写真/写真師マツバラ(松原豊) テキスト/サルシカ隊長(奥田裕久)
この日の朝、電車で賢島へ入ったところからスタートした、志摩を定期船でめぐる旅。
賢島から間崎島へと渡り、そこから英虞湾の反対側の和具へ。
和具から前島半島の先っぽの御座までバスで移動し、御座から再び定期船で浜島へ。
英虞湾をいったりきたり。
まさに志摩をめぐる旅をしてきたのである。
さて、浜島に到着したところからの続きである。
浜島の定期船のりばを出ると、そこに海ほおずきとという磯体験ができる施設がある。
そこへ入っていくと、なんとガメラの子どもがででんと鎮座していたのだ。
2006年4月29日に公開された映画「小さき勇者たち〜ガメラ〜」で使用されたもので、ここに保管されているのだという。
いったい何かと思ったよ、ホントに(笑)。
午後2時を過ぎて、どんどん陽射しは強くなる。
梅雨はどこへいったのかというぐらいの晴天。
暑くてヘロヘロ。
海ほおずきのすぐそばにあった城山酒店でソフトクリームの看板を発見!
店を覗いてみると、なんとソフトクリームもかき氷も100円!
で、ここで一息つく(笑)。
そしていよいよ浜島の街めぐり。
細い路地をどんどん入っていく。
銭湯研究家のケロリンは、銭湯のあるところならどこへでもいく。
三重県は北から南まで。
三重だけでは飽きたらず、北海道にも九州にもいく。
銭湯を追い求めて町を歩き回るから、「なんでこんなとこ知ってんの?」という道まで知っている。
そう、浜島には銭湯があるのだ。
いや、正確にはあったのだ。
浜島の商店街にひっそりとあった松波湯。
もう今は営業していない。
ケロリンはここを2004年に訪ね、湯船に浸かっている。
「もうその時でご主人はかなりの高齢だったから、もう亡くなっちゃったのかなあ・・・」
営業している時の様子はケロリンの「いこに!三重県の銭湯」で見ることができる。
>>ありし日の松波湯http://www.mie-sento.com/list_file/mie/hamajima_matsunamiyu.htm
当時のケロリンのレポートにはこうある。
外観
外壁は淡いピンク色に塗られています。裏側にまわると釜場がありますが角が丸くなったレンガ積みの壁が歴史を感じさせてくれます。
内部
とてもきれいに整頓された脱衣所ですが男女でロッカーの形が違います。また戦時中には空襲に逢い屋根を突き抜けた弾跡がロッカー内部に残っていると教えてくれました。
風呂場
この年では木で沸かすのはえらいわ、とのことで湯沸かしはボイラーに頼っているとのことです。
~入浴記~
再訪当日の3月16日はよく晴れてとてもあたたかい日でした。
午後6時、大正13年創業と染め抜かれた暖簾をくぐるとすでにお年寄りが5人ほどいらっしゃいました。
明りがともった浴槽はとてもきれいに改装されていて古さを全く感じさせてくれません。
お湯は循環とのことですが少ししょっぱい味のする温泉でした。
そうか。
銭湯とあるけれど、実際は温泉だったのか・・・。
またケロリンが遠くを見ている。
今回の志摩の銭湯企画は楽しくもあり、切ない旅であったのだ。
再び浜島の商店街を歩く。
実は、ここにはもうひとつ銭湯があったのだ。
結構最近まで営業していたらしいが、ついに廃業したらしい。
善代湯。
まだまだ建物が新しい。
営業してると言ってもおかしくない状態である。
裏の駐車場にはまだ新しい看板が残っていた。
ここも温泉であったのだ。
「ここはねぇ、脱衣所でビールを売ってたんですよ。それが嬉しくてねぇ。
すごい人気だったし、まさか廃業するとは思ってもなかったなあ・・・」とケロリン。
ありし日の善代湯はこちら>>http://www.mie-sento.com/list_file/mie/hamajima_zendaiyu.htm
こうして、浜島の銭湯の残像をめぐる旅は終わった。
いつもと違って、みな言葉数が少ない。
「銭湯はないけど、足湯ならあるから入ってく?」
写真師マツバラが思いついたように言った。
歩き続けて足がだるかったし、この気分を流してしまいたかった。
「寄っていこうか」
われわれはトボトボと足湯に向かった。
その足湯とは、浜島集客交流拠点施設(無料足湯)・わんさかわんさ。
なんだか人を拒絶するようなむずかしい名前がついているが、ようするに地域の人や観光客に利用してもらい、気軽に交流してもらおうという足湯である。
足をきれいに洗ってから入浴〜!!!
お湯は熱め。
じんじんとキョーレツにつかれた足に効いてくる。
集客交流施設わんさかわんさ
住所:三重県志摩市浜島町浜島178-20
料金:無料
志摩めぐりの旅は終わった。
が、われわれサルシカ銭湯企画部の旅はまだ終わらない。
だって銭湯に入っていないんだもん!(笑)
というわけで、われわれは銭湯のある伊勢へと移動することに。
車だったら、さっと飛び乗って高速を走って鼻くそでもほじっている間に着いてしまうが、われわれには公共交通機関しかないのだ。
またもやバス停を探し求めて歩く。
正直しんどい。
で、ようやくバス停に着いてみれば、近鉄の磯部駅、鵜方駅へいくバスは20分以上待たないとない。
エアコンの効いた店でアイスコーヒーでもすすりながら一休みと言いたいところだが、店らしきものはない。
ないったらない。
で、道端に座り込む(笑)。
次回、たぶん完結する・・・・と思う。