「中谷さんのおうちをつくろう!①〜木を伐り出す〜」第298回サルシカ隊がいく

投稿日: 2015年04月14日(火)06:14

s298-01

もうさすがにサルシカ秘密基地の工事はない。
少なくとも、しばらくは。

2年に渡り、のべ200人の隊員が汗水たらしてつくりあげた大人の秘密基地
いま、地域のコミュニティカフェとして、サルシカ菜食カフェとして、そしてさまざまなイベントの会場として有効に活用されている。
つくる、というレベルから、つかう、というレベルにアップしたわけだ。
非常に素晴らしいことである。

が、何かが物足りない。
なんか寂しい。

雨の中、泥まみれになって枕木を運んだあの日が無性になつかしい。
雪の中、かじかむ手をハーハーしながら釘を打ったあの日がただひたすらなつかしい。

もう一度戻りたい。
あの青春の日々へ。
あの戦いの中へ・・・。

正直に言おう。
サルシカ隊の、秘密基地建造計画に関わった、特においちゃんたちは、完全に秘密基地の工事ロス症候群なのである(笑)。

特に。
この人は激しい症候群に襲われていた。

s298-05

中谷のとうちゃん、56歳。
愛知県出身。
が、秘密基地を愛し、秘密基地のある三重県津市美里町へ移住した男。

「オレもうダメ! 我慢できない! なんか作んないとモヤモヤしてお酒のんで暴れちゃう!! あああああああああああ!!」

ま、結局そういって酒を飲んで暴れているのである。
とはいっても、もうつくるべきものは全部つくっちゃって、本当になにもないのだ。
ヤギさんたちの家だって必要以上に立派なものをつくっちゃったし、ウッドデッキに防寒用の壁をつくってカキ小屋みたいにしてしまった。
もうないったらないのだ。

「じゃ、いい。隊長がやってくんないなら自分でやる。オレ、自分の家をつくるから! 基地のすぐそばに!!」

またメチャクチャなことを言い出す親父なのだ。

s298-15

しかも、家をつくると言い出した土地は、隊長であるワタクシの個人所有のところなのだ。
まあ何も使っていないし、使う予定もないから別にいいんだけれど、本当にここに家をつくるのか!?

ここは我が家から小川をはさんだ向こう側にある土地で、実は小さな木製の橋を渡って草刈りなどをしていたところだ。
が、昨年(2014年)の夏の台風でその橋が流されてしまい、いまやまさに陸の孤島状態なのだ。
まずは橋をかけるところからスタートしなくてはならないのである。

が、田舎というのは恐ろしい。

「家をつくりたい〜! だからここに橋をかけたい〜!!」

と、誰にともなく叫んでいると、

「ほんなら、かけたらええやないかぁ。丸太はうちの山から伐り出したらええ。オラはこれまでに何十と橋をかけてきたで、いっしょにつくったるぞ〜」

という人が出てくるのである。
しかも材料まで提供してくれるという。

そんなこんだで、中谷さんのおうちをつくろう計画はなし崩し的にスタートしてしまったのである。

s298-02

4月上旬のある日。
中谷の父ちゃんは、サルシカ秘密基地の近くの山にいた。
すでに数日前、橋をかけたるぞ〜と言ってくれたIさんと数本の杉の木を切り倒していた。
きょうはその木を基地へ運び出すのだ。

s298-06

そこにIさんが見たこともないマシーンに乗って登場!
林業家でもないのになぜこんな機械を持っているのであろうか?
聞いてみると、「いらんという奴がおったから安う買うた」という(笑)。

s298-07

しかし、この機械の絶大であった。
巨大ウィンチがついていて、山に転がっている丸太にワイアを巻くと、あとはズリズリと力技で引きずりあげる。
なんとも頼もしいのである。

s298-09

この時期の杉はたっぷり水を吸い上げていて、めちゃくちゃ重い。
そんなに太くないのにひとりだと全然持ち上げられない。
それがズリズリ(笑)。

s298-04

杉の木は6mに切りそろえた。
それにしてもIさんの動きは早い。
山の中を走る。
とても70歳台とは思えない。

s298-10

あっという間に5本の丸太を林道に引き上げた。
ここからどうやって軽トラに積み込むのかと思っていたら、近くの木の上の方に滑車を取り付け、5本の丸太をひとくくりにして持ち上げる。
そしてウィンチを絞りながら、マシーンを丸太の下に潜り込ませるのである。

s298-11

なんと!
5本の丸太は、そのウインチマシーンにすっぽりと収まってしまったのである。
なんというテクニック!
なんというすばらしい機械!!
ワタクシは思わず拍手してしまった(笑)。

s298-12

そのウィンチマシーンは自走式なので、そのまま丸太を積んで移動できてしまうのである。
軽トラに積み替える必要などなかったのだ。

「早うその軽トラどけよ〜、邪魔や〜」

Iさんは秘密基地へと向かうのである。

s298-13

集落の中を丸太が走る(笑)。
ドドドドドとすごい音をさせながら、果てしなくゆっくりと。

s298-14

こうして、中谷さんの家をつくる最初のステップとして、橋をかけるための丸太の運び出しが終わった。
このあと丸太の皮を剥き、川にかけるのである。

中谷の父ちゃんの家をつくる工事は、4月25日(土)26日(日)に開催される。
それまでに橋を完成させなくてはならないのである。
雨がつづくこの4月。
果たして工事イベントまでに橋はかかるのか。

不安いっぱいではあるものの、もうすでに工事イベントの参加者を募集中なのだ。
秘密基地建造計画のあの熱いトキメキよ、もう一度!
初めての人もぜひ体験あれ!!

参加希望者は、以下のFacebookイベントページ、もしくはメールフォームから申し込みを。
サルシカでも詳細の告知をまもなく掲載いたします!!!

Facebookイベントページ
サルシカメールフォーム