はじまりがあれば、必ず終わりもある
2012年10月から三重県津市美里町の山あいの集落ではじまった「サルシカ秘密基地」建造プロジェクト。
3年の月日と、多くの隊員の汗と涙によって、雨の日も、風の日も、まさかの大雪の日も続けられてきた。
が、はじまりがあれば、必ず終わりがあるのだ。
いよいよ今回の工事で、サルシカ秘密基地建造プロジェクトは終わりを告げる。
ずいぶん前から「今回で終わりよ」「もう今回だけだから!」と言ってきたけれど、本当におしまい。
基地の活動はこれからもえんえんと続くけれど、建造プロジェクトはひとまず完了なのだ。
最終工事は思ったより大掛かりなものになりそうであった。
1、ウッドデッキの防風工事(追加工事)
2、ヤギ牧場の拡張・・・柵をつくる工事
3、電気工事(独立で電柱から電気を引いたため)
4、薪棚の屋根づくり
5、中谷ハウスの内装、デッキ工事
6、基地まえの竹林伐採作業
これを2日間でやりとげようというのだ。
工事のまえまでに主な材料を買い揃える。
予算がないのでなるべくあるものを利用することにしたが、それでも6万円程度のお金がかかった。
まあ、これだけの工事をして6万円で済むんだから、それはそれですごいことなのだけれど。
工事前日。
西川の父ちゃんが事前配電工事。
なんと見上げた心がけだと感心していたら、間違って明日以降に仕事を入れてしまったので、今日やっているのだ、という話。
おいおいおい。
明日、明後日、電気工事免許を持ったみなさんがヘルプにやってくるのに、大将がいなくてどーするんだ。
まあこのあたりのテキトーぶり、そのくせ律儀なところがわれわれサルシカなのである。
これはヤギ牧場の柵用の杭。
森林組合で買ってきたものを防腐剤につけている。
みな少しでも安くあげようとした結果である。
さあ、いよいよ最後のサルシカ秘密基地工事がはじまる。
泣いても笑ってもこれで最後なのだ。
工事の朝
今回は秘密基地からではなく、秘密基地のすぐ下にある作業現場から作業はスタートした。
ここに山積みになっている木製パレットをもらい受け、それをヤギ牧場の柵にしてしまおうという作戦なのだ。
事前の測量、計算によると、50枚ほどのパレットが必要であった。
が・・・!!
工事開始時刻になっても6人の参加者しかいなかった。
予定では20名ほどいるはずなのに、である。
しかも今回初参加の山田さん、常喜さん、女性の今井さん、寿実ちゃん、そして中谷の父ちゃんと隊長のワタクシの6人。
マジかよ、と思った。
ウッソ~ん、アッチョンブリケ状態であった(わからなくていいです。笑)
最後の秘密基地工事なのに。
なのになのに。
こんなに人が集まらないとは!!
やはりみんな、「もういい加減にしやがれ、コノヤロ!」と思っていたのだ。
そうに違いないのだ。
これでは工事を終えるどころか、はじめることすらできない。
やばいのだ。
8時半を回ったころ、滋賀から徳田夫妻がやってきてくれてた。
待ち受けるのは重労働である。
しかしいつまでも待ってもいられない。
少人数ながら作業をはじめることにした。
木製パレットは重い。
それを1枚ずつ軽トラに乗せ、500メートルほどクルマで移動。
そこでパレットを下ろし、坂道をのぼってヤギ牧場予定地に運ぶ。
女性は2人で1枚、男性はひとりで1枚。
3枚も運ぶと、もう汗が流れてくる。
が、そんな重労働をしている間に、大阪からイクラちゃん、一級建築士の松田くん、ご近所のムネちゃん、名古屋から田中くん、田端くんと参加者が増えてくる。
ひとり増えるたびに仕事が楽になる。
みんなの顔も明るくなる。
そして楽しくなってくる。
こういう作業はたくさんの人でやったほうがいい。
ちなみに。
今回拡張するヤギ牧場は、基地に隣接している休耕地を貸していただいたことによって実現した。
これまでの牧場からそのまま新牧場へとヤギたちは行き来できるようになるのだ。
杭を打ち、パレットを立てていく作業がはじまった。
巨大木槌で杭を打つのがこれまた大変な作業。
3本も打てば腕はプルプルになる。
パレット1枚につき1本の杭を打つので、少なくとも45本以上の杭を打つのだ。
メンバーが増えたので、3人1チームで3チームを編成。
第1チームは、一級建築士の松田君、新人隊員の山田さんと常喜さん。
第2チームは、徳田さん夫とむねちゃん、久保ちゃん。
第3チームは、田端くんと田中さんと寿実ちゃん。
寿実ちゃんだけ女性であるが、男性の人数が足りなかったので、元砲丸投げの選手であり、たぶんそのへんの男より腕力がある彼女を指名。
実際、彼女はガコンガコンと激しく強烈に杭を打ち込み、まわりの男たちを驚かせていた。
秘密基地のキッチン。
朝、参加人数がわずか6人だったので、「お昼ごはんの炊飯は1升でいいから!」と隊長のワタクシは指示をしていた。
が、いつのまにか20人以上の人がいた。
慌てて炊飯1升追加、カレー増量を指示。
それにしても。
今回は女性の参加が目立つのだ。
これはありがたいことだ。
最後の最後にしてやっと、オッサンだけのサルシカ秘密基地工事のイメージから脱却できた。
うれしい(笑)。
10時まえ。
大工の丹羽くんがヘルプでやってきてくれた。
ついこないだまでアメリカでお寺を建てていて、帰ってきたなあと思ったら結婚して、奥さんのちかっちと幸せラブラブでやってきた。
彼には明日やる予定の防風工事の一部を先行してやってもらうことに。
続いて、度会(わたらい)から、山口夫妻がやってくる。
こちらもサルシカ秘密基地工事初参加。
電気工事免許を持っているということで、西川の父ちゃんが出来なかった配線の工事をやってもらう。
今回は、女性も多いが、初参加の人も多い工事なのだ。
これでファイナルであるのが惜しい(笑)。
午前11時半。
まる1日かかるだろうと思っていたヤギ牧場の柵作りがほぼ終わってしまった。
最初6人しかいなかった時は本当に途方にくれたが、最終的には4チームで作業を進めることができたので、超ウルトラハイスピードで終えることができたのだ。
伊達に3年も秘密基地づくりをやっていないのだ。
午後。
われわれはさらにハイテンションになって工事を進める。
次回、「新たなヤギ小屋をつくる!」。
お楽しみに!!