この決死のドキュメントは、「とってもワクドキ!」(三重テレビ 18:00~18:55)にて、7月15日と22日に連続して放送された「エコみえ倶楽部/ヤッホー・サルシカ・エコ探検隊/幻のモリアオガエルを探せ!」の裏側をまとめた緊迫のレポートである!
その日は、今にも泣き出しそうな曇天であった。
三重テレビに入ったワタクシ、サルシカ隊長のオクダは、今回のロケがどれほど大きな規模であるのか、どれだけ危険をともなうものなのか、そして日本、いや人類にとって重要なものかを思い知ったのであった。
三重テレビのロケ車にはこれまでにない量の機材が積み込まれていた。
なんと、ワクドキのロケ史上初の赤外線カメラまでもレンタルされて搭載されているではないか!!
三重テレビのキャラクターの「エムッとくん」と「ビッとちゃん」も、いつになく緊張気味なのであった(いえいえ、ノーテンキに笑ってますね)。
午後4時。
三重県三重郡菰野町湯の山温泉、御在所ロープウェイ駐車場に到着。
湯の山温泉は、映画「男はつらいよ」の第2作の部隊となったところである。
その温泉街を抜けたところにロープウェイ乗り場がある。
ここで、三重県が生んだ落語家で、サルシカ隊特別隊員の林家染弥、そして菰野町の宣伝部長、ヤッホー探検隊の森隊長と合流!
撮影隊5名と合わせて、計8名の男が、霧雨が降りだしたご在所に結集したのである。
今回、ヤッホー探検隊の森隊長、そしてエコみえ倶楽部リポーターの染弥さん、そしてサルシカ隊長のワタクシがチームを組むということで、新チームを結成!
「ヤッホー・サルシカ・エコ探検隊」と命名されたのである。
まるで合併を重ねた銀行のようだ、と染弥さんは笑ったが、まさにその通りである。
三菱東京UFJみたいなのだ(笑)。
さて、ロープウェイ乗り場の前で、今回の探検のミッションが言い渡された。
「泡の中でタマゴを生むという、幻のモリアオガエルを探せ!」
である。
モリアオガエルとは、水面上にせり出した木の枝などに粘液を泡立てて作る泡で包まれた卵塊を産みつける。
孵化したオタマジャクシは泡の塊の中で雨を待ち、雨で溶け崩れる泡の塊とともに下の水面へ次々と落下する・・・・という、とても変わった生態のカエルなのである。
生態域である森林地帯の減少と共にその数は減りつつあり、特にこの7月上旬の季節は成体を見つけにくいという話である。
そのモリアオガエルが、標高1200メートルの御在所岳山頂付近に生息するという話を聞き、我われは御在所ロープウェイに。
機材が多いため、2台のロープウェイに分かれて山頂に向かった。
山は濃霧に包まれていた。
上も下もわからない。
それがせめての救いであった。
すでにご存知の人も多いかも知れないが、サルシカ隊長のオクダは、「超」がつく高所恐怖症である。
実はおととし、この御在所ロープウェイに家族で乗ったとき、あまりの怖さのためにイスに座っていられず、床に座り込んだ・・・というチキン野郎なのである。
しかも、今回は荷物が多くて床にしゃがむこともできない。
カメラがまわっているにもかかわらず、サルシカ隊長は終始無言で下を向いていたのである(まことに情けないのである)。
御在所ロープウェイの山頂駅である。
真っ白。
何もみえない。
時おり、カミナリがゴロゴロ鳴っている。
ホントに大丈夫なのであろうか。
午後5時。
ロープウェイの最終便が山頂駅を出る。
そして・・・ロープウェイは止まった。
絶望・・・・。
チラリと見た染弥さんの顔には、そんな言葉が浮かんでいた。
標高1200メートルの山頂に取り残されたのである。
これから陽が暮れるのである。
もう明日の始発までどうすることもできないのである。
ここが、我われの今晩のベースキャンプ地である山頂レストラン「アゼリア」である。
当然、普段であれば人がいるはずがないが、今回はロケのためにスタッフを残していただき、私たちの食事の世話などもしていただけるのである。
非常にありがたいのである。
ロープウェイにはあまり乗りたくないが、御在所ロープウェイさんには「感謝!」なのである。
このベースキャンプ地にて、作戦会議。
まず、ヤッホー森隊長とサルシカ奥田隊長の間で激しい隊長争奪戦が繰り広げられる(笑)。
が、その隙にまんまと隊長の座を染弥さんに奪われてしまったのである。
まあ、それはいいとして、困ったのは呼び方である。
誰かが「隊長」と呼ぶと、みんな振り返ってしまうのである(笑)。
3人が3人とも「隊長」になってしまったのだ。
指令系統もクソもないのである(笑)。
そのあと、マジメにモリアオガエルの目撃例の多い地点を地図で確認。
そして2ヶ所に前線基地としてテントを張ることになった。
*国定公園のため通常はテントの設営はできません。今回は特別に許可をいただきました。
A地点は神社のある池周辺。
B地点は湿地帯周辺の広場。
ちなみに上の写真はB地点のテント。
これはバカエミ一家に借りてきたものである。
「壊すなよ」とバカエミに言われていたので、慎重にテントをたてる。
「バカ染」とバカエミに呼ばれる染弥さんは、まったくテントのつくり方がわかっていない。
「ホラ、隊員たちよ、しっかりかんばれ」
と、口ばかりである。
隊長たるもの、こうではいかん、と自分を戒める(笑)。
夜7時。
いったんベースキャンプのアゼリアに戻って夕食。
なんとバーベキューが用意されていた。
ありがとう、御在所ロープウェイ!
乗るのはイヤだけれど、好きです。愛してます!!
食後・・・。
「もうイヤだなぁ・・・・。帰りたいなぁ・・・・。雨もどんどん降ってきたし・・・・辛いなぁ」
と、半ばふてくされつつ、しかし笑いを取るブログをしっかり書いている染弥隊長。
染弥隊長は、ロケの直前まで東京で仕事で、そのまま新幹線でやってきてそのままロープウェイで標高1200メートルなのである。
しかも、明日は昼過ぎから大阪の岸和田で落語だという。
東京と大阪、その仕事の合間にはさむには、標高1200メートルの完徹ロケはあまりに過酷なのである。
で、時間もあると、いろいろ考えはじめてしまうのだ。
だいたい誰もいないのだ。
テキトーに探してるフリして、ああ残念いなかったといえば、それで済むのだ。
そもそも見つからない可能性が高いのだから、それでいいではないか、さあ酒を呑んでみんなで寝てしまおう!
そうだそうだ、そうしよう!!
染弥隊長とオクダ隊員は、D(ディレクター)タチカワに何度もそう言いました。
誘惑しました。
しかし、ヤツは普段テキトーな生き方をしてるくせに、こういうときはマジメなのである。
「いや、ワタシはやらせはしませんから」
と言い張るのである。
そして夜8時から2時間、夜11時から2時間、夜3時から2時間、それでも見つからなければ朝も2時間探索するというのである。
「カメラのビデオテープもバッテリも十分ありますから」などと言うのである。
染弥隊長とワタクシは、どうやってDタチカワを口説き落とすか考えた。
それでもダメならカエルを探すフリして崖から突き落とすか、とすら考えたのである(笑)。
ヘッドランプをつけた怪しい探検隊である。
左から森隊長、染弥隊長、そしてワタクシ奥田隊長である。
午後9時。
小雨の中、大の男3人がカエルを探す。
見つかれば、それでおしまいなのだ。
暖かいお風呂とビールと布団が待っているのである。
もう真剣なのである(笑)。
まず、森隊長がヒキガエルの子供を見つけた。
そしてワタクシもヒキガエルを見つけた。
どんどこどんどこ、ヒキガエルばかりが出てくる。
そしてついにアカハライモリを発見。
こいつは、モリアオガエルの天敵であるという。
つまり、アカハライモリがいるということは、モリアオガエルがいるということなのである!
「よーし!これはいけるぞぉ!!」
我われは妙にハイテンションになって、葉っぱの裏や石の裏を探すのであった。
が、この日の山頂の気温、たぶん15度ぐらい。
通年札幌より2℃低く、真夏でも赤とんぼが飛んでいるところなのである。
しかも雨。
体がどんどん冷える。
足が疲れてジンジンしてくる。
午後11時。
ベースキャンプのアゼリアに帰還。
なんと3時間も夜の山を歩いていたのである。
確かに熱中はしていたが、アホだ。
アホすぎる。
疲労困憊。
みんなイスに座るなり、動かず、しゃべらない。
そして日付が変わって2度目の出撃。
またB地点からまわってA地点へ。
もう午前2時をすっかり回っていた頃であろうか。
A地点の池のほとりで、森隊長がモリアオガエルらしきものを発見!
直径5メートルほどの小さな池なのであるが、まわりをうっそうとした木に囲まれ、やすやすと回り込めない。
森隊長が左から、染弥隊長とワタクシが右から、モリアオガエルらしきカエルを追う。
覆われた笹の葉との格闘。
足場の確保すらむずかしい中、ついに、森隊長がモリアオガエルの捕獲に成功!!
このわずか30分の捕獲劇は、まさに緊迫のドラマであった。
本当に緊張したし、本当に真剣だった。
いろいろなことがあったけれど、どれだけ文字で書いても伝わらないのであきらめる。
テレビを見ていただいた人は、なんとかあのオバカ緊張感がわかっていただけると思うのだが・・・・。
まさに奇跡の瞬間!!
モリアオガエル捕獲直後、携帯で撮影したものです。
8名の男は大コーフン状態。
撮影を終え、ベースキャンプに戻ったらもう3時を回っていました。
早く寝ればいいのに、コーフンして寝られず、ビールを呑んだりして4時も回り・・・・。
アゼリア2階の大広間に布団を敷いて、みんなでしばしの睡眠。
が、見てください、このみんなのうれしそうな顔。
モリアオガエルを完璧にとらえた某カメラマンは、このまま枕投げでもしてしまいそうな雰囲気です(笑)。
翌朝。
7時前に起床。
きのうの雨がウソのように快晴。
遠くまで見渡せる。
昨夜というか数時間前、早く寝りゃあいいのに、なにやらコーフンしたDタチカワはガンダムの話に夢中になり、「エドワゥ・マスが、どうしてシャア・アズナブルになったか・・・」などという超マニアックな話を布団に入ってもえんえん続けた挙句、携帯でyoutubeの作品を見だす始末。
ワタクシは付き合ってらんないので、早々に寝ました(笑)。
なんと特別にお風呂まで沸かしてもらってあったので、朝風呂をいただきました。
これぞ御在所温泉。
眺めもサイコー!!
しかも朝食までいただいて。
何かから何まで本当にすいません!!
ワタクシ、なんとか高所恐怖症を克服し、ロープウェイに乗り続けることを誓います!(笑)
最後に、森隊長、染弥隊長、そしてワタクシの3人で、簡単なまとめと、戦い終わって山を見つめる姿(笑)を撮影してロケ終了!!
始発のロープウェイに乗って下山。
長い戦いが終わったのだ。
7月22日、「とってもワクドキ!」で完結編の終了後、FAXやメールでたくさんの当初をいただいた。
みなさんに楽しんでいただけて何より。
この探検隊シリーズはどうやらこれからも続く・・・・ようです。
はあ~。