「軽キャンカー制作ミーティング①」第413回サルシカ隊がいく

投稿日: 2016年07月24日(日)09:09

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軽キャンカーのベース車(スズキ・EVERY・JOIN)が予定より2週間ほど早く納車された。
これ幸い!
さあ、ただちにキャンピングカーづくりに入ろうではないかとメンバーを招集する。

すると!
ベッドやギャレー(キッチン部分ね)、棚など、居住空間のメイン制作を担当する「まるみ工房」のきっさんが、

「あ、あのあの、えとあの、実は7月後半から8月お盆すぎまでちょっと出かけておりまして」

ちょっと待てい!!
2週間以上も出かけておいて、なにが「ちょっと」じゃ〜。
一体どこへ行くんじゃ〜!!

「あ、あのあの、えとあの、ちょっと奄美大島まで波乗りに」

奄美大島だと〜!!!
なにが「ちょっと」じゃ〜!!!

いきなり予定がガタガタと音を立てて崩壊する(笑)。

メールのやりとりであったが、その文面から状況を察知した「きっさん」は、

「えーと、とりあえず基地へいきます。はい。
とりあえず打ち合わせをしておいて、奄美大島で波に乗りつつリラックスしつつ案を練るということで・・・・」

ということになったのである。

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まず、きっさんを紹介しておこう。
彼のFacebookからパクってきた上の写真を見れば明らかであるが、アウトドアをこよなく愛する男である。
サーフィン、登山、トレッキングなどを楽しんでいる。

彼は何より自由に生きることを望む。
風のようにあちこちをさまよい、波のようにただよい、山のように静かにすごす・・・。

彼は遊ぶために仕事をしている。
よろず木工と称して、家具から小屋からいろいろなものをつくり、必要なだけの金を得る。
そして金では買えない時間を堪能し、旅に出るのである。

ああ、うらやましい。

で、彼の年齢なんと55歳。
まもなく56歳。

驚くなかれ。
サルシカ秘密基地の「用務員のおいちゃん」を自称し、みんなから「とうちゃん」と呼ばれている中谷のとうちゃんと1歳しか違わないのだ。
一方は「おとうちゃん」、一方は「おにいさん」。
ああ、この違いはなんだ!!

しかもだ。
アウトドアで鍛え上げ、しかもスポーツクラブで絞りあげている彼の体重は64.3キロ。
そして体脂肪率7.4!!!
腹は見事にシックスパックである。

おばんざいバルすみすの女将なんぞ、「カッコいい、素敵、惚れる、ああたまらん」と、よだれをすすっていたし、
熟女アイドルのまりりんなんぞ、「田舎で抱かれたい男性ナンバーワン」などといっている。

ああ、くやしい。
髪の毛がふさふさで、ちょっと茶髪にしているところがますます腹立たしい。
隊長であるオレにケンカを売ってるとしか思えない(笑)。

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打ち合わせ当日。
きっさんは、スズキのエブリイ・ワゴンに乗ってやってきた。
なんと彼は、エブリイを業務用およびアウトドアのベース車として使っているのである。

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「あははは、どうも」

まもなく奄美大島へいく男はすでに日焼けして真っ黒な顔で笑った。

なぜこの男に軽キャンカーづくりに参加してもらわねばならぬのか。

それは、アウトドアが大好きで、それをスタイリッシュに楽しんでいるから。
合理性や機能性ばかりを追求すると、キャンプや旅は味気ないものになってしまう。
やはりファッション性とか、うつくしさとか、かっこよさが大切なのだ。

そういう面では、きっさんは最適!

しかも。
旧型とはいえ、エブリイに乗り、それを半ばキャンカーとして使っている。
もうベストマッチではないか!

さっそく彼の車を見せてもらうことにした。

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「重いし、邪魔だし、後部座席は取っぱらってあるんですよ」

エブリイ・ワゴンは4人のりの乗用車であるが、後部座席がない。
そこに合板の床を張ってある。
後部座席の先端部分の床板は宙ぶらりん。
が、それでは安定しないので、手すりからヒモを垂らし、床を宙吊りにしている。

「これだとすぐさま床を外せて、仕事用の木材とかを運べるんで」

なるほど。
簡易だけれど機能的だ。

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ベッド状態の後部席。
シーツが格好いいのでそれっぽく見えるが、これは布団(笑)。

「ニトリで低反発のシートとかいろいろ試したけど、
一番いいのはやっぱり布団!
折りたたんでると生活感いっぱいだけど、寝心地には替えられないし・・・」

なるほど〜。
でもシーツひとつの工夫でこんなにいい感じに見えるんだな。
センスの問題か。

きっさんは、山登りやサーフィンを愉しむときのベース基地としてここで寝泊まりする。

「あとはコンビニの弁当を食べる・・・ビールを飲む・・・
それぐらいだから他の機能はいらないから」

寝心地と必要に応じた機能性。
これは今回の軽キャンカーづくりの重要なテーマだ。

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さて。
サルシカの軽キャンカーのベース車を見つつのミーティングとなった。

「おおお、でかいなあ」

きっさん驚く。
新型のエブリイは軽バンの中でも最大!
規格ぎりぎりまで拡張している。

設置する基本的なものを何にするか。
場所はどうするか。
色合いや雰囲気は・・・?

互いに話しながら、どんどんイメージを膨らませていく。
そんな中で、しっかりと定めたことがあった。

ひとことで言えば、

「質実剛健」

であること。

くわしく言えば、

1.「アウトドアを愉しむために、機能的かつスタイリッシュであること」
2.「手入れが簡単で、丈夫なこと」
3.「カスタマイズが可能であること」

この3つが大きな目標設定となった。

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キッチンや家具部分のイメージ。
板はヒノキやスギなどの無垢材を使う方向とした。

それにエイジング加工を施す。

エイジングとは、使い込んだ感じをあえて出し、アンティークな雰囲気をあえて出すこと。

上の写真はそんなサンプル。
白やオレンジなどのペンキを塗り、それをサンドペーパー等で磨いている。

最近、飲食店などでよく使われている手法であるが、あまりキャンピングカーの内装には使われていない。
だからこそいいかと思った。

傷がついたり汚れたりするのは当たり前!
がんがん使ってもらうにはちょうどいい。

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無駄な機能を省く。

そこから考えたのが、水回りである。
蛇口、ポンプ、ホース、シンク、清水タンク、排水タンク。
これがキャンピングカのキッチンの基本セットであろうと思われる。

が、軽キャンにつけれるシンクは30センチ✕20センチ程度の極小のもの。
パワーのあるポンプをつければ水が飛び散るし、あえて力のないポンプを高いお金を出して買うのもバカバカしい。
しかも大切な居住空間を少なくとも奪ってしまう。

だったら、水道という考えを忘れてしまって、タンクを上に設置し、重力を利用したサーバー的な発想でいこうかということになった。
タンクさえ、カッコいいものを選べば、見たも逆に荒々しくていいのではないか。

タンクの設置、水の補給も簡単で、かつ簡単に外でも使える。
真夏なら、屋根の上に放置しておけば、シャワーとしても使えるのではないか。

そんな想像が膨らむ。

とりあえず、タンクのイメージを考え、いろいろ調査してみることに。

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あと、棚である。
販売されているキャンピングカーのほとんどに収納スペースとしての棚がいくつか設けられている。
もちろんサルシカの軽キャンカーにも棚は必要である。

しかし、
その棚にひと工夫したい。

軽キャンカーの場合、調理や食事など、すべて車中でこなすのはムリがある。
キャンプサイトで落ち着く場合は、どうしても外でバーベキューなり、料理となるであろう。

そんな時、調味料や食器を車から運びだすのは結構めんどうなのだ。
結局、コンテナにひとまとめにしておいて、それを運びだしたりすることになり、棚が有効活用されなくなる。
で、あれば、棚に箱が収納できるようにして、そのまま運び出せるように出来ないか。
箱をつくるのはコストが高くつくので、既成のものを利用できないか。

写真の軍用のケースはあくまでイメージであるが、丈夫で使えば使うほど味が出るそんな箱を選びたいと思っている。

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ここまで打ち合わせをしてきて、さあ実際の制作作業をいつから、という話になって、

「えーんえーん」

と、泣き真似をする55歳のおっさん(笑)。

奄美大島から戻ってきたら、家具製作が数件入っているという。
だから何なのだ!!!

この軽キャンが完成するまで、きっさんに自由はない!!!(笑)

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きっさんとの打ち合わせのあと、吉川自動車へ。
ベースの車をいじる部分の担当は、サルシカ副隊長のキヨちゃんがやってくれる。

きっさんとも打ち合わせをしていて、やはり一番問題となったのは、サブバッテリーをどこに設置するか、である。

キャンピングカーの場合、車を動かくメインバッテリーとは別に生活用のサブバッテリーが必要となる。
これがそれなりに大きいので、場所の確保が大変なのだ。

これをベース車側の方で収めてくれると、居住空間担当のきっさんとしては非常に設計がラクになる。

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荷台の床下部分に収納されているメインバッテリを確認するキヨちゃん。

実は、ネットで調べたところ、このメインバッテリの横に無理やりサブバッテリを装着している人がいたのだ。
しかもそれは何例も見られた。

「とは言うものの、これはむずかしいでぇ・・・・
これいつまでにやるの?」

「来週中までには設置場所を決定したい」とワタクシ。

「えええ、マジでぇ!?」

キヨちゃんは頭を抱えるのであった。

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しかもそれだけではない。
外部電源から充電するためのアダプタをどこに設置するか、コードをどう引き回すか。
ヒーターの排気をどこへ出すか。

「どこに本体のヒーター置くの??
え、ここ??
あかん、ここはタイヤの上やから穴あけられやん・・・
どーしたらええんやあ、もう!」

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「ちょっと時間ちょうだい・・・・
一回しっかり調べるで・・・」

すっかりオカマ化し、頭を掻くキヨちゃん。
こうして、サルシカ軽キャンカーづくりははじまったのである(笑)。