写真/松原豊(写真師マツバラ) テキスト/サルシカ隊長
支離滅裂のサプライズ演劇は佳境に差しかかった。
担任の先生役の小菅くんによるリード、そしてアシスタント役の伊吹くんのフォローにより、親たちの芝居はかろうじて成り立っていた(笑)。
そもそも本番前、第七劇場の主宰で今回の演出を担当してくれていた鳴海さんから、
「みなさん心配しなくて大丈夫ですから!
あまりにも芝居がぐだぐだで収集つかなくなったらわたしが1回止めますから。
やり直せばいいんですから」
と、演劇としてはありえない発言をもらっていた(笑)。
まあ失敗してあたりまえ。
突き進むしかないのである。
男子バレーボール。
子どもに扮した親たちが、客席の子どもたちに愛のサーブを打ち、子どもたちから愛のレシーブをもらうというシーン。
そもそも、
男子バレーボール部の親たちが書いた設定が、もはや芝居じゃないのだ。
で、脚本を担当したわたくしは、客席にいる未来の自分にたいしてサーブを送り、未来の自分は夢を語ってレシーブするという設定にした。
わけがわからんが、もうこれでいいのである。
しかも。
ひとりの親があまりに強くサーブをしたものだから、客席のお母さんの顔面にボールが直撃。
予想外のトラブルも発生(笑)。
忘れてはいけないが、これは朝の出席をとっているだけのお芝居なのである。
話は脱線しまくり、なかなか前へ進まない。
そしていよいよ最後の出席。
なんとわたくしの登場なのである。
はい、ひげが生えてるけど娘役。
自転車を漕いでいるのは、娘と付き合っている彼氏のお母さん(笑)。
もうぐちゃぐちゃなので詳しくは書かないけれど、ここからエンディングなのだ。
美里をみおろす青山高原には風力発電の風車がいつもくるくる回っている。
それが24つ。
そう、24の瞳ならぬ、24の風車なのだ。
くるくる、くるくる。
ずっとみんなで回っていこう。
美里中学校の思い出も、みんなとの思い出も、
くるくるくるくる、ずっといっしょに・・・。
そんなラストであった。
そのあと、どうしてもこの日参加できなかった担任の先生(本物!)からビデオメッセージ。
PTA会長から、協力してくれた第七劇場や参加してくれたみんなに感謝の言葉。
が、まだ終らない。
ラストは、お母さんたちによるダンス!!
これは、文化祭で子どもたちが披露してくれたものを再現!
毎晩集会所などに集まり、この日のためにこっそり練習を重ねてきたのだ。
すごい拍手と歓声だった。
親たちによる本気のサプライズ!
こんな体験はなかなか出来ることじゃない。
親として、こんな体験をさせてもらって本当に感謝だ。
サプライズ演劇のあとは、ステージにシートを敷き、テーブルを出して大宴会場に!!!
緊張から解き放たれた親たちは、まあ飲みまくった。
笑いまくった。
子どもたちも盛り上がりまくっていた。
校長先生があいさつで、こんな本気の卒業イベントは長い教師生活の中でも体験したことがない、と言っていた。
素直にうれしい。
これが人数の少ない学校のいいところなのだ。
いろんな地域から集まった親たちがひとつになって盛り上がる。
これぞこの美里の誇れる地域性なのだ。
パーティの途中にもお母さんたちから歌のプレゼント。
最後の最後まで本気!
今回は非常に内輪的なレポートで申し訳ない。
でも、こういう小さな地域で、こうしてひとつの絆で結ばれて本気で取り組んでいる、そんな親たちの姿をぜひ知ってもらい。
過疎化、高齢化、少子化に悩む地域ではあるけれど、こんなに笑いと涙にあふれる生活がここにはあるのだ。
子どもたちよ、
夢に向かってはばたけ!!
これからたくさんの「驚き」が待っている!!
卒業、おめでとう〜!!!!!!