「美里に劇場をつくろう!」第284回サルシカ隊がいく

投稿日: 2014年11月07日(金)08:30

s283-01写真/エネオス稲ちゃん

三重県津市美里町。
人口わずか4000人弱の町に劇場ができる。
エネオス稲ちゃんのガソリンスタンドの先、写真師マツバラの古民家ヒビコレのすぐそば。

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それがここである。
そう!
サルシカの元代表理事、福田のKちゃんの実家の倉庫兼事務所が劇場になるのだ。

ここに劇場ができると決まるまで、本当にいろいろな紆余曲折があった。
ま、ここではそれは省略する。
津あけぼの座の油田さんや山中さん、そしてここを拠点とする第七劇場の鳴海さん、本当にいろいろな人の努力があってここに劇場ができることになったのだ。

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こけら落としは、この2014年11月23日。
記念すべき第1弾の演目は「シンデレラ」である。
11月6日現在、ありがたいことにその公演のほとんどは予約いっぱいの状態である。
興味のある方はぜひチラシをクリックして情報を確認してもらいたい。

それにしても待ちに待った劇場のオープンである。
11月23日。
あともう少しだなあ、と、サルシカの面々といつものように秘密基地で酒を飲んでいた10月の末。
津あけぼの座の油田さんから電話が入ったのだ。

「あのぉ・・・まだ全然劇場ができていないんです。やばいんです」

なんだとう!!!
もう1ヶ月もないではないか!!

「どーするのだどーするのだどーするのだ! もうチケットは売れてるんだろう!!?」

「そーなんです! どーしましょうどーしましょうどーしましょう!!」

実際には油田さんは「どーしましょう」を15回ほど言った。
うーむ。
仕方がない。
こういうときこそサルシカ隊が出動するときではないか!!
なんたってサルシカ隊には巨大な秘密基地をつくりあげた工作部が存在するのである。

「よーし、サルシカ隊、出動だああ!!!」

こうして、サルシカは美里の劇場「ベルヴィル」の工事を手伝うことになったのだ。

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11月2日。
三重県津市美里町三郷の新劇場「ベルヴィル」にサルシカ隊と協力メンバーが結集した。
第七劇場の劇団員を含めておよそ20名が、大突貫工事を行うのだ。

この日、サルシカは秘密基地で地域のコミュニティ・カフェ「やまびこカフェ」の開催日で、朝からコーヒーやらパンやらサラダの準備に追われていた。
なので午後1時から工事スタートとなった。

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この日の作業は大きくわけて3つあった。
ひとつが客席周辺の壁のペンキ塗り。
まさに壁を黒く塗れ、なのだ。

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いつもは指揮というか現場監督をつとめるワタクシも、今日ばかりは労働者として働くのだ。
はしごに乗り、ペンキをぬりぬり!!
ここのチームは大工仕事はあまり得意ではないが、几帳面な性格の人が選ばれた。
むろんワタクシも自分の性格を几帳面と判断し、ここに自ら任命した(笑)。

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2つめは舞台の床工事チーム。
ここが壊れたりすると、役者さんが怪我をするので、それこそ腕が必要なのだ。
大工の坂下さんを筆頭に、副隊長のキヨちゃん、割烹やまきのやまちゃん、みつやのお父ちゃんと、サルシカの秘密基地をつくりあげた切り札を投入!!

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すさまじいスピードで床を仕上げていく。
これがサルシカの底力である。

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最後の3班は、外で廃材運びである。
山積みになった廃材を片付け、駐車場を確保するのだ。
ここのチームには、日曜大工的スキルがあるわけではなく、かつ几帳面な性格を持ち合わせておらず、力だけある男たちがあてがわれた(ウソです。ごめん、笑)

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「ふんがーッ!!」

必要以上に声を出して廃材を運ぶ面々(笑)。
しかも働いているように写真を撮ってくれ、との要望つき。
はいはい大丈夫、1番働いているように見えるよ。

s283-10写真右/第七劇場の鳴海さん

作業開始から1時間。
すべてのチームの作業は順調に進んでいた。
が、ここで雨。
しかも大雨。
外で廃材を運んでいたチームが「ひええええ」と言いながら屋内に入ってくる。

「ああああ、残念だなあ、もっと働きたいのにこの雨じゃ無理だなあ」
「ああ、残念残念!」

と、いかにも嬉しそうにお茶を飲んだりしているのだ。

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が、秘密基地を2年にわたってつくってきたサルシカである。
こういうときこそワタクシの出番なのである。
すぐさま外チームをステージの壁づくりへとミッション変更!
残った面々を客席黒塗りチームへ振り分ける。

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そして・・・。
終了予定時刻の午後4時。
用意されていた材料をすべて使い切り、床工事を終えた。
この上にさらに合板を貼るのであるが、まあ練習はできるようにはなった。

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客席周辺の完全に真っ黒になった。
一点の塗り残しもない。
まさに几帳面な仕事である(笑)。

雨があがっていたため、休む間もなく、外の廃材を全員で片付けた。

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そして最後の仕上げ。
外壁の看板づくり・・・・。
とりあえず、倉庫から劇場へとなったのである!

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そのあと、近くの古民家ヒビコレに全員で移動し、第七劇場の若き女性劇団員とヒビコレ女将チームがつくってくれた鍋とおにぎりでおつかれさん会!!
まさに地域でつくる劇場なのである。

この夜。
まだ完成していないベルヴィルで、「シンデレラ」の稽古がはじまった。
このあと、第七劇場のみなさんによって劇場は仕上げられ、そして「シンデレラ」も形になっていくのであろう。

果たしてこの11月23日からの公演で、どんなお芝居が観られるのか。
どんな劇場が姿を現すのか。
ぜひみなさんも実際に目の当たりにしてもらいたい。

小さな山あいの里に劇場が出来る。
豊かな自然に囲まれ、気持ちいい人たちが暮らす里に、文化の花が開くのだ。

美里が大きく変わる・・・に違いない。