「雨の合間ぎりぎり脱穀」第434回サルシカ隊がいく

投稿日: 2016年09月21日(水)11:43

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手植え、手刈り、天日干し。
昔ながらの農法でつくっているサルシカ第二田んぼのいよいよ脱穀である。

が、その日は朝からしとしとと雨が降っていた。
本来ならば、雨に濡れた稲わらを脱穀するなんてありえない。
乾くまで更に待ってやるべきである。

が、接近してきている台風の影響で、この日から数日はずっと雨。
しかもそのあとに大型の台風本体が、この三重県をめがけてじわじわと近づきつつあったのだ。

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朝6時30分。
雨があがった。

サルシカの農業担当である中谷の父ちゃんとわたくしは、田んぼのはさがけをチェックしにいく。

稲わらはしっとりと濡れている。
モミも表面に出ているものは濡れているが、奥のものは全然濡れていない。

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脱穀をやるか。
見送るか。

判断に迷う。

きょう脱穀を見送ると、台風がすぎさる5日後ぐらいまではまったく乾燥しない。
そこから数日乾燥させて脱穀になるが、その間にモミから芽が出てしまう可能性があるらしい。
発芽したら栄養分がそこにとられるので、うまみは激減するという。

うーむ。
ますます悩む。

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サルシカ秘密基地へ戻り、主要メンバーで検討会議。

仮に脱穀をやると決めても、みんなが集まってくれるのは午前9時。
が、お天気レーダーを見ると、午前9時すぎには次の雨雲がやってくる様相なのだ。

途中で脱穀を中止することになると、乾燥の状態が違う米をつくってしまうことになってそれも困る。
うーん、どうするどうする。
みんなで真剣に悩んだ。

そして30分以上悩んで出した結論・・・
とりあえず雨が落ちてこないことを祈ってやれるところまで準備しよう、であった。
つまり出たとこ勝負である(笑)。

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午前8時30分。
参加者が集まってから移動させようと思っていた脱穀機を事前に移動させる西川の父ちゃん。

午前9時の開始時間になったら、すぐさま脱穀をスタートさせようという作戦。
少しでも早く脱穀を終え、雨を逃れるのだ。

ちなみに脱穀機などの機械はこんな細い道を通って田んぼへと運ぶ。
右側は崖っぷち。
ずるずる落ちたら、間違いなく死ぬ。

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こんな斜面もある。
中山間地の農業は本当に楽ではないのだ。

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サルシカ副隊長のキヨちゃん、秘密兵器を持って登場!!!
エンジン付きのブロアー。

はさがけされた稲わらに、それで強烈な風を吹き付け、雨滴を飛ばす。

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そしていよいよ脱穀開始。
はさがけからモミがたくさんついた稲を外し、脱穀機に放り込んでいく。

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脱穀を終えた稲わらは、バケツリレーでもとのはさに戻される。
稲は濡れているので再度乾燥させる必要があるのだ。

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この美しい連携プレイを見よ!!
地域を思う熱い思い、人のつながりがおいしいお米をつくるのだ!!!

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今回初参加の中村くん。
なんと20代!
さわやかに笑いながら脱穀機を扱う。

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サルシカ軽キャン担当大工の坂下さん。
なんと40代!
せり出た腹を隠しつつハアハアと稲わらをはさにかける(笑)。

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モミがついていないワラだけのはさがけ(笑)。
が、ワラも、ヤギのエサに、壁土の材料に、大切な材料なのだ。

このあとやってくる台風に吹き飛ばされないように紐でくくりつける。

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午前9時にスタートし、わずか30分で脱穀作業完了。
その間、奇跡的に雨は落ちてこなかった。

秘密基地へ戻り、ホット一息したところでザーッと降り出したのであった。

次回へつづく。