「中谷さんのおうちをつくろう!⑥〜奇跡の復活なるか!?〜」第306回サルシカ隊がいく

投稿日: 2015年05月05日(火)09:52

401
写真/やまぴー&鼻谷くん  テキスト/サルシカ隊長

中谷ハウスの建築工事1日目。
まもなく5時を迎えようとしていたころ、そのトラブルは発覚した。

側面の壁に防水シートを貼り忘れたまま半分以上も壁板を貼り付けてしまったのだ。
その衝撃ははかりしれず、みんなガックシと肩を落とした。
その見事な瞬間をとらえた上の写真はピューリッツァー賞ものであろう(笑)。

ここまで何のトラブルもなく、順調すぎるほど順調であった。
積み重なった自信と余裕が、ガラガラと音をたてて崩れたのである。

402

1時間近くかけてこつこつと貼ってきた壁板である。
やり直すなんて嫌だ(笑)。
で、みんなで壁ごとべりべりと全部取れないかとやってみる。
あそこを叩け、ここを叩け、そして引っ張れと、これまで以上に力を合わせてがんばる。
他の作業はすべて止まっていた。

結局、ここまで順調にきた工事は一気に遅れることとなった。

403

5時を過ぎ陽が傾きはじめたころ、ようやく一体化した壁板がフレームから外れた。
と同時に、われわれメンバーのタガも外れ、そのあたりに座り込んでしまった。

「もう今日はここまで・・・」

誰からともなくそんな声が聞こえた。
こんな失意のまま初日の工事を終えたのである。

404

それでも宴会と乾杯をするのがサルシカ隊である。

「きょうはお疲れさまでした! カンパーイ!」

と、秘密基地のウッドデッキでやってみるが、どうも盛り上がらない。
どんよりしている。

「明日は工事班長の中谷の父ちゃんは禁酒だな」

誰かの声にみんながうなずいた。

「イヤだ〜、やめて〜、ビールの楽しみがないと工事ができない〜」

と、中谷の父ちゃんははしゃいでみせるが、誰も反応しない。

「じゃ、いい! そのぶん今晩飲んでやる!!」

中谷の父ちゃんはいつも以上のピッチでビールをあおった。

405

で、いつも以上の早さで撃沈。
しかし夢の中でも悪夢にうなされていたに違いない(笑)。

408

工事2日目の朝を迎えた。
サルシカのおじさんたちの朝は早い。
特に早く撃沈した中谷の父ちゃんは早い。
が、朝からゲンキがいいわけではない。

409

昨夜のアルコールでどんよりと重い頭をふらふらとさせつつ朝食。
会話もはずまない。

目を合わすと、「あ」とか「う」と、うめくように声をだすだけである。

昨年の秘密基地防寒工事で、朝からラジオ体操をやって盛り上がったので、「ラジオ体操やろうか!」と言ってみたが、誰も反応しない。
隊長であるワタクシの方を見ようともしない。

410

この日の朝ごはんは、たまごかけごはんと具だくさん味噌汁。
たまごは、ふぁんきー農園の平くんのところから譲ってもらった放し飼いの鶏のもの。
味が濃厚でうまい。

411

うまいものを食ったら、ようやくみんなゲンキになってきた(笑)。

それにしても。
昔は茶碗もお椀もなく、朝ごはんなんてコンビニのおにぎり山盛りとかであったが、秘密基地にも食器が充実してきたし、カフェとして営業もしているのでごはんだって簡単に炊けちゃうのだ。
しかもサルシカ米もある。
なんとも成長したものであるなあ、と、しみじみ思う。

412

8時を過ぎた頃、きょうカメラマンをしてくれる「やまぴー」、そしていつも食事関係のヘルプをしてくれる寿実ちゃんがやってくる。
きのうのトラブルと疲れを知らないメンバーの新鮮な表情が、残留組にゲンキをあたえてくれる(笑)。

413

続いて、秘密基地工事の功労賞コンビ、割烹やまきのやまちゃんと三津谷のお父ちゃんが、やたらゲンキに現場にやってくる。

「さあ、やろうよ〜、さっさとはじめようよ〜」

この2人にはどれだけ助けられたことか。
やまちゃんの明るさ、そして三津谷さんの精密さが、秘密基地を完成させたと言っても過言ではないのだ。

「よーし、やるかあ!!!」

みんな気持ちを奮い立たせて橋を渡った。
やるのだ。
きょう、きのうの遅れも取り戻し、計画通りのところまでつくり上げるのだ!!

414

そんなところへ、遅れて、大工のT橋がやってきた。
サルシカ秘密基地を設計し、工事を主導した棟梁である。

「遅いぞ〜、T橋〜!」
「重役出勤か〜!」
「なーにヘラヘラ笑っとるんじゃ〜!!」

みんなボロかすに言いながらも笑顔の大歓迎である。
エンジンに火が着いた。

415

「お昼にビールは飲んじゃうけど、もう僕は失敗しましぇん!!!」

中谷の父ちゃんは図面と段取りを確認し、みんなに指示を次々に出していく。

416

ががががが!!
どどどどど!!

みんなが真剣勝負モードに入った。
気持ちがひとつになったとき、発揮する力は強力だ。

やるのだ。
やりきるのだ。

おじさんたちの目に炎が宿った。

次回、
サルシカ隊の驚愕のパワーを目の当たりにする!!!