ようやくキャンプ地に到着した。
ようやく、と言っても、午後2時に瀞峡の瀞ホテル下から漕ぎ出て、到着したのは午後4時。
わずか2時間。
距離にして5キロほどの川くだりだったのだ。
今回は何より、「川くだりをしながらキャンプをしたい!」であったので、まあこれでいいのだ。
キャンプ地に着いた途端、すっかり笑顔のケロリン。
「さー、ビールビール、枝豆にテントテント」
何やらずっと2回繰り返しうるさいのだ。
フネを引き上げるまえに・・・・・
まず最重要ミッション!
ダムをつくって川水で缶ビールを冷やす。
万が一、ビールを流してしまったら、ただではすまないのだ。
これはそれほど重要なミッション。
隊長のわたくしにしかできない仕事なのである。
ケロリンはこの川くだりのために先週買ってきた新品テントを張る。
超小型やね。
中谷の父ちゃんを見ると、なぜかわたくしがこのゴールデンウィークに購入したモンベルのムーンライトという定番テントを張っている。
「父ちゃん、なんでオレのテント張ってくれてるの」
父ちゃんはなぜかニヤニヤして答えない。
あっと思って自分の荷物をみると、ちゃんとわたくしのムーンライトは置いてあるのだ。
「買ったの??」
「だってさ、隊長も買ったし、ケロリンも買ったしさ」
「持っとるやん!」
「でも新しいのが欲しかったの」
まあ新しいを買ったのは個人の勝手だからいい。
しかしなぜわたくしのテントとオソロなのだ。
オソロのムーンライト。色違いなのがせめての救い。
前々から中谷の父ちゃんとわたくしは好みや嗜好性が非常に似ていて、相談したわけじゃないのにオソロのモノがいっぱいあるのだ。
LEDライト、ヘッドランプ、バッグ、帽子・・・
ふたりのおっさんが、オソロだらけでそこらへんを歩いていたら気持ち悪いだろ。
ただでさえ、ふたりの関係をめぐってはいろいろなところでいろいろな噂になっているのだ(笑)。
「ね、なにも同じテント買わなくてええやん」
「でもさあ、モンベルに行って利用シーンを伝えたら、これを進められたから」
「そりゃそうだろうよ、おれもそうしたんだから!」
「やっぱりいいんだよね、これ」
「そりゃそうだって、だからおれも買ったんだから」
「ね、だからおれも買ったの」
なんだか訳のわからん論法で、わたくしを納得させようとするのである。
こちらはわたくしのテント内。
購入してはじめて使うムーンライト。
が、すぐとなりにも同じテントがあり、中で同じくおっさんがニマニマして横になっているのかと思うと、素直に喜べない。
フネをすっかり河原にあげてしまって、それぞれのフネをくくりつける。
風が思いのほか強い。
ファルトボートはともかく、パックラフトなんて2キロぐらいの重さしかない風船みたいなものだから、強風が吹いたらそれこそ凧のように舞い上がってしまう。
突風が吹いてもいいように対策をしておく。
焚き火用の薪を集める。
そして、ようやく乾杯!!!
まあ、火の準備と寝る準備だけはちゃんとしてから飲まないと、あとからだとイヤになっちゃうからね(笑)。
川に浸していたのは30分程度なのに、いい感じで冷えていた。
冷たいカンドーが喉から腹に落ちていくのがわかる。
「ソーセージは焼くより茹でたほうがうまいんだぜ」
シャウエッセンを湯に投入する隊長のわたくし。
今回用意した食料と飲み物は・・・・
ビール6本(ひとり2本ずつ)
ウイスキー(1本)
冷凍枝豆(2袋)
ソーセージ(2袋)
ちくわ(2袋)
柿の種(1袋)
シメのチキンラーメン5袋
すなわち超簡単!
すぐさま飲んで食べたいという超割り切りメニューなのであった(笑)。
めずらしく隊長のわたくしが釜爺を担当。
たまには火の扱いを隊員どもに見せて教えてやらねばならぬ。
これも隊長のつとめだ。
そんなわたくしの大切な教えを、まったく聞いていないふたり。
まったく!!!
夜7時過ぎ。
ようやく暗くなってきた。
きょうは朝早かったし、5時前には飲みはじめちゃったので、おじさんたちはもうすでにお眠む。
が、たき火の炎を囲んで人生を語り合い、写真を撮らねばいかんだろう、と必死に目をこすってがんばる。
が、それも8時まで。
限界。
本日終了〜!!!!!
こうして幸せのキャンプの夜はあっという間に過ぎていくのであった(笑)。