まさか、あんな波がやってくるとは思ってもみなかった。
あれはまるで、年に一度アマゾン川を遡上するポロロッカのような勢いであった。
右から左からお客さんが押し寄せ、まさに溺れる寸前であったのだ。
大門の商店街で開催されていたジャズ・ライブ。
津ぅのドまんなかバルと同時開催で、津ぅのドまんなかジャズも!
街に音楽があると、一気に賑やかになる。
さて、
用意した伊勢まぐろのお刺身は400人分。
午後2時の段階で120ほどの数が出ていた。
さすがにお昼時間をすぎたあとは、比較的のんびりの時間になりつつあった。
残りの分、すべてお刺身にするか、少し残しておくか。
悩みどころであった。
わたくしは、これまでに津ぅのドまんなかバルに参加して、バルメニューの限定数があまりに少ないこと、ほとんど店が夜9時にもならないうちにバルメニュー完売のお知らせを出すことを不満だと言っていた。
夜遅い時間になると、チケットがあるのにそれを消費するお店がなくなってしまうのだ。
だから、われわれが「すみす」として参加する以上、絶対に売り切れないだけのバルメニューを用意すると宣言していた。
これまでの実績では、1軒のお店で最高にバルメニューを販売した数はおよそ200と聞いていた。
だからわれわれはその倍の400を用意した。
これだけあればさすがに大丈夫であろう、と思っていた。
カメラを担当している中谷のとうちゃんと町へ出ると、バルのパンフレットを手にした人たちが何組も歩いていた。
人で溢れていたと書けない程度であったのは寂しいが、いつもは人の姿が見えない時の方が多いのだから仕方ない。
バルに参加しているお店を何軒か訪ねてみた。
メガネの服部 with ラーメンいたろう。
通常はメガネ店であるが、人気のラーメン店「いたろう」のおつまみセットを販売。
ビールを飲むことができる。
陳列してあるメガネを眺めながら、ちょっと1杯。
眼鏡のクリーニング、調整もしてもらえる(笑)。
ご存知の平治煎餅本店。
恭子ちゃんが笑顔でお出迎え。
せんべいアイスとドリンク(コーヒーorオレンジジュース)で500円。
アルデンテでは、こんな変わり種も!
いま話題の、尾鷲の梶賀のあぶり(魚の燻製)と飲み物をセットにして販売!
3年連続参加!
安定の人気の入栄軒。
老舗の味のタンシチュー、
もしくは松阪牛のほほ肉のワイン煮込みからチョイス。
夕方4時。
夜の分の伊勢まぐろのお刺身を池田屋さんに引き取りに。
戻ると、すでに陽が落ちつつあり・・・
完全に暗くなると、ぞわぞわぞわと一気に人が押し寄せてきた。
一気に行列が出来る。
とても9席のカウンターではまかなえない。
さすがに歩いて数分のまんなか広場にテイクアウトする人は少なく、ただただ混乱を極めるだけであったので、広場から椅子やテーブルを店のまえに移してくることに。
すみすのまえの100円ショップに声をかけたら、「うちはかまわんよ〜」と快く許してくれた。
が、その臨時客席もすぐさま埋まる。
店内のカウンター、臨時客席を使っても行列はどんどん伸びていく。
ついには道端で食べる方も。
すいません、ほんとに。
大澤屋さん親子もやってきてくれた。
夜の部には、熟女歌姫のまりりんや、みずのっち、M子がヘルプで入ってくれることになっていた。
昼の部から働いている人間と交代しようという計画であったが、とても交代している状態ではない。
結局、昼からの人はぶっ通しで店に立っていた。
「隊長、あと伊勢まぐろが100人前もありません」
夜8時になろうとする頃であったろうか。
女将のすみちゃんが店の外に出てきてつぶやいた。
「うそ。ペース早すぎるやん」
「早いんです、めちゃくちゃ、嘘みたいに」
すみちゃんは疲れて青白い顔をしていた。
午後8時半。
伊勢まぐろとセットにして出していたすり天が完売。
赤ウインナーや唐揚げに変更して、お客さんにお詫びをして販売を継続。
午後8時45分。
伊勢まぐろ販売直前。
実は、スタッフの打ち上げようにと、すでに車の中に隠していた中落ちを出すことを決意。
中谷のとうちゃんに指示を出すが、とうちゃんなかなか動かず。
涙目で「イヤだ」と言っている。
さもありなん。
われわれスタッフは、スタート前のまぐろの赤身を一切れずつしか食べていないのだ。
「おとうちゃん、お願い! お客さんのためだから!」
女将のすみちゃんが、とうちゃんに言うと、とうちゃんはこぼれる涙を隠すように、駐車場へと走っていった。
そしてどっさりと重い中落ちをもってきた。
それをスプーンですくい、刺し身と合わせて出す。
よく考えてみたら、一番おいしいところじゃん。
が、最後のあがきもそこまで・・・・・
午後9時、中落ちで増量した伊勢まぐろのお刺身もついに完売。
その数430・・・・。
われわれはすぐさま店のあかりを落とし、看板を片付けた。
そして隊長のわたくしは本部へ入り、バルメニューの売り切れを報告・・・・。
あれほど売り切れにしないと豪語したのに・・・・
申し訳ない・・・・・
本部の増田くん、そしてこれから楽しみにしてくれていたお客さんにお詫びした・・・・・。
閉店後のすみすにて・・・・
残ったビールと、誰も食べることができなかったお昼ごはん用のおでんでカンパイ。
恐るべし、伊勢まぐろの力!!
全力を出し切った戦いが終わった・・・・。
その後、
サルシカ副隊長のキヨちゃんと高木さん、そしてまりりんは夜の町へ・・・・。
まりりんスモークが出るステージで熱唱!!
あの〜、ここでぽろりと報告しますが、まりりんのお店つくります。
昭和の歌しか唄えない、ひょっとしたら歌うのはまりりんばかりでお客さんは一切唄えない・・・・
昭和テイストばりばりの歌のお店になる予定です。
また工事のヘルプを頼むぜぇ、みんなあ!!(笑)