サルシカの新たな取り組みである「農業支援&コミュニティカフェの人材育成事業」は順調に進んでいる。
2人の研修生である上出のおいちゃんと中谷のおいちゃんは、米の収穫を学び、いまは畑づくりを学んでいるのだ。
が、農業といっても、田んぼや畑だけがすべてではない。
里山に暮らすものは、山に入り、季節ごとのめぐみを収穫し、それを食したり、お金に変えたりしてきたのだ。
というわけで、秋のこの季節、きのこ狩りにいこうということになった。
先生は、サルシカ隊の山と川の班長でもある「割烹やまき」の大将のやまちゃんである。
早朝6時。
場所は明らかに出来ないが、ほぼ毎年、隊長のワタクシがやまちゃんに連れていってもらっている山におじさんたちは集まった。
「研修生を連れていくのでぜひご教授ねがいます!!!」
やまちゃんに事前にお願いをしていたら、何やら非常にプレッシャーを感じたらしく、もうひとり先生を連れてきた。
何度かこの山でごいっしょしている某企業の社長さん。
ここでは仮に、きのこ社長としておこう(笑)。
というわけで、きのこ先生ときのこ社長、そしてワタクシと研修生は、朝露に濡れた草をかきわけ山へと入ったのである。
が、きのこさんはいなかった。
例年ならば、山へと入った途端にきのこさんたちのお出迎えを受け、大して歩かなくてもガサガサときのこが採れたのである。
しかし、そのきのこがないのだ。
松茸ではない。
クリタケとかスドオシとか、ごくごく一般的な庶民きのこさんたちが、である。
「あれぇ、どーなっとんの〜、なーんにもあらへん」
「ほんまやなあ、毒きのこすらあらへんでぇ」
先生と社長が声をあげる。
われわれはきのこを求めて山をえんえんと歩いた。
これではきのこ狩りではなく、山歩き、トレッキングである(笑)。
歩いて20分。
ようやく先生がきのこ発見。
「これは◯△□タケやで。食べられるけど苦い」
「あ、これは×◯△タケや。これも食べられるけどうまくない」
おいおい、そんなんばっかりやん!!
あちこち場所を変え、歩くこと1時間。
ようやく発見しました!
やまちゃんが!(笑)
上出さんがそれを採らせてもらう。
採ったのはハッタケ(ハツタケ)。
全体的に白っぽくて緑色のしみがある。
かなりグロテスク。
というか、いかにも毒がありますって感じだが、これでごはんを炊くとうまい。
そして!
大物発見!
本しめじ!!
ずっしりと重い、本物のしめじだ。
前出のハツタケはその名前のとおり一番最初に出るきのこで、しめじは一番最後。
その2つがいっしょに出ているのは珍しいという。
しかも、他のきのこがまったくない。
これも天候の異常のせいであろうか。
続いてクリタケも発見!
すき焼きに入れたり、みそ汁に入れてもおいしいきのこ。
おととしであったか、やまちゃんとビニール袋にそれぞれ2袋採ったことがある。
そんなきのこなのに、今年は本当にいないのだ。
群生は見つからないものの、クリタケがぼちぼちと見つかりはじめる。
で、この日、採れたきのこ・・・これですべて。
おとな4人がかりで、丸半日かけて・・・これだけ(涙)。
でもね、これは研修ですから。
少なくともちゃんと手順を習って水で洗ってゴミ取りして。
きのこ鍋にしていただきました。
おいしそうでしょ〜。
でもね、これで全部(笑)。
しかもね、きのこ鍋との噂につられてやってきたサルシカ隊のメンバー計6人。
ひとりおよそきのこ2個ずつ(笑)。
味わっていただきました。
そのあと、お約束の雑炊。
やけくそ気味にいただきました。
ごちそうさま!!