写真/松原 豊(写真師マツバラ) 文/ケロリン桶太郎&サルシカ隊長
松阪の銭湯「ひょうたん湯」さんに入るべく、松阪駅前からスタートしたわれわれサルシカ銭湯企画部。
が、いきなりホルモン焼きでビールを飲んでしまい、そのあと天輪焼、コロッケと、つまみぐいばかり。
目的地のひとつに定めていた御城番屋敷にようやく到着したが、そこで思わぬ事態が・・・!!
「じゃあ、そこにみんな並んで〜、写真を撮るからね〜、あれ? ひとり足んないよ!!!」
写真師マツバラは慌ててファインダーから離し、改めて肉眼でわれわれを見る。
そんな馬鹿な・・・と思いつつ、みんなの顔をそれぞれ見ると、あ、56歳の研修生、中谷の父ちゃんがいない!!!
よく考えてみたら、丸中本店でコロッケを食べたとき、すでに姿がなかったのだ。
慌てて父ちゃんの携帯に電話をすると、まさに寝起きの声なのに、それをさとられまいと妙に快活な声で、
「あ〜、ごめんごめん〜、ちょっと酔っ払っちゃってさあ」
「どっかで寝てたね!」
「あはははは、気持ちいいから公園のベンチでちょっと寝てた・・・」
まったく、もう!!
これは取材なのである。
しかもビデオも回っているのである。
さっきまでいた人が途中でいなくなったらつながらないではないか!!!
ただちに合流するように命令する。
やはり最初からホルモンとビールに行ってしまったのがイケナイのだ。
それを許してしまったうえに、自分も喜んでのんでしまったワタクシの責任である。
が、強くもないのにビールを2杯も飲んだ父ちゃんはもっと悪い。
「走ってこい!!」
ワタクシは冷徹に56歳に命令した(笑)。
さて、御城番屋敷である。
槙垣と石畳。
ここは江戸末期、紀州藩士が松坂城警護のため移り住んだ武家屋敷なのである。
このような組屋敷は全国でも珍しいのだという。
しかし、もっと珍しいことは、今もこの屋敷の大半に人が暮らしていて、日々の暮らしが営まれていることである。
御城番屋敷(ゴジョウバンヤシキ)
松阪市殿町1385番地
TEL:0598-26-5174
※西棟北端の一軒は内部を公開しています。
ここで中谷の父ちゃん、ようやく合流。
わざとらしく息をハアハアさせて現れるところがムカつく(笑)。
さて、メンバーも揃ったし、松阪城へまいろう!!
松阪城は季節になると桜がキレイ。
でもこの時は咲いていなかったので、松阪の町を一望しておしまい。
と、そこに第1回からサルシカ銭湯企画に参加している主要メンバーのイワワッキーが現れる。
これから銭湯にいくのになぜかスーツである。
そもそもこの男は、最初はうどん屋の息子として企画に参加していたのに、途中で選挙に出て市議会議員とかいうものになってしまったのである。
そして忙しくなってなかなか銭湯企画に参加できなくなった不届き者である。
ま、これで本当にメンバーは揃った。
スーツ男がやたら目立つが、まあ仕方ない。
ネクタイのまま、いよいよ銭湯に向かうのだ。
あの、松阪牛の有名店「和田金」さんの前を通る。
はい、通り過ぎるだけ。
サルシカはお金がないのでこういうところには行けない。
行きたいけど無理(笑)。
だから早足で通り過ぎる!
そして和田金さんから歩いてすぐ!
中華そばで有名な不二屋さんのとなりに、本日の銭湯「ひょうたん湯」さんはあった!
銭湯に到着すると、ちょうどお店のお父さんが自動販売機にジュースを補充しているところであった。
さっそくご挨拶させていただく。
そして、一番気になっていたことを聞く。
なぜ名前が「ひょうたん湯」なのか。
別に湯船がひょうたんのカタチをしているわけでもないし、地名でもない。
なぜなぜなぜ?
が、お父さんは笑って言うのだ。
「私は知らんのですよ、4代目なんですけどねぇ・・・」
ご主人が知らん。
ってことは誰も知らんということだ(笑)。
まずは釜場を見せていただく。
狭い場所にぎっしりと建築廃材が積まれている。
これで湯を沸かしているのだ。
さあ、風呂に入ろうか、と思ったら、一番湯なのでお客さんがいっぱいすぎてさすがに撮影ができない。
1時間ほど待ってくれたらたぶん一度お客さんが減るはずだから、というわけで、少し歩いたところにあるカフェでしばし時間を潰すことにした。
1時間ほど経過。
が、みんなでぞろぞろ移動して、まだお客さんがいたら、またぞろぞろここに戻ることになる。
ならば、ひとり犠牲者を決めて、飛脚のごとく走らせ、ひょうたん湯の状況を確認し、携帯で他のみんなを呼び出せばよいではないか、ということになった。
で、その犠牲者を決めるためにジャンケン。
負けたのは、ワタクシ・・・。
隊長のワタクシ。
いつもいつも、なぜかこういう企画のときはワタクシが負けるのだ。
写真師をともなって、ひょうたん湯へ。
もちろんぶちぶち言いながら。
ひょうたん湯の前にずらりと並んでいた自転車が消えていた。
チャンス!!
いよいよ、銭湯に入るのだ。
次回だけど(笑)。