提供:ゲンキ3ネット
三重県の「素晴らしい!」を伝えるサルシカ隊のリーダー、隊長オクダは、大紀町を訪ねる!!
大紀町といえば大内山牛乳ってことで、まずは大内山酪農を訪ねた!
三重県で飲まれている牛乳ナンバーワンといえば、大内山牛乳である。
学校給食でも採用されているところが多く、ワタクシの娘の学校も大内山牛乳だそうである。
最近、この大内山牛乳のTシャツも結構売れているらしいし、ここの牛乳を使ったソフトクリームは大人気で、週末ともなると大行列が出来る店もあって、もはや地域を代表する名物、ブランドになっているのだ。
大内山。
その地は、三重県度会郡大紀町にある。
名古屋方面からだと、東名阪自動車道を大阪方面へと走り、関の手前で伊勢自動車道へ。
伊勢自動車道を伊勢方面にひた走り、松阪を越えて勢和多気に差しかかったところで、紀勢道に入る。
なぜか枝へ枝へと入って到着するのが、紀勢大内山インターなのだ(笑)。
大内山インターから国道42号線に入ったところに、巨大な牛乳パックがそびえ立っている(トップの写真)。
初めて見た人は「うお、なんだなんだ!」と車を飛び降りるかも知れない。
そして、ワタクシのように写真を撮ろうとウロウロとしていると、どこかでセンサーが反応し、モオオオオと牛の鳴き声がして驚かされるのである(笑)。
大内山牛乳の総本山とも言える、大内山酪農農業協同組合は、インターを降りて車で5分ほど走ったところにある。
国道42号線から1本入って少しいくと、ガードレールが牛さん模様になるのですぐわかる(笑)。
この日、ワタクシの対応をしてくれたのは、営業部営業一課の主任、平岡さん。
オトナリの紀伊長島出身。
まだ30台前半の若者であるが、なんとすでに3児のパパであるという!!
しかも!!
写真を見ていただくとわかるであろうが、身長180センチあるワタクシより背が高い。
そしてなかなかのイケメンである。
「牛乳の営業マンとしては平岡さんは最適ですねぇ」とワタクシ。
「あ、背が高いからですか(笑)」と平岡さん。
「やっぱり小さいときからたくさん牛乳を飲んできたから大きくなったんですか?」
「そうですね!」
平岡さんは笑顔もさわやかである。
が、この会話を聞いていた写真師マツバラは、ただちにワレワレに背を向けるのであった。
彼は「ローアングルでしか撮れないカメラマン」というのを持ちネタにしている男である。
まあ大きくはない(笑)。
「オレだって牛乳大好きだったけどなあ。
なのになんでオレは成長しなかったんだろなあ・・・神さまのいじわる!」
もう完全にいじけているのである。
そして、いきなりカメラを構えたかと思うと、イケメンで高身長の平岡さんにいろいろと注文をつけだすのだ。
「ちょっとさあ、この牛の人形さんのところに行ってもらえるかな。
うん、そうそう!
しゃがんで乳をしぼってるみたいにして、こっちを向いて笑って!!!!」
もはや嫌がらせである(笑)。
こうして、大内山酪農の見学ははじまった。
「この大きいのが貯乳タンクです。
108トンの牛乳を入れることができ、なおかつ4度を保てるように冷却しています」
ちなみに大内山酪農農業協同組合は、構成する酪農家が三重県内10市町以上に及ぶ広域組合である。
地元大紀町はもちろんだが、津市、松阪、南伊勢、遠くは熊野や北勢からもタンクローリーで牛乳が運ばれてくる。
ローリーが到着してまず行われるのは検査。
これが受入検査。
他にも製造工程ごとに「生乳品質検査」「製品検査」とあり、徹底した品質管理がなされているのだ。
まず最初の工程は、「均質」と「殺菌」。
生乳は乳脂肪やタンパク質が固まりやすい。
細かい注射針のような管がならんだものに圧力をかけて均一にし、飲みやすくするのだという。
その後、125度で3秒間、高熱消毒。
なんだか社会見学のようで楽しくなってきたぞ(笑)。
さて、この工場であるが、さぞ朝早くから稼働しているのであろうと思ったら、朝は10時ぐらいからスタートということであった。
その日の朝、それぞれの酪農農家から集められてきた牛乳は、午前10時頃からどんどん製乳されていく。
そしてその製品となった牛乳は、その日の深夜(つまり翌日の早朝)から出荷され、各家庭や学校、お店に届けられるのだ。
それが365日。
休みなく続けられるのだという。
確かに牛乳は正月だろうとお盆だろうと消費される。
しかも牛さんたちも休みなんぞ関係なくひたすら乳を出し続けるのだから、その間に立つここが休んでいるわけにはいかないのだ。
続いて案内していただいたのは、集中制御室。
ここで殺菌や均質の作業のすべてをコントロールする。
ここでも検査。
検査室は化学会社の実験室のようだ。
もちろん私たち一般者の入室すら禁止されている。
そして一番迫力があるのがこちら!
牛乳をパック詰め、瓶詰めしていく工程。
給食で出てくる小さな紙パックから家庭用の大型紙パック、そして大型の瓶サイズまで次々に生み出される。
ちなみに紙パックの場合、まず紙パックを筒状にして、そこに牛乳を入れてから整形し、フタをしているのだという。
よくもまあ、こぼれることなく、次から次へとつくっていくもんだ。
ちなみにここで1日に生産される牛乳は、60トン!!!
バター、プリン、アイスなどの製品はまた別のところで作っているという。
と、ここまで案内していただいたところで、ちょいと休憩。
そしてトイレに入って出てきたところで悲劇は起きた。
トイレの自動ドアが開かないのである。
上部にあるセンサーが反応していないかと手をフリフリしてみるが、ダメ。
やはり重さの反応だったかとドンドンしてみてもダメ。
ダメなものはダメ。
開かないのだ。
と、その時、ちょうど従業員の人が笑いつつトイレに入ってきた。
「ここのドアは、手を消毒しないと開かないんですよ」
おおおおお、なんという徹底ぶり!!
そしてアルコール洗浄機の中に手を突っ込むと、ドアはブイインと開いたのであった。
恐るべし、大内山酪農!!
続いて最後の出荷作業も見せていただくことに。
作業現場に入るため、ワタクシも写真師マツバラも防塵用の白衣と帽子を身につけることに。
まさに工場という感じ。
製品となった牛乳が次々に出てきて箱詰めされていく。
何かエラーが起きるとブザーがなって、従業員の人がどこからか走り出てくる。
そしてまたラインは流れつづけるのだ。
巨大な冷蔵倉庫に積み上げられた大内山牛乳の製品。
まだまだこれからこの倉庫いっぱいになるまで瓶や紙パックの牛乳はつくられ、そしてきょうの深夜、そのすべてが配送される。
そしてのこの中のごくごく一部は、津市の外れにある娘の中学にも運ばれるのである。
いやー、恐れいった。
徹底した衛生管理、検査体制、そして広がる販売網。
想像をこえたスケールである。
「毎日給食で出てくる牛乳、ありがたく感謝して飲むのだぞ」
そう娘に伝えようと思いつつ、工場見学を終えたワタクシであった。
※大内山酪農農業協同組合では、個人の工場見学は受け付けておりません。
※団体等での見学のお問い合せは、基本情報の連絡先までお願いいたします。
写真:松原 豊