掘って掘って掘っておいしく食べる。
秋深まり、今年もこの季節がやってきたのである。
自然薯。
しかも本当に自然のまま、山に野生で生えている「自然薯」。
ええい、ややこしい!(笑)
栽培している自然薯は、どうか名前を「不自然薯」に変えてもらいたい。
偽装っぽくてイカン。
さて。
今回は、なんと自然薯を掘る研修なのである。
サルシカは農業支援を目的とした研修生を育成していると報告してきた。
が、里山で生活していく上で必要なのは野菜や米を育てることだけではない。
山へ入って山菜などの自然のめぐみをいただく。
それを調理する。
そういうことが自然とできて、若い世代のひとに伝えていける人材になってもらわねばならぬのだ。
で、今回はふたりのおっちゃん研修生、上出さん、中谷さん。
先生は、割烹やまきのやまちゃん!!
そして里山案内人として、西川のお父ちゃんに参加してもらった。
そう。
隊長であるワタクシは参加していない。
自然薯が食べたいからもちろん行く気まんまんだったのだが、数日前から鼻血がちょくちょく出て、出るとなかなか止まらず、下を向いて穴を掘ったりしたら、間違いなく鼻血だらだらになるので、残念ながら辞退したのであった。
やまちゃんによる自然薯掘り講習がはじまった。
「まず自然薯のツルを探して山に入ります。
ヤブをかきわけ、がんがん入る。
はい、みんな来て!」
やまちゃんはまるでイノシシのように坂道をのぼる。
足にキャタピラが付いているかのようだ。
自然薯のツル。
それは葉っぱで見分けることができる。
冒頭の写真に写っている、細いハートマークのような葉がそうだ。
「なるべく太いツルを見つけること!
だいたいツルが太いとイモも大きいな。
たまに裏切られることもあるけど」
「で、イモを見つけたら、掘る!
掘る掘る掘る!!」
なるべく斜面を掘るのが楽ちんという。
確かに掘る面積が減るもんね。
「どんどん掘る!
イモを折らないように注意しながらどんどんどんどん!!」
「はい、掘れた〜」
講習は以上(笑)。
つまりイモの葉、ツルを見つけるのが問題で、あとはひたすら掘るだけなのである。
このあと、ふたりの研修生は自分で自然薯のツルを見つけ、ひたすら掘った。
案内人の西川さんも掘った。
この日掘った自然薯は、やまちゃん2本、西川さん2本、研修生1本ずつの計6本であった。
後日。
やまちゃんに自然薯料理の講習を受けて、みんなで試食をすることに。
まずは自然薯をする。
するするする。
とかく自然薯はひたすら系なのだ。
根気がいるのである。
この自然薯の粘りをみよ!!
すり鉢を持ち上げそうな勢いである。
そして、試食という名の宴会(笑)。
ま、がんばったご褒美である。
用意したのは、
とろろごはん
自然薯の磯辺揚げ
自然薯団子の吸いもの
そして、サルシカ畑で収穫した水菜のサラダである。
まさに自然のめぐみをそのままいただく宴である。
なんと贅沢なことか!!!
このおいしさをどう伝えたらいいのか。
ワタクシにはその能力がない。
土の香りの向こうにある滋味。
粘りと共にくる濃厚なうまみ。
栽培した自然薯では絶対に得られない味わいだ。
それからまた数日後。
今度は割烹やまきで、スペシャルな自然薯料理をいただいた。
自然薯のお刺身。
すりおろした自然薯を水に浮かべただけのものだが、これは粘りの強い本物の自然薯だからこそできる技である。
そして山の滋味をそのまま味わうことができる。
やまちゃん、ありがとうございました。
そしてごちそうさま。
今度は研修じゃなくて遊びで掘りにいきましょ(笑)。