2008年3月12日(火)
サトーさんである。
隊長の私と同じ集落で古民家暮らしをしている。
(まもなくサルシカの「古民家ものがたり」に登場していただくので、あえて家を写しませんでした)
サトーさんは基本的に週末のみの田舎暮らし。
毎週土曜日、奥さんと共にやってきて畑をつくり、のんびりと家で過ごしてまた町へ帰っていく。
寒かったり、天気が悪いと来ない。
気まぐれ田舎暮らしである。
今回も気まぐれにフト平日に現れて「山に遊びにいこう!」というのである。
集落から近い山にいくことになった。
サトーさんに道案内をしてもらいつつ、軽トラのいとう君で山道を突き進む。
軽トラ一台がギリギリ通れるような道で、片方が崖である。
落ちたら死ぬ。
結構ドキドキしながら車を走らせる。
サトーさんは地元の人たちに何度か山を案内してもらい、食べられる山菜などを教えてもらったという。
車でいけるところまでいく。
あとは歩きだ。
山を歩き、沢に出ると、流れにそって歩く。
石に生えた苔がすべる。
最初にコケたサトーさんを笑ったら、私もコケた。
結局ふたりで仲良く2回ずつ足を滑らせた。
風もなく、聞こえるのはせせらぎと自分の息の音だけである。
フウフウから、だんだんゼエゼエになってきて、ヒイヒイになる前に、目的の場所に着いた。
そこには山わさびが群生していた。
昨年よりかなり量が少ないとサトーさんは言う。
土砂崩れもおきていて、土に埋もれているワサビも結構あるようだった。
大切な自然の恵みなので、根元を指で探り、太いのを1本だけ引き抜いた。
鼻に近づけて匂いを嗅いでみるが、青臭い匂いしかしない。
しかし見た目はまあなんとかワサビだ。
山わさびは根をすりおろすだけでなく、茎や葉も食べられる。
しかしまだ時期が少し早いようだ。
また10日ほどしたら来よう、ということで山を下りた。
時間にしてわずか1時間弱の山遊びであった。
夜、1本だけ頂いてきたワサビの皮を剥いてすりおろしてみた。
あのワサビ独特の鼻にツンとくる匂いがまったくない。
不安になる。
ほんの少し指につけて嘗めてみると、辛くて苦い。
ワサビの味とはまったく違う。
サトーさんや集落の人にも聞いたのだが、天然の山ワサビには、なんと砂糖を入れるのだそうだ。
それも結構な量(ワサビの1/3~1/5ぐらい)を入れる。
「ワサビに砂糖なんて・・・」
妻も私も半信半疑だった。
しかし砂糖を入れて混ぜ合わせると、あのワサビの匂いがツンときた。
口に入れると、辛くてさわやかなワサビであった!
最近、妻と共にそばにこだわっているので、このワサビをたっぷりつけてざるそばを食べた。
「ううううううううう、うまい!!」
妻と共に声を上げたのである。
香りも刺激も、チューブ入りのとは比較にならないほど強い。
なのに味わいもある。
すごいのだ。
私はもうこのワサビにはまりました。
見てください!すごいキレイでしょ!?
本物のワサビの味を知ったような気がします!
サトーさん、どうもありがとうございました!また行きましょう!!