サルシカの軽キャンカーづくりの日々が続いている。
友人や仕事関係など、あちこちから、
「あのサルシカの軽キャンカーってなんだ??」
「もう実車を見ることができるのか??」
「お、おれもつくってくれ!!」
などなどの声をいただいている。
期待をしてもらってありがたい限りである。
が、まだ完成までの道のりは遠い。
ようやく山すそにとりついたぐらいの段階である。
もう少々待たれい。
大工の坂下さんによる夜の木工作業がはじまった9月某日。
日中の空き時間を利用して、隊長のわたくしはカースレテオの設定。
モニターの壁紙を変更できるというので、わざわざPhotoshopで制作してみた。
電気工事関係のプランニングも。
必要な機械はすべて揃っている。
のこりはケーブルのみ。
大切なのは、各機械の大きさ。
このすべてが収まる空間を確保しなくてはならないのだ。
サイズをはかって、大工の坂下さんに伝える。
連日つづく、大工の坂下さんによる夜の木工作業。
夕方6時から夜の8時まで。
もはや定番の作業になってきた(笑)。
この日はテーブルを制作。
カットは坂下さん。
ペーパーがけは隊長のわたくし。
塗装は中谷のとうちゃん。
おじさんばかりの流れ作業(笑)。
そして、9月下旬のある日・・・・。
ついに壁(棚やキッチン)の制作作業に入る。
まずはデコボコの壁の型を取る。
これがなかなか大変な作業。
プラスチック板を利用し、少しずつそれをカットしながら型をとっていく。
型取りをする専用の道具なども使うが、最後は大工さんの職人的な技である。
細かく、何度も。
カットしては現物に合わせて確認。
が、こうしてイメージが具体的になっていく中で、大工の坂下さんと隊長のわたくしはあることに気づいたのだ。
これまでさんざん打ち合わせをして、レイアウトやデザインをつくってきたつもりであった。
が、ベース車のエブリイは、箱型のバンとはいえ、すべてがまっすぐではない。
思っていたところに思っていたパーツが入らない。
見た目には大した問題ではないが、道交法というか安全上大きな問題があるのではないか。
夜の作業4日目にして、われわれは大きな落とし穴に落ちたのである。
坂下さんとわたくしはとりあえずくるくる回る寿司を食べながら、気持ちを落ち着かせ、さらに打ち合わせ。
が、考えれば考えるほど、問題をクリアするアイデアや道すじは見つからなかった。
「やり直そうか」
大工の坂下さんは言った。
「もう1回ゼロから考え直した方が早いんじゃない? そうしようよ」
大きな決断だった。
これまでの4日間の努力をすべて捨てることとなったのだ。
坂下さんとわたくしはノンアルコールビールでカンパイ。
ノンアルビールは涙の味であった。
次の休日。
私は朝6時から午後2時まで、軽キャンカーの小さなベース車にそれこそ閉じこもって、ひたすら考えた。
まさに軽バンの中の修行僧(笑)。
が、考えに考えれば、アブラ汗と共に何かがひねり出せるものだ。
ちょっとしたひらめきから、問題解決のいとぐちがつかめた。
それを絵にしているが、あまりに下手すぎて何を描いているのかわからないと思う。
でも大きな発見があったのだ。
図面とアイデアをまとめてメールで大工の坂下さんに送ったが、絵が下手すぎて全然伝わらず、結局翌日、膝を突き合わせて打ち合わせ。
大工仕事を一切せず、とことん問題点を確認していく。
先日、われわれが行き詰まった問題は、見事に迂回できていた。
しかも、これまでの作業でつくってきたものをすべて捨てるのではなく、半分程度はそのまま使えることがわかった。
「いける! いけるよ、これ!
なんでこんな単純なことを思いつかなかったんだろ」
大工の坂下さんは率直に驚き、わたくしの軽バンの修行の成果をほめてくれた。
シンプルであること。
これまでの当たり前を疑ってみること。
とりあえず、試してみること。
これが大事なのだ!(たぶん)。
サルシカの軽キャンカーづくり。
少し後退したけれど、今度はスキップで前に進む!
これからどんどん形になっていくので、どうぞお楽しみに!!!!