3人がそれぞれ自分だけの世界にドップリ入り込んだ午前零時頃、その事件は起きた。
バカエミは近づいてくる人の気配を感じた。
しかし隊長かM子であろうと思い、顔もあげずにアサリとりに集中していると、
「どうやお姉ちゃん、アサリとれたか?」
全然知らない人の声であった。
「でひぇうへぇびうううどばびべへぐふぉおおお!!!」
バカエミは人の言葉とは思えない悲鳴をあげたという。
そりゃそうだろう。
おっちゃんも潮干狩りにきたのであった。
それもたったひとりで。
この人も独り言が多かった(笑)。
しかし今回はあまりに寒すぎた。
鼻水どころではない。
手袋をしていても手の指先の感覚がなくなり、カメラのシャッターを押すのも一苦労である。
明けて8日(土)の午前1時。
いつもなら最後の最後まで粘る強欲女M子が、音を上げた。
もはやここまで!
寒さは体力を奪う。
遠浅の海をひたすら陸に向かって歩く。
眠い。
しかしここで寝たら死ぬぞ、と互いを励ましつつ歩く。
公衆トイレの水場で互いの戦果を讃えあう。
それにしても二人ともスゴイ格好である。
このまま魚市場にいったら、そのまま入札に入れそうである。
タオルやら「鼻水フキフーキ」などの工夫が愚かにも微笑ましい。
M子「これハマグリやろ?」
バカエミ「バカや、バカ」
M子「ウソーん、じゃあこれは?」
バカエミ「バカ、バカ」
もうずっとやってろ、って感じである。
暖房を効かせておいたサルシカ号に戻る。
まだ指先の感覚が戻らない。
服を着替えるのも一苦労である。
「うううううう、ざぶい・・・」
と体を震わせつつも、バカエミは冷蔵庫にヨタヨタと歩き、ビールを出すのである。
午前1時30分。
しかし、これから宴会なのである!
前回はマテ貝が採れず、そのあとの宴会ではずいぶん悔しい思いをしたものだが、今回はあるのだ!
それも20本近くも!
これは寒い思いをした我々3人へのご褒美である。
誰にもわけてあげないのだ。
すぐさまバターで炒め、醤油をかけまわして食べちゃうのだ。
どうだ、どうだ、ザマミロ!
今回は隊長のブログでリアルタイム報告をしたたため、それを見ていたカメラマン準から、
「オレにもマテ貝を食べさせてくれぇ」という悲鳴のような電話が午前2時に入ったが、無視なのである。
ぜーんぶ食べちゃうのである。
で、3人でカンパーイ!
寒さに耐えに耐えた挙句の乾杯である。
もはやバカエミは目がいってしまっているのである。
宴会は午前3時まで続き、疲労の限界を迎えた3人はまさに倒れるようにサルシカ号で寝た。
どこでも宴会するし、どこでも寝る。
これがサルシカ隊なのである。
今回のアサリは本当に大粒!
横幅が電池ぐらいあります。はじめて遭遇するサイズです。
これらのアサリは、9日(日)のサルシカ・パーティで出される予定です。
報告はまた後ほど!
「続・真夜中の潮干狩り」これにて完。