写真/フォトグラファー加納 文/サルシカ隊長
人が入れ代わり立ち代わりどんどんやってくる。
飲み、食べ、笑う。
商店街は煙と熱気で包まれていた。
地鳴りのようなざわめきの中で、わたくしは立ち尽くしていた。
立ちっぱなし、歩きっぱなしで足も腰も痛かった。
もう限界を越えていた。
ふと立ち止まると、ぼんやりとあたりを眺めてしまう。
「あのいつもは閑散としている商店街になぜこんなに人がいるんだろう・・・・」
「なぜいまわれわれはここで走り回っているんだろう・・・」
「いまここで何をしていたんだっけ・・・?」
誰かに声をかけられ、夢から覚めたように現実に戻される。
また地鳴りがあたりに戻ってくる。
肌に汗がふつふつとにじみ出てくるのを感じる。
「そうなのだ、きょうは大門まちなかバーベキューの最終日であったのだ!」
昨夜、七夕のバーベキューを終え、片付け、そのあと打ち上げで飲んで、軽キャンカーにころがりこんだのは夜中の2時すぎであった。
朝7時に目を覚まし、山の秘密基地へと帰る。
まずはスタッフTシャツの洗濯。
そのあとあれこれ用事をしていたらもうお昼。
大門商店街に戻る時間なのだ。
午後2時から設営。
4回目にしてテーブル位置が完全にきまる。
ほぼパーフェクトな段取り。
毎度思うけれど、イベントって終わる頃に完成形になるのよね。
で、また翌年になるとすっかり忘れててゼロからスタートなのよね(笑)。
サルシカはなるべく記録を残す主義なのでゼロにはならないけれど、メンバーが変われば段取りも変わる。
ま、それは仕方ないことやね。
準備が早く終わって・・・・。
この緊張感のなさ(笑)。
「ま、きょうは最終日だしさ」
「特に大きなイベントがまわりにないしさ」
「七夕のあとだしさ」
「ま、きょうはヒマじゃね」
「んだんだ、ヒマだったら早じまいしてスタッフでバーベキューしちゃおうぜ」
なんて話してる。
「ま、きょうは飲もまい」
「暑いしね〜」
「最終日だし!」
と、ドリンクチーム。
ランタンのスタッフチームなんか記念写真撮ってたりするし。
余裕ぶちかまし(笑)。
午後4時半の受付時間が近づいてきた。
酒屋の十一屋さんが生ビールを届けに来てくれる。
毎回配達し回収。
本当にありがたい。
最終日なので、販売チーム、ドリンクチーム、窯場チーム、片付けチーム、受付チームの全員が集まってのミーティング。
総勢50名以上のボランティアが参加してくれたのだ。
屋台チームの関口くんが焼きそばをつくりはじめる。
おばんざいバルすみすの女将すみちゃんが、おつまみの唐揚げをもってやってくる。
「夜店のほうもあまり人がいませんでしたよ。
きょうはヒマと違いますかあ?」
すみちゃんが言う。
それに、もう「大門まちなかバーベキュー」は3回も開催していて1500人近い人に参加してもらっているのだ。
さすがに電池切れかもしれぬ・・・・。
などと油断していたら・・・・
来た!!!
ぞわぞわと人がきた!!!
満席になるまで、どんどん人を入れていく。
そして満席になったかと思うと、最初の人が席を立つという好循環。
えんえんと人が流れていく。
満員御礼の商店街に、ちんどんが繰り出す。
きのうも参加してくれた、みかん&フーちゃん夫妻と、なんと愛知県から「瀬戸電ちんどん倶楽部」が駆けつけてくれ、なんとちんどん行列〜!!!!
ちんどんちんどん、とんしゃらら。
いったいここはどこなのだ?
夢の世界かおとぎの国か。
大門まちなかバーベキュー最終日の盛り上がりはピークを迎えようとしていた。
次回、感動のファイナル!