「三重のイナカ暮らしを考える」第235回サルシカ隊がいく

投稿日: 2014年02月12日(水)11:39

s235-01

「三重県でのイナカ暮らしを考えよう」
「移住者同士のネットワークをつくりたいなあ」
「移住者と行政の情報交換の場をもうけたい・・・」

そんないろんな思いがひとつになってカタチになることになった。
たとえぼんやりとであっても、願いをずっと持っていることは大事であるなあ。
ひょんなことから実現するのだ。

今回行われた催しは、昨年の夏、サルシカが三重県の「美し国おこし・三重」のパートナーグループに入ったところからスタートする。

美し国の総合プロデューサーの宮本さんや志村プロデューサー、県の担当者の方々にサルシカ秘密基地に来てもらって、サルシカが考える地域づくり、これからの活動についていろいろお話したのだ。

そんな中で、宮本Pに「実は奥田さんはこんなことを願っているんじゃないの?」と切りだされたのが、今回の話のきっかけであった。

そう、サルシカは三重県の自然の中で遊びまくり、アホなことばかりやっているが、本当は三重県へ移住者をどんどん招きたい、三重県っていいところよ〜、おっさんたちも本気で遊んでるよ〜、おいでおいで〜、というのが本来の目的であったのだ。

最近あれこれやりすぎて本質を見失いがちであるが、実はそうなのだ(笑)。

移住者が求める情報。
それは子どもが通う学校のことであったり、病院のことであったり、自然環境であったりする。
でも、私たち(隊長の奥田ファミリーのことね)もそうであったが、最後の最後はそこに暮らす人たちが、いかに楽しく、充実した暮らしをしているか、なのである。
だから顔が見えるウェブサイトづくりを心がけ、みんなで思い切り遊び、三重県の魅力を伝えてきたつもりだ。

そして次のステップとして、移住者のみんながつながり、ネットワーク化することで、いいことも悪いことも互いに相談に乗り合うことができ、また移住したい人に生の情報が提供できる仕組みをつくりたい・・・それが宮本Pが言った「私たちサルシカの願い」だったのである。

s235-02

2月6日(木)。
その念願の催しが開催された。

場所は三重県津市美里町。
古民家ヒビコレ。
そう、写真師マツバラの家である。

s235-03

「ええとこやんか、ええとやもん」美し国おこし・三重、地域拡大座談会。
主催は、美し国おこし・三重。
三重県南部地域活性化局。
そしてNPOサルシカである。

私たちサルシカと南部地域活性化局を美し国がつないでくれるカタチで実現したものである。

s235-04

あまり大きくやるより、みんなでごはんでも食べながらワイワイと楽しくやろう、ということで、会場をヒビコレにしたのであるが、フタをあけてみると、定員30名のところにおよそ50名の参加者が!
それだけの人数が一度に収まる古民家はすごい!

わいわいがやがや。
何やらええ感じ。まさに村のよりあいって感じだ。

s235-05

お昼12時10分。
予定より少し遅れて、志村プロデューサーのあいさつから会はスタート。
が、すでにみんな腹が減っている。
しかもみんなの前には膳が並び、本日のお弁当がいい匂いを放っているのだ。

ぐるるるるる。
みんなの殺気だった空腹を察知し、志村プロデューサーは慌てて事前説明をやめて、

「ま、いろいろ事前にお話したいことはございますが、まずはみなさんでお弁当を食べていただき、そのあとゆっくり自己紹介なり、説明をするということで・・・いただきます!!!」

こうして会はなし崩し的にはじまったのである(笑)。

s235-06

参加者は、移住者の人が15名ほど、市町の移住関係の担当者が同じく15ほど。
残りは一般の参加者、そして関係者という感じの構成であった。

参加者の中に非常に懐かしい人がいた。
写真上の右。

奥田家は娘が小学校にあがるタイミングで美里町に移住してきたのであるが、娘の通う小学校の校長先生がこの人だったのだ。

しかも。
美里への移住をまだ悩んでいる時に、村役場(当時はまだ美里村だった)の教育委員会に相談に行った。
娘が学校にあがるときにどれぐらいの同級生がいるのか、どんな環境なのか聞きにいったのだ。
その際、たまたま用事できていたのが、この校長先生で、その時、「いやあ、どうでしょう、まあ10人ぐらいはおるんじゃないでしょうか、はははは」と蛭子能収のように笑ったのである。

「二桁いるならいいか・・・」

というわけで、妻と私は移住を決意し、そして校長先生の待つ小学校の入学式にいくと、なんと新入生は3人しかいなかったのだ。
「校長先生にだまされた・・・」のである(笑)。
まあ実際、娘は本当にめぐまれた小学校生活を送らせてもらったので今は心から感謝しているが、この話は今回のイベントのアイスブレイクとして利用させてもらった。
ささやかな仕返しである(笑)。

s235-07

お弁当は美里町といえばココ!
いや、正直に言うと、ここしかお店がない(笑)という、一粒庵のワンコイン弁当を。
美里のお野菜いっぱいでヘルシーでおいしいのだ。

s235-08

食事を終えたら、まずは自己紹介。
まもなく美里に移住してくる舞台芸術家の鳴海さん、そしてもちろんヒビコレ女将も参加!

s235-09

で、みんなで話して気づいたこと、知ったこと。
それは・・・・

メディアでは、もうすでに田舎暮らしブームは落ち着いているように見えるが、都会にはまだまだ脱出希望者、田舎暮らし予備軍の人がたくさんいる、ひょっとするとさらに増えている、ということ。

すでに三重県に移住してきている人もたくさんいる。
定年を迎えてセカンドライフを楽しむための人もいれば、家族をつれて定住の地を求めてくる人もいる。
移住者の多様化が見られること。

逆に地域の移住者受け入れ体制は、一部を除いてほとんど進んでいないこと。
圧倒的に需要と供給のバランスが成り立っておらず、暮らす場所、家の供給ができれば、どんどん移住者受け入れ増加の可能性があること。

移住してきた人たちが交流の場を熱くもとめていること。
地域のために何かをしたいという思いを持っているのにそれを活かせられていないこと・・・。
それも大きな発見であった。

他にもたくさんあったが、ここにはとても書ききれない。

s235-11

最後に。
美し国の宮本Pと南部地域活性化局の倉口さん、そして私の3人でまとめのお話をさせていただいた。

あくまで今回はきっかけの1回にすぎないこと。
これをキックオフに、新たな動きができればいいと思ったこと。
きょうの会のつながりこそが、移住者ネットワークの原型になっていくであろうということ。

そんな話であったかと思う。
予定の時間を大幅に超えたが、それでも全然時間が足りなかった。
みんな話し足りなかったし、聞き足りなかったのではないかと思う。

ぜひ次回につなげていければ・・・。
そう、心から思う。