第22回「執念のマルベリージャム!!」

投稿日: 2014年06月22日(日)11:23

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5月某日。
日に日に太陽がまぶしく、美里はすっかり初夏の風情。
衣替えにバタバタするなか、義父から桑の実採りのお誘いがありました。
今回のめぐみごはんは、初めての桑の実採りと桑の実(マルベリー)ジャムの作り方です。

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さて桑の実、みなさんはご存知でしょうか?
かつてドリカムが「小桑の実またとってね♪」と歌っていたな…くらいの知識しかない私。
カゴを小脇に抱え一粒一粒摘んでいく。
コトコトとジャムを煮込んでステキ田舎生活♪と未来予想図描いて、いそいそと出掛けてみました。

着いたところは義父の友人宅の素敵な畑。
大きな桑の木が2本。実がたわわとなってます。
キャー素敵!と一粒ずつ摘もうとする私に、夫と義父から声がかかります。
「何してんの、ほらそっち持って」。

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2人が取り出したのは、ブルーシート。
そしてそれを木の下に広げたかと思うと、義父がひょひょいと木の上に登ります。
ゆっさゆっさと木を揺らすと、ボトボトと桑の実が落ちてきた!
枝の先の方は、下から棒を使ってバシバシと叩き落とします。
落ちてきた実を集めてバケツに流し込む…。

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思い描いた桑の実採りとは、正反対に位置するかのような、実に大胆で豪快な手法です。
これは「桑の実摘み」ではなく「野良仕事」であることをようやく理解。
我に返った頭の上に降り注ぐ大量の桑の実と虫。
帽子はおろか、襟元のあいた服を着た私。
大量の虫にまみれて、身体中カユカユー!

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チクショウ!こうなったら採って採って採りまくるぜ!と、枝をバシバシと叩きます。
降り注ぐ虫を全身に浴びながら、こぼれ落ちた実を広い集め、バケツにいっぱいの桑の実をゲット!
バケツの中の大量の虫からも、私がどれだけの虫にまみれたか、わかっていただけるでしょうか?
これが田舎暮らしだ!ハハハハハ(泣)!

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さあ、こうして手に入れた大量の桑の実。
コトコト楽しいジャム作り。
今度こそ、田舎暮らしを楽しむステキ奥さまアピールの時間です。
レッツクッキング!

まずは桑の実を水に漬けて洗います。虫たちよ、さらば。
ここからは君たちに翻弄されるわけにはいかんのだよ、とザブザブと洗います。

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それにしても大量の桑の実。
家にあるボールなどにはまるで収まらない。
我が家で一番大きなパスタ鍋にいっぱいです。
この鍋でジャムを作る日が来るなんて購入時には思いもしなかったな・・・。
桑の実の量におののきつつ、軸取りをはじめます。

レシピによっては軸もそのままジャムにするようですが、青臭くて美味しくない!と聞いていたのでここは頑張りどころです。
ひとつひとつ丁寧に洗ってはプチプチと軸を取り除きます。

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ああ、どうして私は物事の後先を考えられないのだろう。
軸を取り始めて1時間。
取っても取っても、桑の実はなくならない。
減らないのですよ!桑の実は!
採る時に、採る前に、どうして気づかなかったのか、この作業の過酷さに。
桑の実が、うごめく生き物のように見えて気持ちが悪い。
泣きのはいった私を見て5才の娘が「手伝おうか?」と言ってくれる。
ありがとう、娘!

そうして軸を取り除き、さあいよいよ煮詰めます。
この後に及んで、素敵な奥さまの夢を捨てられず、かわいいホーロー鍋に桑の実を入れてみた。
大量すぎて入らない。
パスタ鍋に実を戻し、カサを減らすべくグツグツと火を通します。

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なにか、給食のおばちゃんのように汗だくで大鍋に向かいます。
少しかさが減ったところで、性懲りもなくまたホーロー鍋に桑の実を入れます。
入るには入ったけれど、これを煮詰めるのにどれだけの時間が…?

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大きな平鍋のない我が家。
あるのは大きな中華鍋。
素敵なジャム作り奥さまの図と、ガス代&時間短縮をはかりにかけて、軍配は中華鍋に。
もはや思い描いた未来予想図はどこにもない…。

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真っ黒な中華鍋に真っ黒なジャムを入れ、グツグツと煮込みます。煮詰めた桑の実の1/2弱の砂糖を加えてグールグル。
ジャム作りのはずが、見た目はまるで海苔の佃煮作り。
しかし漂う甘い香り。
なんともいえないギャップに戸惑いつつ、レモン汁を適当に加えます。

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桑の実はブルーベリーと違って、酸味がほとんどありません。
レモン汁をドボドボ入れたものの、なにやらぼんやりした味に感じられ、クエン酸を投入。
これが正解!ぐっと味が引き締まりました。

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さてここからは豆知識。
キレイになりたい娘さんも、お腹ぽっこりのおじさま方もさあさあご覧あれ!
桑の実のおそるべき?パワー!

・桑の実のアントシアニン(ポリフェノールの一種)はブルーベリーの約3倍!
・栄養価が高く、生活習慣病にすぐれた効果!
・ビタミン、ミネラルも非常に豊富で美容の強い見方!

なんて素敵なんでしょう!
あー、もうアオリ文句たっぷり仕込んで通販で売り出してやろうかしら。
素敵な奥様どころか、ただの強欲商売人の夢を抱きつつ、さあ!いただいてみましょう。

まずはそのままパンに。

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続いてヨーグルト。

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クリームチーズと一緒にサンドイッチ。

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パンケーキに添えて。

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美味しい!美味しいですよ。
マルベリージャム!
生でそのまま食べた時の優しい甘さがぎゅっと濃縮されてます。
マルベリー独特の風味が口の中いっぱいに広がってたまりません。
個人的にはパンケーキ最強。
なんだこれ、お店出せるよ!と大興奮。
おすそ分けした方々からも「すごく美味しい!」の声をいただけてウフフー。

いやー、苦労が報われると嬉しいです。
しかも体にいいときたもんだ!とドボドボ使ってたら、2キロ太った・・・。

中華なべいっぱいあったマルベリージャムが、いまや冷蔵庫の中に一瓶残るのみ。
軸取りは大変だけど来年も作る!!

ごちそうさまでした!