「ビールを醸造しよう!!」第268回サルシカ隊がいく

投稿日: 2014年07月16日(水)08:24

s268-01写真/フォトグラファー加納  文/サルシカ隊長

今回の記事は、実は昨年取材したものなのである。
昨年の秋、われわれサルシカ隊は、自分たちでつくった米をはじめて収穫し、うほほうほほと大騒ぎで収穫祭などを開催していた。
そんなとき、美杉リゾートの中川さんから、

「今度新しい津の地ビールを仕込むので、よかったらサルシカのお米を少しわけてくれませんか」

と依頼があったのだ。

もちろん断る理由などない。
われわれがつくった米がビールになる・・・!!

昨年、われわれサルシカは、三重の超ローカルブランドTシャツ「SalT(サルティ)」を販売した。
調子に乗って40種類以上。
思いのほか売れて、サルシカ一同驚いた(笑)。

続いて、活動資金を稼ぐ手立てとして、軽トラ用のピックアップキャビンに着手。
プロトタイプ1号を制作。
そのプロジェクト名を「SalP(サルピー)」とした。

そしてビールである。
当然プロジェクト名は、「SalB(サルビー)」である。

なんたってわれわれサルシカ隊は酒飲みである。
宴会をすれば、ビールケースの3つや4つは空いてしまうほど、ビールを愛している。
われわれは一気に盛り上がり、醸造の様子を取材に行くことにしたのであった!!!

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サルシカの拠点があるのは、三重県津市美里町。
1文字違いの美杉町も津市内であるが、車で移動しても40分ほどかかる。
遠いお隣さんなのだ。

特に最近、三重県津市美杉町はなにかと話題になっている。
三浦しをん原作の映画「WoodJob〜神去村なあなあ日常〜」の舞台となったところで、ロケ地を中心にいろんな盛り上がりを見せている。

そんな美杉のランドマーク的な存在が、火の谷温泉 美杉リゾートだ。
ホテルあり、温泉あり、レジャープールあり、バンガローあり、そしてビアガーデンおよびビールの醸造所まであるのだ!

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そんな美杉リゾートを引っ張るのが、若き社長の中川雄貴くん(写真左)。
そして従兄弟の中川穣くん(写真右)。

このふたりがビールも仕込んでいるのだ。

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さっそく醸造所に入れてもらった。
大きなタンクが並び、銅の釜から湯気があがる。
パイプが床、壁、天井をくねくねと這っている。
なんだか格好いいぞ。

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ビールの原材料は、大麦!
これはヨーロッパから輸入されているものだそうだ。
日本でも生産されているが、品質と価格ではまだまだ国産原料を使っているところは少ないらしい。

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そして副原料として使われるのが、津市美里町、経ヶ峰の清流で育ったサルシカ米。
ビールに米を入れるの??
って思われるかもしれないが、日頃飲んでいるビールだってラベルを見れば、副材料として「米、コーンスターチ」なんて書いてあるはずだ。
使う量は少量であるが、これでビールの味を調整し、バランスを保つのだ。

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巨大な煮沸タンク。
中でお湯がぐらぐらと煮立っていた。

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そこに細かく砕いた大麦と米を投入。
適度な温度で撹拌すると、麦芽酵素の働きで、穀物のでんぷん質が糖分に変わり、糖化液の状態になるんだとか。
そういや、甘い匂いが醸造所に広がっている。

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しばし、そのまま落ち着くのを待つ・・・というので、その間に前回仕込んだビールを試飲させていただく。
巨大なタンクからチロチロとビールを出す。
触ったところ、ビールが出たところはすぐさまアルコール除菌。
雑菌が最大の敵なのだ。

で、ビールをいただきます!!
まだ仕込んで1ヶ月ほど。
あともう少しで完成という状態。

どれどれ。
ひとくち飲んでみる。
うまい!
しかしあともう少し寝かせると、もっとコクが出てさらにうまくなる。
その頃が出荷となる。

今回つくるビールはどんな味になるのか。
どんどん楽しみになる。

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濾過作業。
液体だけをうまく隣のタンクへ移す。
勘と経験がたよりの作業。
中川社長、真剣勝負!!

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ここで糖質のチェック。
これからの発酵によってこの糖質がアルコールに変わる。
糖度が重要になるのだ。

このあたり、ふたりの中川くんにはとても話しかけられない状態だった。
失敗すれば、2000リッターのビールを無駄にする。
やり直しのきかない一発勝負なのだ。

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糖液化して、まだ発酵していない状態の熱麦汁を試飲させてもらった。
口に含んで愕然とする。
濃厚な甘さ。
砂糖とは違う、穀物ならではの奥深い甘さ。
ねっとりと舌にからみつく。
これがビールになるとはとても思えない。

が、このまま発酵タンクで発酵が進むと、7〜8日でビールになるという。
ただしそれは若ビールと呼ばれるもので、味こそビールだが、コクも香りも十分ではない状態。

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それからこちらの貯蔵タンクに移し、低温で1ヶ月以上ゆっくりと熟成させる。
それが、この美杉リゾートの火の谷ビール本来の味になるのだ。

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こうしてつくられたビールが、
美杉リゾートでは、伊勢本街道ビールとして販売されている。
サルシカ秘密基地のイベントではサルシカビールとして(笑)。
そしてイベントなどでは、「津ぅビール」として!

この夏。
ぜひビールフェスタ、ビアガーデン企画もやりたいなあ、と思っています。
お楽しみに〜!!!!

火の谷温泉 美杉リゾート