再び。
いや正確には三度、伊賀のノスタルジック銭湯「一乃湯」に林家染弥改め菊丸さんが帰ってくることになった。
銭湯と落語。
古き良き日本の伝統文化のコラボレーション。
それは今から3年前、2012年の3月にはじまった。
当時、すでにサルシカでは三重の銭湯をめぐる企画「銭湯いこに!」がスタートしていて、予想以上の人気でとまどっているところであった。
テレビ番組のコーナーとしても発展し、リーダーのケロリン桶太郎をはじめ、銭湯企画メンバー全員で驚いていたのだ。
で、テレビのリポーターとして登場したのが、上方落語の雄「林家染弥」さんであった(2014年に襲名し、現在は三代目菊丸)。
それが一乃湯と菊丸の出会いで、一乃湯の店主・中森さんと菊丸さんは、「銭湯と落語、古きよき日本の伝統文化をさらに盛り上げていこう!」と、あっという間に銭湯で落語会を開く話が決まってしまったのだ。
当時のレポートはこちら!!
銭湯いこにVol.17「伊賀の銭湯で落語なのだ!」①~はじまる~
銭湯いこにVol.18「伊賀の銭湯で落語なのだ!」②~町を歩く~
銭湯いこにVol.19「伊賀の銭湯で落語なのだ!」③~湯につかる~
銭湯いこにVol.20「伊賀の銭湯で落語なのだ!」④~湯けむりに笑う~
このあと、さらに秋に第2回の銭湯落語を開催。
ともに大成功に終わり、ひとまず一区切りとしていたのであった。
が、染弥さん菊丸を襲名し、その襲名披露で全国を回っている真っ只中、ぜひ一乃湯での銭湯落語ももう一度ということなり、3回めの開催になったのだ。
サルシカ隊長のワタクシと、新参銭湯メンバーの中谷の父ちゃんが一乃湯にかけつけたのは午後4時すぎであった。
どうしても仕事が抜けられずその時間になってしまったのだ。
寄席の準備はほぼ終わっていた。
店主の中森さん(写真左)がひとりでやったらしい。
申し訳ない・・・。
「まさか3回めが出来るなんて思ってなかったんで、本当に感謝してるんです。
襲名で忙しいときにこんな小さな銭湯で落語をやってくれるなんて・・・」
中森さんから発せられるのは、いつも感謝の言葉。
「朝から準備で汗をかいて喉がカラカラなんでビール飲んじゃっていいですか」
「どーぞどーぞ」とワタクシ。
「ありがとう、ありがとう!」と中森さん。
感謝の言葉を言いつつ、ビールをグシグシ飲む(笑)。
午後5時過ぎ。
上野市駅に到着した菊丸さんをお迎えに。
店主の中森さんはビールを飲んじゃったからワタクシが中森さんの車を運転して。
しかも中谷のとうちゃんがカメラマンとして同行しているので、4人乗りの車にすでに3人(笑)。
帰りは4人満席で戻る。
中森さんと菊丸さんは挨拶等で顔を合わせているし、ワタクシも7月に秘密基地のある平木に来てもらったばかりなので、
「どーもどーも!」
といった感じの気軽な再会。
すぐさま一乃湯に戻って、菊丸さんは男湯の脱衣場にセッティングされた会場の確認。
こちらは女湯の脱衣場。
中森さんとワタクシは出囃子のセッティング中。
ラジカセを操作するのはワタクシの仕事になった。
お手伝いしてくれた人や来場者のためのサインを用意。
1回め2回めの準備の時は何かとドタバタしたけれど、3回めともなると落ち着いて段取りが進む。
午後6時半、会場。
お客さんが車で自転車で、どんどんやってくる。
今回は席をがんばって増設し、限定40席。
が、そのすべてが予約で埋まっていた。
さすが一乃湯!
さすが菊丸さん!!
開演直前の客席。
狭いけれど、この雰囲気がいいのだ。
演者とお客さんとの距離がすごく近い。
銭湯は、生活の延長線上にある、裸の人寄り場。
ゆけむりはないが、きょうはそこで笑いで人が集うのだ。
開演の7時。
店主・中森さんの挨拶で第3回銭湯落語がはじまった。
そしていよいよ菊丸さんが高座へ!
襲名をしてさらに貫禄が出た菊丸さん。
え、太った?
はい、本人も結構気にしておりました。
「以前と比べて食べたり飲んだりする量が増えたわけじゃないんですどねぇ。
なんだか最近どんどん増えるんですよ、体重がぁ」
ま、つまりアレですな。
歳で新陳代謝が弱まってきてるんですな(笑)。
この日、菊丸さんは「青菜」と人情噺の「幸助餅」の2席を。
噺の合間には、サルシカ銭湯企画メンバーであり、日本の銭湯を入り尽くした銭湯の達人! 柳本神父(本当に神父さん!)が、店主の中森さんと共に銭湯談義を。
そして終演後には、脱衣場を片付けてそのまま打ち上げ!!
この雰囲気がいいのよ。
ザッツ打ち上げ!って感じがするもんね。
というわけで、伊賀一乃湯の銭湯落語のレポートでした!!!