写真/フォトグラファー加納・中谷の父ちゃん テキスト/サルシカ隊長
何の間違いであろうか。
わたくし、サルシカ隊長オクダは、齢50を超えて筋トレに励み、バランスのとれた筋肉をつけ、その筋肉美を競い合う大会に出場するハメになった。
その経緯は、もうすでに書いたので、それを見ていただくことにして、ついに大会の日が迫ったのである。
>>>「サルシカ隊長、筋肉美を競うフィジーク大会に出場決定!」第371回サルシカ隊がいく
大会の開催日は2016年2月20日。
三重県総合文化センターの小ホールで開催される「津シティ・フィットネスコンテスト2016」である。
筋トレやフィットネスの普及を目的に県内のフィットネスジムが共同で実施するもので、今回がはじめての開催。
昨年11月にひょんなことからわたくしの出場が決まり、かなり本気でトレーニングに取り組んできた。
基本トレーニングは週に4,5回。
2日やって1日休むというペース。
1回1時間。
各部位にわけてきっちりと追い込む。
最初のうちは連日の筋肉痛で、それはもう辛かった。
トレーニング以上に大切なのが食事。
高たんぱく、低糖質の食事を徹底的に。
基本ごはんは朝のみ。
納豆かけごはんが基本であった。
昼、夜は、鶏肉を中心に。
たっぷりの野菜と共に食べる。
肉と野菜はどんどん食べるので空腹に苦しむことはなかったが、ラーメン、餃子、たこ焼き、など炭水化物たっぷりであるものの魅力的なものが食べられないのが辛かった。
あと甘いものね。
わたくしはアイスクリームがとにかく好きなのだけれど、これを我慢するのが何より辛かった(笑)。
大会が開催される2月に入って。
体重は74キロ台に入った。
トレーニング開始のときに86キロだったので、この時点で12キロ減。
が、ひとつの目標であった腹の筋肉が割れていなかった。
腹を触ると、しっかりと筋肉のデコボコがあるのだけれど、まだまだ分厚い脂肪のお布団がその上にかぶさっていて、筋肉が見えない。
3ヶ月におよぶトレーニングで冬布団から夏布団ぐらいにはなったけれど、まだダメ。
せめてタオルケットぐらい(笑)にしないとダメだということで、2月からは筋トレ以上に有酸素運動で脂肪燃焼に励んだ。
筋トレをしたあとは、脂肪燃焼の効率があがるので、筋トレでアヘアヘ汗を流した後、ジョギングや散歩をする。
残り1週間になっても筋肉が見えないので、最後は愛犬モンちゃんを連れて、山登り散歩を繰り返した。
標高819メートルの裏山である経ヶ峰に何度も登った。
あと、お酒。
今年に入ってから、ビール、日本酒、ワインなど、糖質の多いものはほとんど口にしていなかった。
宴会に参加しても飲むのはハイボールや焼酎の水割りなど、蒸留酒のみ。
そして大会の3週間まえからは、いよいよ完全禁酒!
いつも「ビールビール!」と言っているわたくしがここまでしたのである。
その本気度がわかっていただけよう。
大会前日。
体重は72キロまで落ちた。
トレーニング開始から14キロ減。
一番体重があった2012年のときは92キロだったので、なんと20キロ減!
体脂肪も24%から13.5%まで落ちた。
これもほぼ目標クリア。
が、ひとつ問題が。
それは肌の色。
大会でいい結果を得るためには褐色に焼いた肌がいいのである。
が、わたくしはもともと色白。
日焼けをすると真っ赤になるタイプ(笑)。
筋トレの時間さえ捻出するのが必死だったので、日焼けサロンで寝転んでいる時間をつくるのはまったくムリだった。
なのでまさにわたくしはもやしくん状態(笑)。
で、どうしようかと思ってネットを検索していたら、日焼けクリームなるものがあることを発見。
簡単にいうと肌を染めてしまうのだ。
実際のところ、もともとが白すぎたせいかほんの少ししか黒くならなかった。
黒くというより黄色っぽくなって、黄疸が出ているような感じになってしまった。
クリームを塗る前は黒々とした肌になることを夢見ていた。
いや、しかし、顔や身体に塗るのはいいとして、頭はどうなるのだ。
わたくしの頭は毛髪密度がうすい。
いわゆる過疎化している状態である。
顔や身体にだけ塗って頭に塗らなかったら、頭頂部だけ真っ白でますます薄毛が目立つのではないか。
ステージに立った途端、笑いをわき起こすことになるのではないか。
これはいかん!!!
というわけで、わたくしは髪の毛を剃ってスキンヘッドに。
そして頭にも日焼けクリームを塗りたくった(笑)。
あとは全身の剃毛ね。
脇、腕、胸、スネ、すべてをジョリジョリした。
人生初の脇毛処理。
風呂場でやっててちょっとオカマしてしまって困った。
そんなバカなことをしつつ迎えた大会当日。
2月20日、土曜日。
冷たい雨が落ちていた。
朝から仕事を終えたわたくしは、秘密基地で最後の筋トレ。
筋肉を張らせる。
仕上がりはこんな感じ。
ぴちぴちのTシャツを着ているせいもあるけれど、この時点ではなかなかの仕上がりだと自分では思っていたのだ。
これまでの自分に比べたら、腹は十分ひっこんでいるし、筋肉もある程度ある。
いいんじゃないの、と楽観していたのだ。
で、ポーズの練習をしたりして、もうノリノリのわたくし。
大会は午後から。
ここで昼めしを食べてしまうとお腹がぽっこりになってしまうので、プロテインのみを胃袋に放り込んでいざ出発!!!
午後12時30分。
津市上津部田にある三重県総合文化センターに到着。
この日は、わたくしが出演しているテレビ番組「とってもワクドキ」の密着取材があった。
まだこの時点でもノリノリ。
「オレの筋肉美を見せてやるぜ〜」
なんて愚かなことを言っている(笑)。
わたくしの気分が一転したのは、開場を待つ選手たちを目にしたときである。
24人の男たちがホール入口に集まっていた。
その全員がムキムキなのである。
服を着ていてもその筋肉の盛り上がりがわかる。
わたくし、インタビュー中。
「いい身体してるけど、普段なにしてんの?」
「総合格闘技っす」
格闘技〜!!!!!
あかんでしょ、そんなの!!!
だってきょうの大会はシロウトが和気あいあいと楽しむコンテストだって言ったじゃん!!
なんでいきなり格闘技なのよ!!
レベル高すぎじゃん!!
んで、開場。
うひゃ〜〜〜、でかいじゃん!!!
もうすでに入口にはお客さんが並んでるし!!
齢50のおっさんがここで半裸になり、ステージに立つのであるか。
これはやばいのではないか。
おっさんのテンションはどんどんさがる(笑)。
で、控室へいってダメ押し。
あの〜、みんなすごい身体してるんですけど。
アクション・スターみたいじゃん。
しかも若いし。
年を聞いたらワタクシの半分以下よ。
息子でもおかしくない(笑)。
わたくしは腹痛を起こして逃げ帰ろうかと思った。
いや、いっそそのへんの階段で転んで病院に運ばれようかしら。
しかし時間は刻々と過ぎていく・・・・。
次回につづく。
たぶん連続3回ぐらいになる予定です。笑