電柵につなぐ。
今回の電源は、なんと電池。
大きな単一を8個使うが、所詮電池である。
こんなので大丈夫なのか。
本当にビリビリきてシカが「あ、いやん!」と逃げていくのか。
正直、不安なのである。
田植え機を下りた今井さんたちは、電柵の高さを調整していく。
一番下のケーブルを高さ30センチぐらいのところに揃える。
一番上のケーブルが170センチぐらいのところになるようにする。
下が開いていると、イノシシが潜り込むのだという。
また上が高くないとシカが飛び越えるのだという。
まったくもって面倒なヤツらなのだ。
田んぼを張り巡らしたケーブルは4本。
10メートルおきに、その4本をケーブルで縦につなぐ。
こうすることによって、シカやイノシシにどこかを破られたとしても、他の部分に電気は流れ続ける。
なかなかの知恵なのである。
みんなでケーブルをつなぎ、そして残った部分に苗を植える。
最後の仕上げだ。
すべて完了し、電柵のスイッチオン!!
電池ではあるものの、こやつもスグレモノで、昼だけ通電したり、夜だけにしたり、または24時間ずっと通電状態にしたりと設定ができる。
本当に効果があるのかどうか、隊員を使って試してみようということになった。
さあ、みんなでジャンケンして盛り上がろうぜ、と思ったが、あまりに大人気ないので、付属のテスターでチェック。
すべてに電気は流れ、設定完了!!
スタートからおよそ2時間で、田植え作業と電柵の設定すべてが終わったのである。
もちろん田植祭であるからして、このまま終了というわけにはいかない。
片付けを終えて秘密基地へ戻り、乾杯!!!
右上は、田植えの最中、「あんたらえらいなあ」と言いつつ、ご近所の人が差し入れてくれた生シイタケ。
すぐさま焼いていただきます。
肉は藤が丘食堂の若鶏(テイクアウトできるのよん!)。
野菜に、山盛りのおにぎり!!
田植えを終えた達成感、そして心地良い天気!
もう飲むしかない!
食べるしかない!
田植えは2時間だったのに宴会は3時間も4時間もつづくのだ(笑)。
夕方。
田植えを終えた田んぼに水を入れた。
山から湧き出た清水である。
そして山の養分をたっぷりと吸った恵みの水である。
10人の熱い思いと努力。
そして自然の恵みをたっぷりと受けた稲が水田に揺れる。
こうして、
サルシカ隊にとって初めての田植えが終わった・・・・。