写真:松原 豊、すずきっくす 文:すずきっくす
2013年6月某日。
おい、今って梅雨じゃないの??と言うくらい快晴に恵まれたこの日。
私は早朝から、サルシカ秘密基地に呼び出されておりました。
「今日、来てもらったのは他でもない。君のロータレ計画についてや。」
「50万近くまで来たけど、このままでは到底間に合わんやろ?」
そうなのです。
皆様の暖かいご支援、ご寄付で50万円というとてつもない数字にまでなりましたが、
必要なのは150万円。
残り100万円。まだまだまだまだ足らないのです。
「そこで、だ。今日は君に起死回生の企画を用意した。俺のこの鼻笛をやるから、今日1日「わらしべ長者」のごとく物々交換をしてこい!」
なんとも唐突、なんとも運任せ。
この鼻笛をスタートに、今日1日いろんなものと物々交換を繰り返し、最後の品物をお金に換えよ、というのだ。
この時代に、わらしべ長者!?
昔話、しかも寓話を再現しなきゃいかんのか・・・。
さすがサルシカの隊長。無茶ぶりもここまでくると、笑うしかなくなる。
しかし、ほかにこれといって妙案もない。
私には、もう時間がないのだ。
それにいつだって、こういった話は唐突に訪れるもの。
私はサルシカ隊員になって、それをいやというほど体感している。
・・・しばし思案の後、私は「やります。」と答えていました。
そう、このロータレ計画をやる!と隊長に伝えたときのように。
気づけば横で写真をバシャバシャ撮る写真師・松原さんの姿。
「きょうは記録係兼ドライバーやったるで、どんどん行くぞ、すずきっくす!!」
なんとも力強いサポート。
この企画、スチールでもビデオでも、カメラがないとただの変質者。
1人でやってたら通報されかねません。
なんだかいけそうな気がしてまいりました!!
隊長から最初の品物、「鼻笛(3000円相当)」を受け取る私。
左胸に輝く桜の刺繍とは裏腹に、なんとも言えぬ表情。
行けそうな気はするものの、この時点ではまだ不安感が半端ないんですね。
しかし、この鼻笛が最後にはあんなとんでもないものに化けるとは・・・
このときは想像していませんでした。
かくして、三重ロータレ化計画始まって以来の、
奇跡の1日がスタートしたのです。
最初にお邪魔したのはENEOS稲ちゃんこと稲垣さんのお店、稲垣商店さん。
「隊長から聞いとるよ。えらい企画やな〜(笑)ほいじゃ、これ。」
手渡されたのは、ノートPCのメモリ2GBの2枚組。なんと市価4000円相当。
私、2件目にして早くも余裕が出たのか、笑っております。
さっきはあんなに暗い顔をしていたのに、ほんま現金な奴です。
次に稲垣さんから紹介していただいたのは、安濃にある「小林商店」さん。
使わなくなった自動車のスクラップ・解体と、まだまだ使えるリサイクル部品を取り扱う会社です。
「いらっしゃい。連絡もらってますよー。まあどうぞ。」と、快く迎えてくださったのは小林則夫さん。
カウンター前に置かれたETC車載機の値段に驚きながらも、
さっそくiPadを使って企画趣旨の説明。
まずキチンと伝えて、理解してもらわないと始まりません。
「軽く聞いてはおったけど、150万円?大変やねぇ。」
平日の朝。
忙しい時間帯なのに、コーヒーまで出していただき、真剣に話を聞いていただく・・・。
ホント、ご迷惑おかけします(汗)
「まあうちは車の部品とかアクセサリーとかになるで、こんなんかなぁと思うんやけどええやろか?」
と、出していただけたのは・・・。
ななな、なんと10000円相当のclarion製CD/MD/ラジオの2DINカーオーディオ!!
一気に桁が上がりましたっ!!!
こんな、どこの馬の骨ともわからない男に・・・。
ほんまありがとうございますっ!!
交換の品物が、想像以上の価値だったことにホッとしたところに、
「そうや、せっかくやから工場のほう見ていきますか?」
と、小林さんから更なるご好意が。
私こう見えて(?)自動車部品製造を生業としておった時期もありまして、
「車の最期」とも言うべき解体の現場は、興味津々なのであります。
「せっかくやから見せてもらえ!俺も写真撮りたいし」と松原さんからもフォローが。
平日の朝というお忙しい時間帯ながら、お言葉に甘えてそのまま取材をさせていただくことに。
「ここではリアゲートとか、外装部品の修理をしてます。」
リアゲート、つまり後ろの扉。屋根の低い車庫で開けるとぶつけちゃったりするあれです。
職人さんによって奇麗に磨き上げられたそれは傷など全く見当たらず、まさにピカピカ。
最近の車はいろいろ一体化されており、板金修理するよりその部品ごと交換しないと直しにくいものも増えています。
「新品のパーツと見た目も変わらんし、安く直したいって人には中古で十分やからね。」
その通り。
こだわりさえなければ、何が何でも新品である理由はないのです。
修理されたパーツは傷がつかないよう養生され、出荷されるのを待ちます。
「最近は出来る限り自分で修理!って人も増えてきてますが、小林さんのところは個人が買いにきても大丈夫なんですか?」
「もちろんです。うちはネットで売ってたりもするし、ここに来てもらってももちろんOK。うまく使ってもらって節約してもらえたらと思います。」
自動車パーツは、完成車1台作るより更に何十倍とエネルギーが必要。
地球環境的にも、お財布的にもやさしいリサイクル。車を直したいとお考えのかたは、ぜひ候補の1つに入れていただきたいです。
小林商店 安濃部品センター
住所:三重県津市安濃町安濃1958−1
営業時間:9:00〜18:00
定休日:日曜、祝祭日(夏期休暇8/13~8/16)
電話:059-268-4588
ヤフオク!小林商店はこちら!
受け渡しも無事終了!
年代物の牽引車に見送られ、次なる目的地へ向かいます!!
(つづく)