写真/松原豊(写真師マツバラ) 文/サルシカ隊長
宮川ダムの源流域でカヌーを楽しむ企画、第3弾である。
が、のっけから水中写真である。
なんたって連日の猛暑日。
一度冷たい水に入ってしまうと、なかなか地上にはあがれないのである(笑)。
しかも完全防水カメラを新調したばかりの写真師マツバラが水中写真を撮りたくて撮りたくてたまらないものだから、バシャバシャ撮影するのである。
そして隊長のワタクシと中谷の父ちゃんに次々に命令するのだ。
「潜ってこっちに泳いできて!!
もっと目を見開いて! カメラを見て!!
次はこっち!! もっとゆっくり! もっと長く!!」
あほたれ!
そんなに水中に潜ってたら死んでしまうわ!!!
小学校の頃、水泳部だったという中谷の父ちゃんはゴキゲンに泳ぐ。
が、首の後ろに漂っているのはお気に入りの鼻笛。
なんと鼻笛をしたまま泳いでしまったのだ。
このあと、「ああああああああ! 鼻笛を濡らしてしまったああ!!」と悲鳴を上げることになる(笑)。
しかも、防水のはずのスマートフォンもフタを開けたままだったので完全に水没。
何かと犠牲の多い水遊びになったのだ。
「ほらほらほらあ、小さなお魚がいるよ〜」
「水中から空を見上げるとキレイだねぇ」
写真師はなんだか気持ち悪い「お目目キラキラおじさん」と化して、写真を撮りまくっている。
宮川の清流はおじさんをここまで変えるのだ。
「じゃあ、隊長も中谷さんもいっしょに水に潜って!
そしていっしょに飛び出して!!」
写真師は、ふたりのハゲ・・・いや海坊主が水中から飛び出す写真が撮りたいといって、ワタクシたちに何度もこんなことをさせる。
「まだタイミングが合わないなあ、はいもう一度!」
いったいこの写真に何の意味があるというのか。
ワケはまったくわからないが、追求しても意味がないので、素直に従う(笑)。
写真師の命令による苦行から開放されて、中谷の父ちゃんとワタクシは再びカヤックの人に。
なぜならば!
ビールを楽しむために、である(笑)。
カヤックでゆらゆらと流されながらビールを飲む!
こんな幸せ、ゼータクがあるであろうか。
まさに至福のとき!!
そしてお昼ごはん!
「カヌーに乗るならチキンラーメンなの!!」
そう言いはる中谷の父ちゃんに合わせてチキンラーメンを用意。
カップラーメンではダメだというので、簡単な調理セットも持ってきた。
そういや、昔、カヌーイストのあの人がカヌーに乗ってチキンラーメンを食べていたなあ。
でも若い人には絶対にわからないだろうなあ(笑)。
ま、おじさんにはおじさんのこだわりがあるのだ。
まわりに誰もいない、こんな素敵な場所でお昼ごはん!
聞こえるのはセミの声と、時折キーンと泣く鹿の声だけ。
水中でいくら身体を冷やしたとはいえ、アチアチラーメンをそのまま食べたら暑い。
で、ワタクシは極上の食べ方を!!
ワタクシはこんなにおいしいチキンラーメンを人生で食べたことがない。
いや、街なかにあるどんな有名店のラーメンよりおいしい!!
これぞ、人生の幸せである!!!
サルシカ畑で収穫した野菜も持ってきたので清流で冷やす。
でも実はこれは撮影用。
本当はクーラーボックスできんきんに冷えていたものにかぶりついた(笑)。
たっぷり遊んで、食べて飲んだらお昼寝!
これもアウトドアの醍醐味!
こうして宮川ダム源流域でのカヌー遊びは終わった。
が、われわれがこのまま帰ることはない。
まだ遊ぶのだ。
それは最終話の次回で!!!