写真/写真師ナカヤのトウチャン テキスト/サルシカ隊長
エンジンに火がつくのに時間はかかるが、いざエンジンがかかれば、もうターボ全開でばりばりと動くのがおじさんたちである。
この日のおじさんたちはいつも以上にすごかった。
「大引7尺半！」
棟梁のＴ橋が指示を飛ばすと、
「大引7尺半了解〜！！」
中谷のお父ちゃんがすぐさま木をひく。
他のみんなが我先にと木を運ぶ。
支える。
インパクトでネジを打つ。
「おっしゃ、次！」
作業はもうすさまじいスピードで進んだ。
木を切る中谷のお父ちゃん
何よりも今回は天気がよかった。
いつもならば大雪だったり大雨だったり、悲惨な状況の中での作業なのだ。
もうそれが当たり前だと思っていた。
しかし、この日は頭上に雲ひとつない青空が広がっている。
風もほとんどない。
「中谷のお父ちゃんは悪天候と共にやってくる・・・」
中谷のお父ちゃんは、もはやサルシカ隊の誰もが認める雨男であった。
なのに「晴れ！」
中谷のお父ちゃんはゴキゲンで木を切る。
どんどん切る（笑）。
棟梁の大工のＴ橋も、いつものヘラヘラ笑いをやめ、職人の顔になっていた。
こんな横顔を見るのは久しぶりだ。
最近、
「人生とは得ることではなく捨てることだ」
とか、
「人生の出会いにはすべて意味がある・・・別れにも意味がある・・・」
などと、
何やら思わせぶりな格言というか言葉をあちこちで吐いている彼であるが、なにかに辿り着いたのであろうか。
よき道を見つけたと信じたい（笑）。
柱を建て、骨組みがおおよそ出来たところでお昼となった。
副住職の密伝さんはここで離脱。
他の面々は食事に出かけることに。
いつもなら、予算もないのでカレーとかうどんをつくってみんなで食べるのだが、今回は人数も時間も少ないので、ぜいたくをして外食することに。
が、サルシカ秘密基地のある美里には食事のできる店が１軒もない。
そこで、となり町の榊原温泉にある、いつもいく定食屋へと向かう。
が、土曜日だというのに休み
もう１軒、日帰り湯のそばにある食堂へいく。
なんと休み。
おおおおお、なんということだ。
いきなり昼飯難民になってしまったのだ。
ぐるぐる回ったすえに入ったのは、喫茶店。
もう30分近く時間を無駄にしてしまった。
今回はなにかとロスが多いのだ。
なかなかメシに辿りつけず、みんな飢えまくっている。
上の写真を見ていただきたい。
オーダーを聞きにきたおかあさんに、いまにも飛びかからんほどの勢いである（笑）。
昼飯を終えて秘密基地に戻ってきたらすでに2時近くになっていた。
すぐさま作業に戻る。
雨がふる可能性もあるので、せめて屋根だけでもかけておきたいのだ。
小さなトイレの屋根に大きな大人が3人も載って、どんどん垂木を打っていく。
あっという間に完了する。
もはやトイレ担当というありがたくない肩書をもらってしまった前田さんは、果敢に屋根にのぼり、ガルバニウムの波板を打っていく。
「次の波板ちょうだい！！」
さすがトイレ担当なのだ。
真剣勝負なのだ。
が、大工のＴ橋さんが間柱をドカンドカン入れ始めると、建物が激しく揺れて、
「いやああああああああ、やめて〜、揺らさないで〜、怖いぃいいいい〜」
と、女の子のような悲鳴をあげ、みんなに笑われるのであった。
そして山作業から戻ってきた柳本さんも、そのみんなの勢いにおされて思わずお手伝い。
「はい、それ取って！」
「こっちへ運んで！」
「釘とって！」
状況を理解できないまま、あちこちから飛ぶ指示に振り回されている（笑）。
隊長のワタクシも今回は屋根に登ったり、インパクトを持ったりしてどんどん作業。
いつもは拡声器を持って指示だけ飛ばしてサボっているので、珍しいこともあるものだ、と中谷のお父ちゃんに撮影されてしまった。
ワシだってやるときはやるのだ！（笑）
大工のＴ橋さんが用意してくれた古い建具の窓を入れる。
予想より大幅に作業が進んでいる。
そしてトイレといっしょにもらってきた古いドアをとりつける。
おおおお！
なんかトイレっぽっくなってきた！！
きょうの作業はひとまずここまで！！
あとは19日（土）と20日（日）に仕上げるのだ。
工事を終えて記念撮影。
Ｗうんこ中という設定のトイレ主任前田と中谷のお父ちゃん。
壁がないので見事に風通しがいいのだ。
いっそガラス張りでつくろうか、などとアホなことを話し合う（笑）。
短い時間で本当によくここまで出来たと思う。
秘密基地をつくりはじめて早２年！
われわれもいっぱしの秘密基地職人になってきたに違いない（笑）。
次回の工事で、トイレの建物は完成させたい。
なんとかゴールデンウィークまでに、快適なうんこを実現させるのだ！
みなさんのご協力、ご参加をお待ちしております！！
詳細はこちらをご覧ください！！
http://www.salsica.com/?p=16974
