「飛び込め!青春!泥沼の戦い!」第312回サルシカ隊がいく

投稿日: 2015年05月15日(金)09:48

s312-01写真/稲垣博文  テキスト/サルシカ隊長

なぜだろう?
サルシカの企画は、いつもすぐさま本題に入らない。
すぐさま脱線する。

銭湯企画なのになかなかお風呂に入らない。
田植えイベントなのにいつまで経っても田植えをしない(笑)。

これは書いている隊長のワタクシの責任ではない。
実際にそうなのだ(笑)

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今回の田植えイベントも、まずは泥んこ遊び(笑)。
田植えをするまえにもうすでに泥まみれなのだ。

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唯一ものごとをちゃんと進める副隊長のキヨちゃんが、苗を植えるラインを引きながら、

「まったくもう! 早くせんと植え終わらへんで。オレ夕方から台湾にいくんやで、終わらんでもしらんで」

と、文句を言いながら作業を続ける。

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しかも。
いつもは先頭を切って遊び、モノゴトの進行と人の調和を乱す中谷の父ちゃんまでもが、

「なにやってるんだか、まったく・・・。はいはい、遊んでないで植えるよ、はい、並んで」

などと殊勝な姿勢なのだ。
たぶん、このあいだの「中谷のとうちゃんの家をつくろう」企画で大失敗をやらかし、夜の宴会で笑われまくった後遺症であろう(笑)。
ここで名誉挽回しようとしているに違いない。

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そんなわけで、手植えによる田植えがはじまった。
ラインを縦横に引き、まっすぐ、かつ均等に、みんなで苗を植えていく。

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「はい次いこう、はい!!」

中谷の父ちゃん(写真奥)と西川の父ちゃん(写真手前)が横のラインを一段ずつずらしていく。
それに合わせて一列に並んだ参加者が苗を植える。
みんな、ほぼ初めての体験なのに、思っていた以上にうまく進む。

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真ん中あたりからもう1班、同じように田植えをはじめる。
副隊長キヨちゃんと、1ヶ月ほどまえに入隊したヴァナゴン森田がラインを動かし、参加者が植えていく。

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のんびりと、でもそれなりにテキパキと田植え作業は進む。
腰がすぐ痛くなって大変だけれど、これはやはり日本人の魂をゆさぶる現体験的作業なのだ。

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半分ほど終えたところで休憩。
水分を補給し、みんなで背筋を伸ばして天をあおぐ。

さて、もうひとんばりいくか。
でもそのまえに。
やはり盛り上がりが必要ではないか(笑)。
どかーんと一発やっておこうじゃないか、ということになった。

「オレといっしょに田んぼに飛び込むヤツはいるか?」

隊長のワタクシはみんなの顔を見渡しつついった。

「ドボンといったろうという勇気のあるものはいないか?
 オレといっしょに飛ぼう!」

最近、サルシカ隊の面々は成長したのだ。
ここで「なんで?」と聞くものはいない。
すべては笑いのため。
ただただ場を盛り上げるためだけということを知ったのだ。

「オレ飛びます」

一歩まえに出たのは、iPhoneのアプリをつくったり、もろもろのIT系の仕事をしている隊員No.490松本祐輔であった。

「じゃあ、オレも」

某町役場勤務の隊員No.464久保も動いた。

「じゃあ、私も飛んどきますか」

某県庁勤務の隊員No.349太田が立ち上がった。

果敢に危険に飛び込む男たち。
男の中の男。

男は、濡れるとわかっていても、汚れると知っていても、飛び込まねばならぬ時があるのだ。

なのに。
さっきワタクシに突き倒され、半身泥まみれになった第七小菅がよそ見をしたままなのである。
私と決して目を合わせようとしない。

なので言葉もかけないまま腕をつかんで強引にアゼに立たせた。
ついでに新入隊員のジャガー大西の中学生の息子も、有無を言わせずアゼに立たせた(笑)。

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そして飛んだ!

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足から飛びおりるぞ、といっていたのに、頭から飛び込んでいる奴がいる。
IT松本だ。
普段はクールなのに、一体なにが彼のハートに火をつけたのか(笑)。

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第七小菅はケツから着地し、田んぼの泥の中で青空を見上げた。
「頭が冷たい」と言った。
そして、すぐ横にあまり汚れず笑っている隊長のワタクシを見つけ、「あああああああああああ」と獣のように吠えてワタクシをドロの中へと引きずり込んだ。

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そこからはもうメチャクチャであった。
泥まみれの男たちの姿を見て笑っていた「ちかっち」は誰かに押されて田んぼに落ちた。
そして、某町役場勤務の久保によりかかった。
その瞬間、条件反射的に久保は大外刈をかけて若い女性を田んぼの中に突き落とす。

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「なんで〜!!!!」

悲鳴のような声をあげるちかっちに、某町役場勤務の久保は、

「あああ、ごめん! 柔道部だったんで思わず投げちゃった!」

と、わけのわからぬ言い訳をする(笑)

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そして、この男女まみれての泥仕合は、果てしなく続いた。
もはやみんなの論理的思考回路は完全に崩壊していた。

泥にまみれている者も、アゼで腹を抱えている者も、とにかく笑っていた。
田植えとはこんなに楽しく笑えるものであったのだ。

というわけで、次回に続く。