「サルシカ田んぼ、鹿に侵入される!」第319回サルシカ隊がいく

投稿日: 2015年05月27日(水)09:30

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朝、田んぼの見回りに行っていた農業研修生の中谷の父ちゃんから連絡が入った。

「鹿、侵入! サルシカ第1田んぼに鹿、侵入!!」

なんてことだ。
電柵も張りなおして通電もしてあったというのに!
田植えをして3週間。
ようやく苗が根を張りはじめたところだというに!!

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これが中谷の父ちゃんから送られてきた犯行現場写真。
お、お、おのれ・・・!!

何はともあれ、サルシカ隊、緊急出動となった!!

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「隊長、ここです!
 ヤツらはここをこちらに向かって歩いたと思われます!」

農業研修生中谷はにわかデカになって現場検証をはじめる。

「うーむ、なるほど。
 この足あとからみて複数犯の可能性が高いな」

にわかデカ長になった隊長のワタクシは、なぜか目を細めて話す(笑)。

こんな風に書くとまったく緊張感がないが、事態は深刻なのである。

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田んぼにはたくさんの足跡があった。
あっちへいったり、こっちへいったり。
苗をかじられていないのがせめての救いであった。

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のり面にもたくさんの犯人のあしあとが。

サルシカ田んぼは、そのすべてが金網と電柵で覆われている。
どこからか侵入した鹿たちは、今度は出口が見つからず、金網に沿って右往左往し、のり面も登ったり降りたりしたらしい。

が、今ひとつ、犯人の動き、そして動機が見つからない。

「鑑識を呼べ」

ワタクシは中谷刑事に命令した。

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シルバーの軽トラが急ブレーキで止まり、ある男がさっそうと降りてきた。
鑑識の吉川。
サルシカ副隊長であり、農業部門のリーダーであるキヨちゃんである。

「現場は?」

「こちらです!!」

中谷デカのあとに続いて、鑑識の吉川はアゼをいく。

「ホシは2、3頭。
 たくさんいるように見えるが、これは行ったり来たりしてるからだな」

そして最上部ののり面の一角を見て鑑識の吉川は言った。

「侵入現場はあそこだ!」

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サルシカ田んぼのすぐ上にある林道の入口。
そこが侵入現場であった。
ここは山の所有者の方々がしょっちゅう出入りする。
いつもは網で覆ってしっかりとガードしてあるのだが、その片隅が空いたままになっていた。

そこから鹿たちは侵入した。
そしてすぐ横の電柵を越え、田んぼに入ったのだ。

たぶんそれは明け方のことだったのであろう。
電柵の通電は夜のみの設定であった。

「今後は見回りの際にここの網がしっかりガードされているかチェックすること。
 あと電柵の通電を24時間にすること。
 これでしばらく様子をみよう!」

農業部門のリーダーとしてキヨちゃんが言った。

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いま、われわれサルシカ隊が活動する三重県津市美里町では、獣害が相次いでいる。
サルシカ畑のすぐそばでも、トマト畑が鹿にやられて全滅という報告が入っている。

この4月からスタートしたサルシカ第2畑も網で覆ってガード。

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5月にみんなで手植えしたサルシカ第2田んぼもネットでガード。
いま、里山で農業をやるには、こんな手間と費用がかかるのである。
耕作放棄地が増えて当然である。

現実を見つけつつ、われわれは光明をもとめて作業を続けたい。