photo/Jun Kano txt/Hirohisa Okuda
より大きな地図で 松阪市飯南町粥見 を表示
鮎で有名な清流・櫛田川
日本全国、いや世界各国の牛肉ファンのみなさん垂涎の松阪牛のふるさとにやってまいりました。
いつものごとくフォトグラファー加納と私のヘビー級コンビ。
ちなみにボクたちは中学校からの友だちです。
ヒゲが生え、頭が薄くなった今も、こうやって「取材」と称して遊んでいます。
伊勢自動車道を松阪で下り、国道166号を飯南、飯高方面へ。
道の駅「茶倉」の手前が、目的の粥見(かゆみ)です。
櫛田川沿いに「たかお農機」の看板を発見
少し前だが、農業機械の販売・修理をやっている「たかお農機」の高尾さんからサルシカ隊宛のメールをもらったのだ。
「松阪牛のふるさとで、薪ストーブ、薪集め、いろいろやってます! ぜひ一度遊びにいらっしゃいませんか? いい川遊びスポットも紹介しますよ!」
「松阪牛!?」
「薪!?」
「川遊び!?」
ただちに反応し、突撃してしまうのがサルシカ隊なのである。
たかお農機は櫛田川の前、茶畑の中にあった。
なんと、お茶摘取材でお世話になった中村製茶さんのすぐそばである。
ご主人の高尾さんは、店前で栽培しているトマトなどの世話をしつつ、私たちを待っていてくれた。
「ああ、どうも。よく遠いところをよくきてくれました」
物静かで少しシャイ。
そんな感じの高尾さんはヘビー級取材班を歓迎してくれた。
高尾直生さん、39歳。
10年ほど前から、お父さんのお店を手伝いはじめる。
5年ほどまえにお父さんが引退し、今は奥さんと二人で切り盛りしている。
「農家の方々は土曜も日曜も関係ないので、ウチも土日は基本的に営業してます。
用事があるとき、どうしても休まなきゃならんときが休みです」
お茶農家がキビシイ状況なので、こちらも当然キビシイ。
しかし、高尾さんは「待つ」だけでなく、自ら「提案」して新しいビジネスチャンスを探っている。
高尾さんは、何でもまず自分で試し、それを農家の方々やお客さんに提案する。
せまい田舎町だから信用が第一。
そして高尾さんは薪ストーブと薪の達人でもある。
趣味で自宅に入れたところ、はまってお店にも入れ、そのうち商品としても取り扱うようになった。
お店のそばの薪置き場を見せてもらうことにした。
高尾さんは、お店で薪ストーブやチェンソーを買ってくれた人へのサービスとして、薪とりイベントを開催している。
「いやあ、イベントといってもホントのウチウチですけどね。伐採現場で雑木が出たりすると、メールでメンバーに呼びかけて、みんなでチェンソーで切って運んで・・・。
だって独りでいっても運べる量なんて知れてますもんねぇ。だったらみんなでいって、ドカーッと運んだほうが楽だし、楽しいなぁ、と思って」
—それはいいですねぇ。サルシカでもそういうのやりたいなぁ、って話してたんですよ。
そのサービスは無料なんですか。
「まったくのボランティアです。というか私も薪が必要ですしね・・・楽しんでやってます」
薪ストーブを設置したのはいいけれど、そのあとの薪の調達で苦しんでいる人がいる。
買ったら、灯油より高いのが薪である。
「今後はそういう人たちに薪の情報を提供したり、回収イベントもやっていきたいですねぇ」と隊長と私と高尾さんは盛り上がるのであった。
スペイン製の30ウン万円の薪割り機で薪割り実演をしてもらった。
太い薪が軽々と割れる。
この数年で7~8台売りましたよ。奥田さんも一台どうです?
「ほしいけどボクの小遣いじゃムリです!!」
続いて、近くのお得意さんに挨拶してまわるという高尾さんに、我われもついていくことに。
そこで我われは、あの、ファン垂涎の、それも生きている、アレに会ったのですね!