写真/フォトグラファー加納(参加者のみなさん) テキスト/サルシカ隊長
今年の夏は本当に暑い。
岐阜の多治見で39.5度を記録したとか、街なかで実際の気温が40度を超えたとか、聞いただけで汗が流れてくるようなニュースが連日続いている。
そんな灼熱の季節に、なんと土窯に火を入れ、みんなでピザを焼こうということになった。
何もこんな暑い時にやらなくてもいいじゃないか、という声が聞こえてきそうだが、サルシカ農天カフェは、その季節その季節に採れた野菜を使うのがルールである。
ソースをつくるためのトマトがどんどん収穫されているし、バジルもあるし、ピーマンもナスもある。
ピザを焼くなら「今しかない!」のである。
というわけで、8月2日の日曜日。
三重県津市美里町のサルシカ秘密基地にて、
土窯ピザを焼く体験つきカフェが開催されることになった。
しかも!
予定していた定員を大幅に上回る申し込みをいただき、早々に予約を締め切るという人気ぶり。
本当にありがたい話なのだ。
開催当日。
天気予報は晴れときどきくもり。
気温は連日の猛暑に比べると少し低く32度であった。
朝。
前日から泊まりこんでくれていたスタッフの寿実ちゃんは、トレーラーハウスを掃除機で綺麗に。
サルシカ隊長のワタクシは、お客さんが被害を受けないようにアブの退治(笑)。
風はなかったが、空に薄く雲がかかっていてほのかに涼しかった。
この時はまだ楽しくるんるんと準備作業をしていたのであった。
が、会場を設営していると、太陽がニンマリと顔を出し、ぐんぐんと気温があがってきた。
そして次第に殺人光線なみのギラギラ光線になってくる。
立っているだけで汗がにじんでくる状態であった。
ちょっとでも動くと、汗がぼたぼた落ちる。
こんなギラギラの直射日光をまともに受けながら、ピザ生地をこねたり、トッピングしたりも出来ないであろうと、サルシカ秘密基地の中庭部分に巨大タープで屋根をつくる。
その作業をしているだけで、たぶん1リットルぐらいの汗を書いた。
しかもそのあとに、あろうことか薪割りをやる。
参加者が予定より多くなってしまったので、窯を何度も追い焚きする必要がある。
そのための細い薪をつくる。
前日の夕方とかにやっておけば楽だったのに、ぎりぎりにならないとやらないのでこんなことになる。
スタッフのよしえちゃんが中心になってピザの生地づくりが行われていた。
気温が高いのですぐ発酵する。
どんどんふくれる。
かつて、サルシカ秘密基地のオープニングイベントで160枚分のピザ生地をこねたワタクシの妻M子であるが、この日はすでにバテ気味。
あまりに暑すぎるのだ。
ここでこの日のカフェのメニューを紹介しておこう。
ピザは自分で生地を伸ばしてお好きなものをトッピングして、土窯で焼いたものをそのままハフハフと食べられる。
いくらでも!
食べ放題!
それにサルシカ野菜のサラダとお漬物、かぼちゃの豆乳スープ、あとデザート2種がつく。
これで大人ひとり2000円である(小学生1000円、それ以下は無料)。
午前11時を回ると、参加者のみなさんがぞくぞくとやってきた。
ピザ焼き体験ということで家族での参加が多い。
子どもを含めて48名の参加であった。
午前11時半。
いよいよカフェのオープン!
隊長のワタクシから、本日のルール、注意事項を説明させていただく。
といっても、
「生地をこねるまえに手をあらえ」
「具材をひとりじめするな」
「酒のんだら車にのるんじゃないぞ」
ぐらいの話であるが(笑)。
あとは食材の説明。
なんといっても今日の最大のポイントは、このサルシカ畑で採れたトマトをふんだんに使ったトマトソース!!!
1週間ほど前から、スタッフのよしえちゃんがひたすらトマトを収穫し、ひたすら煮込んでソースにしてきた。
ほぼ100%トマト!
それに味噌で味付けがしてある。
続いてトッピング。
ピーマン、じゃがいも、バジル、ナス。
すべてサルシカ畑で収穫した野菜ばかり!
いつもは菜食メニューであるが、この日はソーセージやハムやサラミも用意。
ゆでたまごのスライス、あとチーズ!!
ちなみにチーズはおよそ6.5キロを用意。
これだけあれば、みんなで食べまくっても絶対に大丈夫なのだ(笑)。
ピザ生地こねこねスタート。
二次発酵まで終わっているので、延べ棒で広げるだけでOK!
これが楽しい。
本当はくるくる回して伸ばしてほしかったが、誰もチャレンジする人はいなかった(笑)
伸ばしたピザ生地に今度はトマトソース、もしくはバジルペーストを塗って、あとはご自由にトッピング!!
次回のためにも書いておくけれど、具材の乗せ過ぎはよろしくない。
生地がパリっと焼けない。
やはり常識の範囲内がよろしいようである。
こちらはナスとタマネギで。
これにチーズとバジルをのせて仕上げていた。
なかなかいい感じ。
そしていよいよ土窯へ!!
3時間も前から火を入れていたので、窯のなかは450度から500度になっている。
窯に近寄るだけで暑い。
いや熱い。
ひとりピザを3枚食べるとして、およそ130枚。
この試練に耐えられるであろうか。
最初の1枚で汗が吹き出し、思い切り不安になる。
窯に入れてわずか1分。
ピザが焼けた!!!
灼熱のピザフィーバーがいよいよはじまる。
その様子は次回。
あまりの暑さのためにピザ体験カフェは思わぬ方向に進んでいくのである(笑)