写真/写真師マツバラ(松原豊) テキスト/ケロリン桶太郎&隊長
さあ、いよいよ銭湯だ!!
冷えきった身体を湯船に浸してプヒ〜するのだ、ワハハハ!
と服を脱ごうとすると、上出ディレクターが眉をひそめ、いかにも深刻そうな顔をして隊長のワタクシを見るのである。
「ダメだよ、カメラが動かない。メモリーがいっぱいだって言ってる」
「そんなバカなあ、そんなにデータ入ってないよ」
「だってダメなんだもん」
この58歳になるおっさんは、時折子どもみたいな口調になる。
「ダメなんだもん」ってのは、若い女性が言えば可愛いし、若いやつなら、どれ助けてやろうかと思うが、おっさんに甘えられても困るのである。
結局、雨の中、近くのコンビニをめぐり、メモリーカードを購入。
どんどん風呂は遠ざかる。
しかもカメラにカードを入れてみるとエラー。
そもそもカメラのトラブルであったのだ。
コンチクショー!!!
それでも1時間後。
なんとかカメラが復活。
取材はようやく続行となったのであった。
さて、ここから書き手をケロリンにバトンタッチ!!!
桑名に残るたった一軒の銭湯が「七里のわたしゆ」さんです。
私が銭湯通いを始めた2003年頃には、ほかに二見湯、松竹湯がありましたがいつのまにか最後の一軒に。
こちらは時代とともに屋号を変えて今にいたっています。
創業時は揖斐川堤にあった桜並木から桜湯、河川の改修で今の場所に移ったときに地域の名称から住吉湯、そして平成11年に全面ボイラー化やフロント化など現在の姿に改修したときに七里のわたしゆに。
「わたしゆ」にしたのは占い師からのアドバイスだそうですが、なんとなく角が取れていい感じです。
※ご主人にお話をうかがう
※当時の写真がロビーに飾られています。大正時代の銭湯の姿は必見です!
お邪魔したのは12月にしては底冷えする雨の日。
それでも15分前には自転車や手押し車を押したおじいさん、おばあさんがたくさんやってきます。
午後3時半、のれんが出て営業開始です。
この時間帯はほとんどが常連さん。回数券で利用する方がほとんど。お金の受け渡しもなく回数券を置いて脱衣所へ消えていきます。
奥ゆきのある風呂場には壁にそって洗い場が並び、そこにからだを洗う人の列ができます。
我々一行も着替えを終え軽く体を洗って湯に入ります。
いつもと同じ湯温のはずなのにこんな寒い日は足先が熱さでジリジリします。
みんなヒイとかンググと言葉にならない言葉を発しながら我慢して湯にからだをしずめます。
やがて雨で冷えたからだに42℃の湯が染みわたりなんとも言えない気持ち良さがからだを覆います。
これぞ日本の冬、日本の銭湯なのです!
銭湯に来ると“久しぶりやわ~”といつも言っている写真師マツバラ。
彼は家で風呂に入らないのでしょうか。
この日も2日ぶりの風呂だとか。
※パンツ一丁でビデオ撮影中の上出ディレクター
特注品の褌を披露する初参戦の中谷おとうちゃんは石鹸を使わない入浴法を実践しているそうです。
こちらも初参戦の上出さん、なんと中谷さんと同じで石鹸は使わないそうです。
サルシカで農業実習生をしている二人。
しかもトレーラーハウスにシャワーが設置されるまでお風呂に入れなかった二人。
今年の夏は仕事が忙しくお手伝いに行けなかった自分で良かった~(笑)
しっかり洗ってじっくり浸かった我々おじさん五人組。
次に待ち受ける幸せな瞬間が待ち遠しくって仕方がありません。
ただ一人を除いて。
実は、七里のわたしゆにはロビーにビールサーバーが設置されていて湯上りに生ビールが飲めるのです。
こんな銭湯、三重県中探してもココだけです。
美味しい注ぎ方の講習会を受講したご主人の堀田勝弘さん自らが注いでくれるビール。
おつまみのサービスもあり堪らない空間なのです。
駐車場もたっぷりあってビールも飲める(飲酒運転はダメですよ)、夏場には揖斐川からの川風が心地よい、そんな七里のわたしゆへぜひお出かけくださいね!
さあ、銭湯で温まったら桑名の町をぶらり歩き。
次回は、ゲンキな商店街、寺町通り商店街を歩きます!!