第93回「隊長、熊野で飲んで語らい、そして講演する」

投稿日: 2014年09月26日(金)09:15

提供:ゲンキ3ネット

第93回『サルシカ隊長レポート』2014年9月

三重県グリーン・ツーリズムネットワーク大会in熊野に講師(!)として参加することになったサルシカ隊長。
熊野の魅力を全身で感じようと、事前の体験ツアーに参加!
人口わずか5人の須野で感じ、そして得たこととは!?

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人口わずか5人の熊野市須野めぐりのツアーもいよいよ終わり。
最後に棚田あとを見学した。

「え、また山にのぼるの??」
「ええ、でもなだらかで楽ちんなコースですから」

須野に移住した志水夫妻はこともなげに笑う。
が、この野生児たちの言う「なだらか」を信じたワタクシがバカだった。

そもそも上の写真を見ていただいても、全然なだらかでないことはわかっていただけると思う。
急だわ、石はゴロゴロだわ、細いわ、挙句に川は飛び越えなくてはいけないわ、なのである。

ワタクシはこの夏に痛風の発作を起こして以来、妙に足に痛みが残っていて歩くのが辛い。
あひあひ言いながら、前をいく志村夫妻の背中に悪態をつきながら、棚田へと向かったのであった。

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こちらは須野の棚田。
いまはもう杉が植えられてしまっているが、かつては熊野灘を見下ろすことができる、すばらしい田んぼであった。
海から涼しい風が吹き上げてくる。

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写真師が樹々の隙間から海を狙った。
熊野灘は静かに凪いでいる。

「ここの田んぼをちょっとでもいいから復活させるのが、私たちの夢なんです」

志村夫妻と濱田さんは言った。
その夢がいつか実現する日を心から祈るのだ。

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その後、案内人の濱田さん宅にお邪魔して山水で入れたお茶をいただいた。
そして地域に残る話、そして海の幸のお話を・・・・。
こうしてプライベートのお客さんのようにお宅にまでお邪魔するグリーン・ツーリズムってのもあってもいいよなあ、と思う。

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そして最後に濱田さんのご主人がつくっている天然乾燥ひじきをいただく。
ひじきについた塩がこれまたおしいそうだ。
ありがたくいただく。
本当に充実した須野の旅であった。

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再びバスに乗って、本日の宿へと向かう。
熊野市紀和町にある入鹿温泉瀞流荘。
5つの分科会に別れたみんながここに結集するのだ。

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ここには鉱山トロッコ電車がある。

「うおおおお、乗りたい乗りたい乗りたい乗りたい!!」

ワタクシは荷物を放り出して叫んだが、宿に入るなり、交流会のスタートなのだ。
温泉に入る時間すらないのだ。
写真師に「はい、こっちこっち、わがまま言わない、おとなしくこっち来て」と引きずられていく(涙)。

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そして交流会!
なんと100人規模の大宴会だ!!

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明日の朝、ワタクシは基調講演をしなくてはいけないし、風呂にも入っていないし、1次会を終えたらそうそうに退散して温泉へ行き、そのまま寝てしまおうと思っていた。
そして賑やかな1次会を終えて、ワハハワハハと笑いながらすり足後退で写真師と共にさりげなく部屋に戻ったのであった。

「隊長、うまく行きましたね!!」
「やればできるもんだ!」
「しかしまだ温泉がありまする! ここには部屋風呂がないでありまする!」
「うーむ、よしまずは偵察だ!!」

身体の小さな写真師がほふく前進で廊下へ出てあたりをうかがう。

「隊長! みんな二次会に行ったらしく、廊下に人の姿はありません!!」
「よし、いくぞ!!!」

ワタクシと写真師はタオルを持って温泉へと急いだ。
部屋は2階。
温泉は1階のロビーへ出て、またそこから2階へと上がるトラップだ。

「ロビー、クリア!」
「よし!」
「階段クリア!」
「よし!」

ワタクシたちはまるでSWAT隊のように壁に沿って急いだ。
風呂場入口のマッサージ機が並ぶところで、尾鷲でがんばるお母さんたちに遭遇するが、お酒を飲むことにも飲ませることにも興味がない安全な一般市民だ。
にこやかに挨拶をかわしつつ、男性脱衣場に飛び込む。

「わははははははは!」

写真師とワタクシは声高らかに笑いつつお湯に身を沈めた。
温泉がしみわたる。
これで二日酔いにもならず、リラックスして明日の基調講演ができる。

が、身体を洗っていた時、ガラリと戸が開いた。
そこには浴衣をきたKUMATENG(今回のグリーン・ツーリズムネットワーク大会の段取りをしたグループ)の石本くんがどかどかと中へ入ってきた。

「あああ、こんなところにいた!! 隊長! マツバラさん、なにをしてんですか!! もうみんな二人を探しまくってますよ! もうカンカンですよ!! すぐさま風呂を出て会場に来てくださいよ!」

で、ワタクシたちは泡を流し落とすのもそこそこに風呂を出て、二次会会場へ突入し、ずぶずぶと1時すぎまで飲みまくり、そして見事二日酔いの朝を迎えるのであった(笑)。

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翌朝。
県の方や熊野市の観光協会会長のあいさつから、三重県グリーン・ツーリズムネットワーク大会in熊野2日目がはじまった。

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続いてワタクシの基調講演。
ワタクシも二日酔いだが、聞いている方にも二日酔いの人たちがいる。
互いに「寝ない、吐かない、倒れない」これだけを言い聞かせつつ、講演を続けた(笑)。

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その後のパネルディスカッションでは、段取りなしのムチャぶり合戦であったが、なんかそれなりに見えてきたものがあったのではないかと思っている。

ま、ここでは講演やディスカッションの話に触れるのはやめておこう。

ただ結論として、「熊野にはまた足を運びたい!」みんながそう思ったことは事実である。

熊野には魅力的な地域の宝がたくさんある。
そして何より熊野を愛し、熊野を守っていこうと熱く願う人たちがたくさんいることを思い知った2日間であった。
主催、運営をしれくれたみなさん、そして参加者のみなさん、
本当にありがとうございました!!


写真/松原 豊