「やまびこカフェの開店なのだ!」第276回サルシカ隊がいく

投稿日: 2014年10月11日(土)11:37

s276-01写真/写真師マツバラ(松原豊) 文/サルシカ隊長

最近ふと思うことがある。
サルシカは一体どこまで突き進むのか。
果たしてどこへ行ってしまうのか(笑)。

ついにカフェのオープンなのである。
サルシカ秘密基地が飲食店になっちゃうのである。

実はこの日のために飲食店の許可をとっていたのだ。
みんなで手作りした施設なので、許可が本当に下りるかどうか心配だったが、プロが何人もかかわってくれているので何の問題もなくクリアしたのだ。

サルシカのカフェ化計画には、何段階かのステップがある。
まずは秘密基地のある三重県津市美里町平木区の地域のみなさんに開放するコミュニティカフェとして営業を開始し、続いて月に数回の一般営業、そして最終的に通年営業にいければと夢見ている。

まずはその第一ステップ。
コニュニティカフェが10月5日の日曜日にオープンしたのである。

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カフェ開店の話は事前にチラシを集落全戸に配布していた。
何人ものひとに「楽しみにしてるよ〜」「絶対いくでな〜」と声をかえてもらっていた。
かなりの手応えを感じていたのだ。

が、その日は、あろうことか台風18号が接近していた。
朝からじっとりと重い雨が落ちていた。

高齢者が多い集落であるから、雨が降ったら参加者は激減するであろうと予測していた。
事前に食材などを用意すると無駄になってしまうので思い切って中止にするという話もあった。
しかしネットやメールをほとんどしていない集落の人に中止の伝達する方法は、1軒1軒まわるか電話をするしかない。
いくら小さい集落といっても40世帯以上はあるし、とても回れるものではない。
万が一連絡が行き届かず、来てしまう人がいたら、それはそれで申し訳ないじゃないか、じゃあ最低限の数で準備して、無駄になったらなったで、それこそもう集落のみなさんに配って回ろうじゃないか、みたいな覚悟でオープンさせることになったのである。

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朝7時まえ。
集落のお母さんたちが集まってきてくれた。
このコミュニティカフェは、2014年8月に立ち上がったばかりの平木区活性化協議会(まだ仮称)の主催によるものである。
サルシカは場所の提供とサービスのヘルプがミッションである。
あくまで主体は地域のみなさんで、ボランティアのお母さんたちが立ち振る舞ってくれるのだ。

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実は前日。
サルシカの面々は基地に集まり、石窯でパンを焼いた。
予算のないカフェなので、パンはワレワレからの無償提供とさせてもらったのだ。

もちろんお母さんたちも事前準備に来てくれ、盛り付けの最終確認やサービスの方法などを打ち合わせした。
役員だとか肩書だとか関係なく、地域のために純粋に力を合わせてがんばる。
なんともカンドー的な姿であったのだ。

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当日。
準備をしているお母さんたち。
笑顔が絶えず、つねに笑い声が響いていた。
経費すら出せるか出せないかの取り組みだけれど、人をおもてなしするのはこんなに楽しいのだ。
実は、こうした取り組みは、迎える方も参加する方もいずれも楽しい。

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最近、畑に目覚めた上出研修生は、パンこねこねにも目覚めてしまった(笑)。
パンの発酵の状態にやたらこだわるのだ。
そんな苦労してつくったパンなので、愛おしくて愛おしくてたまらない。

「おいしくみんなに食べられるんだよ、ゲンキでね」

これから人の胃袋に入っていくパンに向かってゲンキもくそもないのであるが、誰もなにも言わない。

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サルシカ隊の大山さん、太田さんもヘルプスタッフとして手伝ってくれた。
いや、たまたまいたので巻き込まれた、というのが正しい表現であろう。

実はこのカフェのあと、サルシカ米収穫祭が開催されることになっていて、2人は前乗りで秘密基地に入り、前夜宴会してそのまま基地で朝を迎えたのだ。
まさか朝6時にたたき起こされ、掃除をさせられ、そのままカフェを手伝わされるとは思ってもいなかったに違いない。

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営業時間は朝8時から10時まで。
提供するのはモーニングセットのみで、価格はなんと100円である。
安いからって、みんな来ちゃダメよ。
あくまで集落とその周辺のみなさんだけのカフェだからね(笑)。

そして営業時間となると、傘をさした人がちらほらと集まってきた。

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こちらが今回用意したモーニングセット。
これにコーヒーか紅茶がつく。

用意したモーニングセットは40と少し。
まあ、半分も売れれば上出来だと思っていた。

が、ここからしばらくの写真はないのである。
思っていた以上のお客さんが一気にやってきたので、写真など撮っている余裕はなかったのである。
写真担当の写真師マツバラまでもがコーヒーを運んだりしていたのだ(笑)。

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終わりがけ。
ようやく落ち着きはじめた秘密基地。

この日、結局40人の人がカフェにやってきてくれた。
残ったゆでたまごはわずか3個。
後半15分ほどは、食材がなくなったらどうしよう、もう誰も来ないでとみんなでお祈りしたほどだった(笑)。

台風接近の雨風の中、本当に多くの人に参加してもらったのだ。
お母さんたち、そしてサルシカの面々は本当に感謝し喜んだ。

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月に一度のコミュニティカフェの名前は「やまびこカフェ」と名付けられた。
山あいにたくさんの人が響き渡るように祈りをこめて。

農業と地域コミュニティの維持のため・・・・
サルシカは地域のみなさんといっしょにがんばります!!!