ご近所のお得意さま周りをするという高尾さんに、我われもついていくことに。
大切な営業に、デカクてイカツイ男がふたりくっついていくのである。
相当迷惑なはずだが、高尾さんは笑顔で「いいですよ!」なのだ。
やさしいのだ。
「ぜひ見てもらいたいところがあるんですよ。せっかくですからまずそこにお連れしましょう」
そういって高尾さんは軽快に軽トラを走らせるのであった。
「石垣はこのあたりの石で組まれているんですよ。稲の緑とのコントラストがキレイでしょう」
高尾さんはこの場所が好きだという。
それもそのはず。
高尾さんはこの近くで生まれ、そして今も暮らしている。
ここはまさに高尾さんのふるさとの風景なのである。
しかし、この棚田も休耕しているところが目立ちはじめているという。
ここも過疎化、高齢化の波が押し寄せているのである。
「オーナー制とかいろいろ考えなくちゃいけない時期にきてるんでしょうねぇ・・・」
1歳弱の松阪牛です。「オレ、生きてる松坂牛を見たのはじめてや~」と興奮の隊長。
栃木さんは松阪牛品評会で数々の賞を獲得。
なんと松阪牛の名人といわれる方であった!
「まあ、お茶でも飲んでくやわ」
栃木さんのやさしい言葉に甘えて、サルシカ牛肉取材班はあつかましくお邪魔しました。
栃木さんは、缶コーヒー、オロナミンC、そして熱いお茶まで出してくれました。
「北島三郎さんがお好きなんですか?」
壁のポスターを見てさりげなくいうと、
「ああ、こないだサブちゃんの家にお邪魔したんやわ。お茶よばれて帰ってきた。大きな家やったあ・・・」
サブちゃんの家に呼ばれた・・・!?
いったいどんなおっさんなんじゃ!?
よくみると、キャイ~ン・ウドさんとか坂東英二さんとかのサインがたくさん置いてある。
「うん、取材できてもうた人たちやわ・・・」
我われはひょっとしてすごい人のところに来てしまったのではないか。
カメラマン加納と顔を見合わせ、慌てました。
す、すいません、栃木さん!
半ば遊びで、それも偶然に、突然にやってきた私たちをお許しください~~!!
「こないだなアラブの人がきたで。名古屋からタクシーで来たっていうとった。金持ちやのぉ」
と、笑いつつその写真を見せてくれる栃木さん。
なんだかすごすぎます。
改めて取材させてもらう約束をして、お別れしてきました。
まもなくはじまる予定の「M子の特選食材を求めて三千里」というコーナーで、またお邪魔します!!!