「2014年のサルシカ米づくりは籾まきから!」第246回サルシカ隊がいく

投稿日: 2014年04月08日(火)06:24

s246-01

昨年(2013年)、はじめてコメづくりにチャレンジしたサルシカ隊!
唯一の経験者であり、兼業農家のキヨちゃん(サルシカ副隊長)の指示のもと、なんとか7俵半のコメをつくるに至り、盛大に収穫祭をして祝ったのであった。

しかし。
実際のところ、コメづくりは大変であった。
毎日の水の見回り。
草刈り。
仕事があり、サルシカの活動があり、の中でこの時間を捻出するのはなかなかむずかしい。

が、たくさんの隊員に助けてもらい、なんとかやりぬくことができた。
その達成感、そして新米を頬張ったときのおいしさは、苦労した分だけおいしかった。

で、今年。
2014年のコメづくりはどーするのか。
正直悩んだ。
苦労とおいしさとを天秤にかけ、もろもろのイベントと予定とにらめっこしながら考えた。

考えに考えた挙句、
妻に言われたひと言で決めた。

「主食であるコメをつくるって大事だよ。
 秘密基地とかツリーハウスで話題をつくることも大事だけど、食べるものをつくるという地道で生活に密着したことも伝えていかないといけないと・・・」

確かに・・・。
海、山、川、屋外で大騒ぎするだけが、伝えたい田舎暮らしのスタイルではない。
大変だけど、その向こうにある充実、満足をも伝えたいのだ。

で、2014年のコメづくりもやることになった!

s246-03

しかも!!
悩んでいた割には、さらにパワーアップ!
耕作面積拡大をしてやることになった!

そのきっかけのひとつが、この「もみ」・・・つまり稲のタネである。
サルシカのイベントにちょくちょく参加してくれている笠井さんという人がプレゼントしてくれた。
なにやら特別なコメであるという。
もみからして、とても大きい。
コシヒカリの1.5倍はあるとの話である。

その筋では非常に有名なコメで、とある名前で1キロ1000円近い値段で売られている。
それでも飛ぶように売れていくらしいのだ。

「1キロ1000円!! 飛ぶように売れる!!!」

昨年サルシカ米をはじめてつくり、電柵の設置だので大赤字を食らったわれわれは、すぐさまその話に飛びついたのである。

が、もみから稲を育てたことはないし、昨年と同じく農協で苗をもう注文してあったし、さてさてどうしようと思っていたところ、同じ集落内の西川のオトウチャンが、

「おう、それやったらウチの田んぼでつくったるぞ〜、どうせ田んぼを減らそうと思っとったんや〜」

と、救いの手を差し伸べてくれた。
こうして今年は、美里町内2ヶ所で田んぼをやることになったのだ。

s246-02

秘密基地のある平木の集落内。
西川のオトウチャンの家の前で籾まきの準備がはじまった。
2014年のサルシカ米づくりは、昨年とはずいぶん違う雰囲気でスタートなのだ。

「そしたら、やろか〜」

西川のオトウチャンが、水を吸ってずっしり重くなった「もみ」を家の中から持ち出してきた。
この数日間、風呂の残り湯につけてきたという。
こうして発芽をうながすのであろう。
が、ワタクシと妻は、

「うわ、オトウチャンのエキスをたっぷり吸った『もみ』や〜」
「おやじエキス米として顔写真つきで売りだそ〜(笑)」

などと、思いきりいじる。
きょうのためにひとりで準備してきてくれたオトウチャンをいじり倒す(笑)。

s246-04

そして、西川さんの家には、なんと「もみまき機」まで準備されていた。
なんとこれは、きこりのやっさんがくれたものだという。

「やっさんは家買ったやろう。そしたら納戸にこれが入っとったらしいんや。
 まあおまけみたいなもんやな。
 けど、使うことあらへんし、ずっと使ってくれと言われて預かってきたんや〜」

田舎で必要なものがなくて困っていると、たいがいまわりに転がっている。
しかも無料で。
冷蔵庫、冷凍庫、コピー、テレビ・・・なんでもござれである。
農機具もどんどこある。

これは人口が減っている証でしかないので喜んでいる場合ではないのだが、まあ暮らしているものにとってはありがたい状況である。

s246-05

まず、もみをまくパレットに新聞紙を敷き、土を入れる。
金属のヘラみたいなものを使って、平坦に土を敷き詰める。
妻M子は初めてのコメづくりで、この作業にはまる。

「ちょっとオレにもやらせろ」

と頼んでも、

「嫌だ!」

とやらせてくれない(笑)。

s246-06

続いて「もみまき機」にもみを入れ、ベルトコンベアーに土を敷き詰めたパレットを載せる。
そしてレバーをくるくる回すと、コンベアが動き、もみがぱらぱらと均等にパレットのうえに落ちる。

「おおおおおおお〜!!!」

一同、驚きの声。
西川のオトウチャンも普段は苗を買ってコメをつくっているので、もみまきのことはあまり知らないのだ。

s246-07

そのあと、手作業でパレットの空いている空間にもみを落とし、重なっているところをならし、もみを均等にする。
これは主にオトウチャンの作業。
さっきまで土ならしにはまっていたM子は、コンベアのくるくるにはまる。
えんえん回す。

で、ようやくまたワタクシに交代。
機嫌よくくるくるしていたら、思い余ってコンベアからパレットを落とす。

「あ〜!!!」
「バカバカバカ!! なにやってんのよ、わたしの大事なもみもみちゃんを!!」

妻M子はワタクシを激しくののしる。
いつのまにか「わたしの大事なもみもみちゃん」になっているところが気にかかる(笑)。

「もみまき機」に今度は栄養たっぷりの土を入れ、もみが敷き詰められたパレットの上にやさしく落とす。
土の敷布団と上布団でタネをやさしく包み、寝かせるのだ。

s246-08

こうして14枚のパレットが完成。
本当は15枚だったのだが、ワタクシが1枚落としたのでこんな半端な数になったのだ(笑)。

このパレットに1枚ずつたっぷりと水をかける。
重ねてからも水をかける。

s246-09

そして水をたっぷりと吸って重くなったパレットを運ぶ。

実はこの作業から数日後にこの原稿を書いているのだが、ワタクシはギックリ腰寸前の危うい状況である。
たぶんそれはこの中腰ばかりのもみまき作業と、この運搬作業のダメージに違いない。
最近秘密基地の土木工事も連続してあって身体を休めてないもんなあ。

s246-10

パレットを運び込んだのは、こちらのビニールハウス。
西川のオトウチャンが、野菜の苗を育てているハウスだ。

ここで発芽させ、苗を育てるのだ。

s246-11

「ゲンキよく育てよ〜」

こうして2014年のコメ作りがはじまったのである。