「第2回ペルセウス座流星群鑑賞会inサルシカ秘密基地」第211回サルシカ隊がいく

投稿日: 2013年08月21日(水)12:31

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撮影/フォトグラファー加納、エネオス稲ちゃん、やまぴー、シェフ中田、ゆうこ父 文/サルシカ隊長

さて、昨年に引き続き開催された「ペルセウス座流星群」鑑賞会。
このイベントは実にすばらしいのだ。
なんたって、みんなで夜空をボケ〜と見上げ、流星を観るだけなのである。
夜空はいつもあるし、ペルセウス座流星群は毎年やってくる。
しかもタダで(笑)。
きれいな空気と、周囲に街灯などがなく、暗闇さえあればいいのだ。
お金や時間など、サルシカにはゆとりはないが、なんたって拠点は山間の集落にあるからして、きれいな空気と暗闇はたっぷりとある。
いつもは街灯がなくて不便しているが、この時ばかりは街灯がなくてよかったと思う(笑)。

ただひとつ。
大きな弱点があるとしたら天気。
雨はおろか雲が出てきてもダメ。
適度が風があって、ダストも虫も吹き流してくれる条件がベストなのだ。

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さて、今回のイベントが開催されたのは8月12日(月)。
お盆とはいえ思い切り平日。
ま、土日にあわせて流星を降らせてくれとお願いもできないのでこればかりは仕方ない。

楽ちんなイベントとはいえ、いろいろ準備はある。
前日と当日の昼間は秘密基地の敷地内の草刈り。
ブルーシートを敷いてみんなに寝転んでもらうので、キレイにしておかねばならない。

あと、いくら山里とはいえ、人が暮らす集落なので街灯のひとつやふたつはある。
さすがにこのイベントのために「撤去せよ!」というわけにもいかないので、秘密基地内にブルーシートのフェンスを立てる。
これで光を遮ってしまおうという作戦だ。

フェンスの製作指揮を撮るのは、大工のT橋。
前回に続いて、流星群鑑賞会の共同主催者である。

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上の写真。
左は大橋さん。
当日の草刈りを手伝ってくれた。
が、あまり経験のない作業にくたびれ果てたらしく、星を見上げることなく、持参した酒を飲むことなく、イベントの最中ずっと地面に倒れて眠っていた(笑)。
まあちょっと申し訳ない。

右は銭湯企画のケロリン桶太郎。
用事を終えて準備にかけつけてくれ、草の処理などを手伝ってくれた。
みんな、本当にありがたいのだ。

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午後6時半。
サルシカ秘密基地の垂れ幕に明かりをいれる。
垂れ幕だけでも恐ろしいほど目立つが、明かりをいれたらもう完璧!
津市美里町の一番奥、美里の奥チベットといわれる平木の集落に入ってきて、この垂れ幕を見逃すことはできぬ。
したくてもできぬ。
出来る人は、もうずっと山の奥にまで車で突き進み、帰ってこなくていい(笑)。

実は6時半からサルシカの理事会。
サルシカはNPOなので、一応こんな会議もやっている。
が、イベントのついでに弁当を食べつつ、もうビールまでプシュッとしちゃいつつ会議。
こんなことでよいのであろうか(笑)

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集合時間の午後8時近くになって、参加者の車がどんどんやってきた。
夜のイベントで、なおかつ集落内であったので、今回は30人限定のイベントとさせていただいた。
募集開始から2日間で定員に達した。
2回目にしてこのイベントは超人気なのだ。

近くの集会所や秘密基地内の駐車場に車を誘導。
いつもの赤い誘導灯を使って、静かにすみやかに車を導く。
イベントといえばまずは駐車整理なので、もうみんな手慣れたものである。

今回は食事も飲み物も各自用意なので、早く到着した人から秘密基地のウッドデッキで食事を。
宿泊する人はプシュッと。
風がいい感じで流れて涼しい。
蚊もほとんどいない。
最高の夜だ。

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予定より30分ほど遅れて、まずは開会のごあいさつ。
遅れた理由は主催の大工のT橋が、はじまる直前に電池を忘れたことに気づき、家に取りに戻ったため。
この男は、さあはじめよう、さあ乾杯だ、というタイミングにいつもいないか遅れ、「どうなっとんじゃい、おらあああああ」なんぞということになってしまうのだ。

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写真左/マイクに見立てた懐中電灯を持ちつつあいさつするT橋さん。
大型望遠鏡を持ち込んでくれて、みんなに惑星などを見せてくれた。
昔は寡黙でクールな男だったが、最近はケーハクな笑いを常に浮かべるヘラヘラ男になってしまった(笑)。

流星群といえば、写真撮影ということで、フォトグラファー加納さんも。
昨年は加納さんを先生に数名のカメラマンが流星群の撮影に挑んだ。
が、撮れたのは加納さんのみ。
「さすがプロ!」と誰もが思ったが、実は加納さんだけ超広角の魚眼レンズを使用し、夜空をオールカバー。
どの角度に流星が落ちてもレンズにとらえるという必殺技を利用。
彼の生徒たちからは「反則だ!インチキだ!」と声があがったのは言うまでもない。

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そしていよいよ鑑賞会のスタート。
秘密基地のすべての照明をオフにする。

すると、浮かび上がる満天の星空。
うおおおおおおお、とみんなから声があがる。

この日の空は、もうコレ以上はないというぐらいのベストコンディション!
天の川もくっきりとキレイに見えた。

「ええええ、あのモヤモヤが天の川だったの〜」
「雲だと思ってた〜」
「生まれてはじめて天の川を見た〜」

サマーベッドに寝転ぶもの、ブルーシートの上に寝袋を敷いて寝転ぶ家族。
暗闇のなかで驚嘆の声が響く。

ただ夜空を眺める・・・。
それだけのことなのにこれだけの感動と喜びがあるのだ。

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撮影/シェフ中田

そして流れ星が走る。
音もなく、ふいに。
鋭く早く。

「ああああああああああ!」
「みえた〜!!」

子どもたちの反応は早い。
2つ、3つと流れ、ようやく大人たちも声をあげる。

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そしてみんなから少し離れたガレージ前でカメラチームも異様な盛り上がりをみせていた。
星が流れても歓声をあげない。

「くそう〜、方向がちがう!!」
「あっちだったかあ、ちくしょー!!」

もうハズレ馬券を握ったおっさんたちの様相である。
立派な一眼レフを構えたエネオス稲ちゃん、やまぴー、ケロリンが、加納さんに教えてもらいつつシャッターを開く。
シャッターを開放している間にフレーム内に流れ星が落ちれば勝ち。
落ちなければ負けというギャンブルなのだ(笑)。

昨年、朝までがんばったのに一筋の流れ星すら撮影できなかったエネオス稲ちゃんとやまぴーはもう本気である。
ぜんぜん楽しんでいない(笑)。

そんなとき、今回初チャレンジのケロリンが「おおおおおおお、やったああ!!」と声をあげる。
彼のカメラを再生モードにしてみると、なんと2筋の光線が!!
初打席ホームラン。
しかもツーラン。
ケロリンは喜んで飛び跳ねていたが、他の者たちは興味すら示さない。
自分の賭け事に忙しい(笑)。

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夜10時を超えて、夜の帝王であるシェフ中田が、店を終えて駆けつけてきた。
彼は夜の10時から明け方5時までが活動タイムという、まさに夜行性の男なのである。

「加納師匠、もう撮れましたか!?
 え、みなさんはもう撮ったんですか!?」

やたらテンションが高い。
が、師匠の加納さんもエネオス稲ちゃんも口元を緩めただけで言葉も発しない。
ただひとり、ケロリンだけが缶ビール片手に鼻笛を拭きつつ、「おーや中田さん、がんばりましょうやあ」と声高に笑うばかり。
瞬時にして状況を察知したシェフ中田は、三脚をバッグから出し、その無言の戦場に立つのであった。

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撮影/エネオス稲ちゃん

時間が深くなればなるほど星はどんどん流れた。
最初は「ああ」とか「おお」とか言っていたみんなも、

「ちょっと短いなあ」
「もっと大きいのじゃないとな〜」

と、贅沢を言いはじめる(笑)。

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翌日仕事の人、小さな子どもがいる人はそろそろ離脱・・・ということで、記念撮影をして一旦あかりをつける。
さっきまで暗闇だから見知らぬ同士も遠慮なく話していたが、明かりがついて互いの顔が見えるとちょっと恥ずかしい(笑)。

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真っ暗だとビールすら飲めないので、明かりをつけて休憩時間をとることに。
差入れの食べ物をみんなでつまみつつ、宿泊組、運転手付きの人はみんなでビールを!!
夜の涼しさの中で宴会。
これはこれで楽しいのである。

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撮影/フォトグラファー加納

この日。
カメラチームは、やまぴーをのぞいて全員が流星群の撮影に成功!
やまぴーは2年連続、脱落なのだ。
来年の健闘を祈る(笑)。

健闘賞は一番最後にやってきたシェフ中田。
一番短い時間で、一番多く流星をとらえた。

で、加納であるが・・・・。
最初こそみんなと同じ条件のレンズを使っていたが、途中でこっそりレンズを変えたようである。
ま、勝つためには手段を選ばない。
これぞプロかも知れぬ。

が、こんなことを言っている奴がいた。

「みんな釣り竿で勝負してるのに、加納さんは投網ですもん。ずるいですわあ」

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午前2時。
隊長のワタクシは夜空を見上げたまま、コットの上で眠ってしまった。
夜空に吸い込まれる・・・・星空に落ちる・・・。
こんな体験はそうそう出来るものではない。
でもここならできます。

田舎ぐらしバンザイ・・・とアホなこと言いつつ、幸せに眠ったのである。

それぞれ勝手な散会となり、参加していただいたみなさんにちゃんとご挨拶できませんでした。
ごめんなさい。
たぶん来年もやります。
ぜひまた楽しみましょう!!

協力していただいたみなさん、ありがとうございました!!!