「雪と雨!波乱の秘密基地工事なのだ!」第238回サルシカ隊がいく

投稿日: 2014年02月25日(火)10:25

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写真/フォトグラファー加納 テキスト/サルシカ隊長

雪だった。
しかも記録的な積雪量。
東海から関東にかけて、これまでにない雪の被害が発生しつつあった。

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「なぜだ・・・・」
「よりにもよってなぜなのだ・・・・」

金曜日。
ワタクシは雪に覆われた秘密基地で愛犬モンちゃんを散歩させつつボー然としていた。
あぐあぐあぐ。
ワタクシの悲痛な思いをよそに、モンちゃんはモーレツに雪を食べている。

なんだか涙が出てきた。
明日からサルシカ秘密基地の工事本番だというのに。
だのに、だのに。
よりにもよって。
なぜだなぜだなぜだなぜだ。

天気予報では雪は金曜の夜中にはあがると出ていた。
が、しかし。
明日は間違いなくあたり一面スケートリンクのようにツルツルで、スタッドレスを履いていない車は真央ちゃんのようにくるくる回って田んぼにまっしぐらであろう。

明日は中止にしようか・・・。
あさってだけの開催にしてしまおうか・・・。

現在の秘密基地の状況を伝えるべくパソコンに向かうと、Facebookでつぶやいている中谷のお父ちゃんのコメントが目に入った。

「明日からの秘密基地の工事も万難を排して集まろうではないか!」

そして、まだ雪が降り積もるきょう、秘密基地に前乗りするという。
しかも愛知県から。
ノーマルタイヤのサニトラで!!!!

「おおおおおおおおおおおおおおお! すまぬ、おとうちゃん!!!
 一度でも日和ったワタクシを許しておくれ!!!
 やるよ〜、なにがなんでもやるよ〜〜〜〜!!!!!」

こうして大雪の中の秘密基地建造プロジェクトは再スタートした。

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翌土曜日、朝8時。
前乗りした中谷のおとうちゃんとワタクシは行動を開始した。
工事の開始時間は朝9時。
それまでに秘密基地周辺の雪を片付けねばならぬ。

昨夜、おとうちゃんもサニトラにチェーンを巻き、決死の思いで到達したのである。

まずおとうちゃんと共にダストン(融雪剤)を道にまいた。
秘密基地の入口から集落の入口まで。
かなりの距離である。

その途中、四駆スタッドレスの軽トラが横滑りし、溝にタイヤを落とした。
30分近くおとうちゃんと共に格闘し、なんとか脱出。
すでに汗だく。

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9時まえにキヨちゃん副隊長やってくる。
あいさつもそこそこに雪かき。
みつやのおとうちゃん、新入隊員の寿実ちゃんもやってくる。
ヴァナゴンの太田さんも到着。
みな雪かき。
さっそうと雪かき。

大工のT橋は、市街から秘密基地へとトラックで向かっていた。
屋根に使うガルバリウムの波板をきのうまでに届くように発注してあったのだが、この雪で届かず、朝から引き取りに走ったのだ。

が、秘密基地の下まできたところで、雪のためスリップ。
少し残った雪が凍りつき、タイヤがすべる。

みんなでスコップを持ち、雪を道から削り取る。

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そして元トラックの配達をしていたみつやのおとうちゃんが、何の迷いもなく、びびるほどのスピードで一気に坂を登る。

「おおおおおおおおおおおお!!」

朝から大きなどよめき(笑)。
まったくもって大変な戦いがはじまったのである。

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午前10時。
予定より1時間遅れて、ようやく工事に入る。

が、この時点での参加者というか、到達者(笑)は、一番上の写真の7名とカメラマンの加納さんの8名。

左から、
みつやのおとうちゃん、
大工のT橋、
砲丸投げ選手の寿実ちゃん、
キヨちゃん副隊長、
ヴァナゴン太田さん、
隊長のワタクシ、
そして中谷のおとうちゃん。

半分近い隊員がいまだ到着していなかった。

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雪は止んでいた。
時折、ヒョウのようなものがパラポラ落ちてきていたが、なーに気のせいだ(笑)。

きょうあすの2日間で工事するのは、キャンピングカーのハイマー、キッチンとトイレ予定地を覆う屋根をつくること、そして一部のウッドデッキの製作であった。

屋根をつくるためにハイマーの天井にのぼる。
雪が降り積もっており、ツルツルと滑る。
とてつもなく恐ろしい。
これじゃあさすがに作業できぬ、とまた雪かき。
今度はキャンピングカーの屋根の雪かき。

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間伐材の垂木を固定し、つづいて細い垂木をどんどん屋根にあげる。
この頃、横山の金さんが到着。
遅れて、西山にっしーさん、大山さん、前田さん、もやし石黒、すずきっくすとノーマルタイヤチームがぞくぞく到着。
ようやく工事のペースがあがってきた。
これぞサルシカ秘密基地の工事だ!

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が、調子が出てきたと思ったらお昼になってしまった。
砲丸投げ寿実ちゃんが、隊長宅からカレーがたっぷし入った大鍋を運ぶ。

「わははははははは、ごはんですよ〜〜〜!!!」

笑ってる場合ではないのだ、ばか野郎!!
足元を見ろ足元を!!
雪の上にのって足を滑らせたりしたら、20人前のカレーが宙を舞うのだぞ。
万が一そんなことになったら、磔獄門の計ぐらいではすまないのだぞ。

作業中のおっさんどもは皆、心のなかでそう叫んだ(笑)。

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寒いので、トレーラーハウスの中にみんなで入って食べることに。
今回のカレーは、いただきものの松阪牛の牛すじを大量に放り込んだ、M子特製牛すじカレー。

我が妻M子は、もはやサルシカ隊の寮長なのだ(笑)。
最近3人前とか4人前の料理だと文量がわからんという。
彼女の料理のデフォはすでに20人前、30人前の世界になってしまったのだ。
たぶん彼女はいつでも定食屋のおかあちゃんになれる。
大食いの学生を抱えた寮長になれる(笑)。

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これが牛すじカレー。
ごはんは炊飯器で1升、鍋で5合を炊いてあった。

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食う。
おっさんたちは食う。
本当に食う。
働き、楽しみ、笑うおっさんたちはしっかりメシを食うのだ。

が、おっさんたちがワシワシ食っているあいだに、雲行きはどんどん怪しくなってきた。
みぞれが落ちてきたな、と思ったら、雨になって、どんどんそれは強くなった。

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工事現場は泥沼のようになっていた。
ドロのシャーベットだ。
長靴を履いていても、足の裏からジンジンと冷えてくる。

そして雨は服を濡らし、確実に体力を奪った。

「地獄だ・・・・シベリアの地獄がやってきた・・・・」

誰かがドロの中でうめいた。
最悪のコンディションである。
さっきまであんなにゲンキだったおっさんたちの動きが止まった。
手がかじかんで作業が続けられず、焚き火に手をかざした。

「隊長、これはさすがに中止せなあかんで・・・」

キヨちゃん副隊長がそう言ったとき、ちょうど2人が到着した。

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サルシカが運営しているもうひとつのサイト「ゲンキ3ネット」の動画レポート取材班。
スタッフの前田くんとレポーターの堀内まみ亜さんだ。

取材、雨、疲労、寒さ・・・。
隊長のワタクシはどう判断すればよいのか。

笑顔で堀内さんを迎えつつ、激しく悩んでいたのであった。

(次回は「ヤリが降っても突き進め!!」の巻き)