写真/エネオス稲ちゃん 文/サルシカ隊長
2017年5月14日に開催された紅茶づくりイベントのレポート第3弾である。
地獄の揉捻作業が終わった。
茶摘みを終えて基地へ戻ってからおよそ1時間。
20数名の労働者たちは、額に汗を浮かべ、腕をぷるぷるさせながら、すべてのお茶を揉み終えた。
「もう腕があがらない・・・・」
「プルプルする・・・」
疲れ果てた労働者たちが口々にいう。
「そうかそうか、じゃあ、カレーのスプーンも持てないだろうからお昼ごはんがいらないね」
わたくしが鬼のようにいうと、労働者たちは涙目になって、
「ひとでなし!!」
と、叫んだ。
よしよし、いいぞ、ようやく強制労働の雰囲気が出てきた(笑)。
揉み終えた茶葉たちは、温浴タイムだ。
水槽に張ったお湯は40度。
ちょっとぬるめのお風呂って感じ。
ビニールに茶葉を入れて口をしっかり結び、お湯に放り込む。
1時間ほどで発酵するはずだ。
が、発酵のためには酸素が必要で、何度かビニールの口を開けて酸素を供給してあげた。
さあ、人間には栄養の補給だ。
朝からつくっていたカレーが完成していた。
そしてこの隣では、羽釜で4升の米が炊きあがっていた。
もちろんサルシカ米である。
配給の時間。
この時ばかりは、「ようがんばったな」と、やさしい声をかけるのだ。
が、中谷の父ちゃんはそれも面倒になって、男性陣には「自分でよそって食え」と。
扱いがずいぶん違うのだ。
サルシカのイベント恒例の50人前カレー。
味付けと仕込みは、隊長の妻・・・つまりわたくしの妻のM子が担当しているのだが、最近はいつも50人前。
20人であろうと30人であろうと、メンドーだからいつも50人前仕込む。
「だいじょうぶ! あればあるだけ食べるから!!」
もはや彼女は100人分のカレーをつくれと言っても動じないであろう。
肝っ玉母ちゃんになったのだ。
食後。
デザートは3時のおやつタイムまで持ち越しなので、口さみしい参加者たちは、羽釜のおこげに群がる。
「うんまあ!」
奪い合うように食べる。
先生の池田夫妻もしばしの休憩。
子どもたちはヤギにエサをやって遊んだり。
オトナは昼寝を楽しんだりの数十分。
プールに浮かんでいる茶葉を確認すると、ビニールを開けなくても茶葉が発行して赤くなっているのがわかる。
口をあけると、甘酸っぱい紅茶の匂いがした。
どうやら無事発酵したようだ。
このまま放置しておくと、どんどん発酵してしまうので、発酵を止めなくてはならない。
発酵を止める方法は、ずばり熱を加えることだ。
100度以上の熱を加えれば、発酵はそこで止まってしまう。
オーブンに入れてもいいし、鍋で炒ってもいい。
しかし熱を加えすぎると、焦げてしまって味が変わってしまう可能性もあるので、今回は電子レンジで加熱することに。
およそ2分レンジでチンして発酵を止めた茶葉をさらに乾燥させるため、テーブルの上に押し広げていく。
ご覧あれ。
あんなに緑だった茶葉がわずか1時間で、こんな黒黒とした色に。
香りもまったく変わっている。
発酵の力、恐るべしである。
みんなで試飲もしたいので、それはオーブンでじわじわと乾燥させる。
焦がさないように、ときおりフタを開けてチェックし、水蒸気を外へ掘り出しながら・・・・。
そしてついに完成!!
三重県津市美里町平木の完全無農薬、無肥料でつくった紅茶!!!
次回、シリーズ完結!!
いよいよ紅茶を飲みます!!!